2020年06月08日

【薙刀式】タイピング速度を速くする意味

(素朴に考える)速くタイピングできたら速く書ける!
→(分析1)短距離より長距離が生産性に直結
→(分析2)漢字変換がもたつくと長距離ではかなり不利
→頭から出てくる文の蒸発を防ぐ方が大事では
(今ここ)


頭の中から湯水のように湧き出るアイデア、
文章は、どのようにして書き留めればいいか。
そのトップスピードはどれくらいあるのだろう。

僕は薙刀式でタイプウェルSSだから、
全部をひらがなで書いたとして、
5カナ/秒だから、分速300カナ書けることになる。

漢字変換を伴う長い文章の場合は、
1700字/10分の記録がある。

で、
アイデアというのは大抵PCの前では出てこない。
散歩したり喫茶店で紙を広げたときに出てくる。

ということは、
僕の湯水のように湧くものを書き留める道具は、
スマホのメモ機能、
または物理の紙とペンだ。
(昔電車の中でアイデアの雷が落ちて、
降りたホームの椅子に座ったまま、
小説一本1万字くらいを二時間で手書きで書いた)


さっき仕事のアイデアをPCのメモ帳で書いたのだが、
薙刀式を使ってさえ、
なんともまどろっこしい感じがした。
(qwertyローマ字は論外だな)

書いてるうちに忘れそう、という切迫とともに、
400字程度のメモを書き終える。
時間にすれば1、2分の出来事だ。


タイピング速度が有用なのは、
こういう時だけかも知れないと思った、
というのが本題。

前記事で引用しためんめんつさんのグラフによれば、
漢字変換を半秒で出来る場合、
Zタイパーになってもなお2000字/10分届かない。

ならば、実のところ、
長文を書くときに、タイピング能力はクリティカルでないのでは、
ということを妄想する。
それよりも、
「いま、目の前、ここにあるものを書きたい」
という衝動に対して、
どれくらい対応できるのか、
という非常に近視眼的なことに意味があるのかもだ。

薙刀式や飛鳥配列は、
とくに単語単位の長い連接の運指を繋げるように意識した設計だ。
それは、文章を綴る上で、
近視眼的なストレスを軽減すると考えられる。

ああ、書けない、もどかしいよりも、
ここで一気にこれを書き、空いた時間で他のを書く、
みたいにした方が、
書くときのストレスは少ないような気がする。


新JIS、新下駄はもう少し中長期の平均速度を重視している感じがする。
(タイピング競争で結果を出しているのは新下駄だが)


で、全く違う観点だが、
「長距離で疲れないのはどういう配列か」
もある。

つまり理想の配列とは、
湯水のように湧いたものを書き留めるだけの速度と、
長距離で疲れないことの、
相反する(かどうかは分からないが)、
二つの要素が必要だということだ。

新下駄のkouyさんは「疲れないことは速いこと」
と両者を同一視しているので、どちらも両立しているのだろう。
想像だけど、すべての粒が揃っていて平均的に速いイメージ。


薙刀式は疲れないことには自信がある。
僕がqwertyで嫌だったものを全部解消したので。
近視眼的なトップスピードは、
タイプウェルのような名詞群ではなく、
文章に出てくるつなぎの言葉(である、など)が速いので、
文章は速いかもだ。
(単語ばかりが多い文章は並だろう)


結局長い文章を書くという行為は、
タイピング速度が関係ないくらい考えたり書き直したりしなきゃいけない、
という点で、配列やタイピング能力の占めるウェイトが少ないのだろう。

だとすると、配列の役割は、
「アイデアが蒸発しない程度のトップスピード」と、
「中長期的な疲れを軽減する」
の両極のふたつを兼ねているかで評価すべきかも知れない。

あとは習得までの難易度か。


それでいうと、以下のようなイメージかなあ。

【薙刀式】
トップスピード:⭐︎⭐︎
疲労軽減:⭐︎⭐︎⭐︎
難易度:⭐︎⭐︎

【新JIS】
トップスピード:⭐︎
疲労軽減:⭐︎
難易度:⭐︎

【新下駄】
トップスピード:⭐︎⭐︎⭐︎
疲労軽減:⭐︎⭐︎⭐︎
難易度:⭐︎⭐︎⭐︎

【飛鳥】
トップスピード:⭐︎⭐︎⭐︎
疲労軽減:⭐︎⭐︎⭐︎
難易度:⭐︎⭐︎⭐︎

【親指シフト】
トップスピード:⭐︎⭐︎
疲労軽減:⭐︎⭐︎
難易度:⭐︎⭐︎

【いろは坂】
トップスピード:⭐︎⭐︎⭐︎
疲労軽減:⭐︎⭐︎
難易度:⭐︎⭐︎⭐︎

【qwertyローマ字】
トップスピード:⭐︎⭐︎⭐︎
疲労軽減:⭐︎
難易度:⭐︎

【JISカナ】
トップスピード:⭐︎⭐︎⭐︎
疲労軽減:⭐︎
難易度:⭐︎⭐︎

こんな感じだろうか。
いろは坂はトップスピードは申し分ないものの、
打鍵範囲の広さが疲労に繋がるような気がするので、
⭐︎ひとつ減らした。
僕の基準が一日1万字目標なので、
一日5000字以内では、
各配列の疲労度はあまり変わらないかも知れない。


新下駄と飛鳥は両横綱だろう。
ただし難易度も高い。

新JISはトップスピードは低いが、
誰もがカナ配列を使えるように、
という普及の目的が尊い。

親指シフトは、今やどれも中途半端に見える。

薙刀式は、
長く書く人を容易にカナ配列へ誘導できる配列だと、
当初の設計どおりのポジションにいると思った。


それぞれ、どの場面でどうしたいのかを考えれば、
配列や物理キーボードの選択も、
ずいぶんと変わるのかも知れない。

「はやくなりたい」という言葉の意味は、
ひとつではないわけだなあ。
posted by おおおかとしひこ at 12:15| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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