またまた薙刀式の動画を撮って、
今色々見ているのだが、
何かを打って変換、「、」確定、
の下りが結構多くて、無駄だなあと嘆いている。
で、さらに色々見ていると、
何かの名詞で止めて、
変換、(確定)
→「の」「に」「を」「が」を打って確定、
という下りも多いことに気づく。
打鍵効率から見たら明らかに悪い。
確定せずに次を打っていけば確定の手間が減るのに。
(デフォルトの位置のエンターは遠すぎるが、
薙刀式ならVM同時でエンターなので、
打ちやすくつい打ってしまいがちなのはある)
単語変換後確定、
助詞または句点確定、
の二度確定とも、打鍵効率からはいらないはずだ。
しかしこれは、
膠着語という、日本語特有の構造、
あるいはその思考法と、密接な関係があることに気づく。
まず単語を放り投げる。
その単語が確定する。
次へつなぐ言葉を書く。
単語からの方向性の糸が出てくる。
そこからまた繋いで次の言葉へと移る。
単語(話題)提出、
方向性提出、
次の言葉、
という三段階の、異なる位相の思考が、
膠着語たる日本語にはあると思う。
その段階の「(脳内での)切り替え」にエンターが使われている可能性がある。
これは「カチャカチャ…ッターン」
という俗語が端的に示していると思う。
ッターンは思考の小さな区切りがわりなのだ。
いくら長文の連文節変換が強力とはいえ、
これを常用しないのは、
思考が必ずしも連文節ではないからだ。
もちろん、流れるような思考のときは、
流れるように一文、複数文が出てきて、
連文節変換がばしばし決まっていくだろう。
しかし思考というものはもっと暗闇を手探りで進むような感じだ。
まずアレ、つぎにコレ、そしてソレ、
のように、もたもたしながら進んでいくものだ。
(書かれた)文というのは、
その途切れ途切れの思考を、
あとから見てまるで淀みなく出てきたかのように、
振る舞って整えられたものである。
口述筆記が文章として拙劣なのは、
この、途切れた思考のままの記録に過ぎず、
あとから見て流暢な文になっていないからである。
講演や会話はその限りではない。
あー、えーと、で、いやあ、
などの意味のない間投詞が多く、
その間に人は思考のつぎに進めている。
つまり、エンターは間投詞である。
ただでさえ、「入力の監視」というのが、
入力状態では必要だ。
漢字変換はただしいか、文節割り当ては、ミスタイプは。
それは、
「自分の書いた文字は思った文字か」
「書かれた言葉は自分の思考か」
とは別の下位レベルで常駐している、
僅かながら存在する手間(邪魔)である。
この常駐を切って思考に集中したいとき、
人はさっさとエンターを押したいのではないか。
ということで、
名詞→変換→(確定)→、→確定
名詞→変換→(確定)→助詞→確定
名詞→変換→(確定)→助詞→(確定)→、→確定
などという、
何重にも無駄と思える確定を、
僕は押しがちなのではないかと思った。
コピー打鍵ならばこれは圧倒的に無駄な確定だ。
1000字の文なら数十回くらいは打鍵を省略できると思う。
しかし、
「自分の思考を明らかにする」
という過程においては、
「段階区切りごとに小さく考えるボタン」
としての確定が、
膠着語の構造的に必要なのかも知れない。
ちなみに、
薙刀式では「。確定」と、
「。」と確定は同一化してある。
一文を変換してよければ「。確定」で次へいける便利がある。
だから「、確定」でもいいんじゃないかと思うときがあるが、
句点を含む一文をまるっと書いて一括変換したいとき、
「、確定」で分断されて嫌なのだ。
思考の射程を、道具自身が狭めるべきではない。
対策として、「、(未確定)」「、確定」
の二つの句点を用意した時期もあったが、
これはこれで混乱したので、
現在の、
「、(未確定)」「。確定」
のペアに落ち着いている。
で、自分の打っている動画を分析してみて、
「、確定」にしたほうが、
この思考スタイルでいく限りは、
動線は楽になるなあ、
と思った次第。
あるいは、現状維持で思考法をもっと長いスパンにするかだ。
しかしながら、
思考が必死になればなるほど、
確定のスパンは短くなることが、
経験的にあると思う。
どちらの状態にも対応できるのが道具のあるべき姿だろう、
と思って現状にしているのだが、
うーむ、見てると無駄だなあ、
なんて思い始めている。
答えはないかも知れないが、
他はどうしてるのかな。
句読点変換も、同様の意味で僕は採用していない。
ライブ変換なんか、確定状況がぬるぬる変わって全く落ち着かない。
英語のタイピングなんて、
単語の確定は巨大なスペースキーだし、
あとは句読点と:;!?を考えればことは済むので、
意識とタイピングは随分一致しているのだろう。
こういう風になるように、
日本語タイピングを工夫できるのが最終目標かもね。
2020年06月06日
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