非常に綺麗な落ちを見たので貼っておく。
僕が考えたアンジャッシュの多目的トイレのコント
https://mobile.twitter.com/yamagemoto/status/1271046989258477569
水に流せない浮気の件、
水に流すウンコの件。
浮気とかけてウンコと解きます、
その共通点は、
ということである。
なぞかけになっているわけだ。
だから、
「なるほどね」とニヤリと笑って、
落ちがついたようになるのである。
実際のところ、映画的にこのコントを見れば、
浮気という問題にケリはついていないし、
ウンコという勘違いはしたままでケリはついていない。
だがこれはコントなので、
笑いで落とせればなんでもいいわけだ。
これがストーリーとして落ちをつくるには、
ケリのつき方が、そのこころは、
になっていないといけない。
あるいは、
別々にケリがついた
(たとえば謝罪会見、離婚、あるいは復帰と、
ウンコのことじゃなかったのかよ、
と誤解がとけること)あとで、
「水に流しちゃいけないものと、
さっさと流すべきものの差だな」
とまとめて終わるかだろう。
もちろん、コント風の落ちの方がキレはいい。
この落ちはコントの為に用意されたものだからね。
つまり、
ストーリーの落ちとコントの落ちは異なるわけだ。
ストーリーの落ちというのは、
問題の決着の仕方、
あるいは決着後のラストシーンにおいて、
そのこころは、が明らかになることをいう。
コントにはその縛りはない。
綺麗に落ちをつけることが、
いかに困難かよくわかるだろう。
だからこそ、
僕は短編(1分、5分、10分、15分あたり)をたくさん書いて、
綺麗な落ちをつける練習をするべきだと主張している。
はじめて書いたシナリオが2時間で、
一発目に綺麗な落ちなんて最初から出来るわけがない。
件のコントを見返してみよう。
トイレから発想されるどんだけデカイうんこなんだよ、
ということは、
落ちであることの「流せない」「流せよ」
への伏線である。
浮気AとウンコBの共通点X「水に流せる」
を活用しているわけだ。
で、アンジャッシュの勘違いコントであるところの、
両者の思っていることが延々ずれている面白さを、
ついには「流せない」「流せよ」
という短い真逆にすることで、
落ちになるわけだ。
非常に構造的に綺麗で、
理想の脚本(コントの)である。
ここまで出来ていれば、
途中にアドリブでもっと面白いことを盛り込んだりも出来る。
中盤にターニングポイントを入れて、
一回別方向へ話が進む(ツイスト)も入れられるだろう。
事件の発生とその落ちさえ決まれば、
シナリオというものは中盤を色々変更しても良い。
短い構造でこれだけのことが出来るかね?
短編の名手とは、
毎回このキレをやってくることだぞ。
(ついでに、5chでのネタ被りを指摘されたあとの、
「一人でやれよ」までリライトできる頭の良さよ。
浮気と嫁、ウンコの両者の共通点Xの別解なわけだ)
2020年06月13日
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