現在のキーボードの形はどうしてこうなったんだろう。
qwerty配列に関してはタイプライター由来だとわかっている。
しかしわからんのはその周囲の沢山のキーだ。
興味のまま調べていくと、
どうやらスペースカデットキーボードというものにたどり着く。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/スペースカデットキーボード
僕が特に分からないのは、
コントロール、タブ、オルト、カーソル、
エンター、ESC、悪名高きCapslockが、
なぜその位置にあるのかだ。
そもそもそんな使い方をするならば、
もっとベストな位置にあるべきだろう。
あらゆるショートカットに、
コントロールやシフトやオルトを使うならば、
僕はFJの位置にあってもいいと思うほどだ。
Macのスペースキーの両脇のコマンドキーは理想的だ。
なぜそうなっていないのか?
そして沢山の記号群。
なぜそれがそこにあるのか。
合理的と言われるUSキーボードでも、
明らかに「\|」のキーはスペースが余ったところの穴埋めに見える。
バックスラッシュはスラッシュと対にするべきでは?
Windows出現前、まだ世の中が98とかDOSVだったころ、
人工知能研にいた僕は、
Sunのワークステーションを使い、Emacsを使っていた。
でもそんなに熱心な学生ではなかったので、
操作系は適当にしか知らなかった。
卒業後は映像系でMacばかり使っていて、
Windowsに触ったのはここ数年だ。
だからWindowsの使いにくいキーボードが、
いったいどこから来たのかとても気になっていた。
Macは全てが合理的な指配置で、
動線も整理されている。
その代わりやれることがWindowsより少なく感じる。
Windowsは複雑怪奇で、
整理されていない市役所の書類のように感じる。
やれることも多いのかも知れないが、
全貌が分からないので各個撃破するしかなく効率が悪い。
HHKBの有名なA横のコントロールキーは、
Sunキーボードの名残で、そこまでは知ってた。
しかしEmacsはコントロールキーとのショートカットを異常に多用する。
たとえA横でも小指が死ぬくらいに。
だから僕はサイトメソッドで人差し指で押してたくらい。
そんな非合理な動線をなぜありがたがる?
おかしくないかとその時は思ってたが、
まあ一生のことではないしなあ、
俺は映像系になるわけだし、などと思っていた。
で、ワークステーション以前のキーボードシステムを調べていて、
スペースカデットキーボードにたどり着いたというわけ。
なんという合理的配置!
異常に長いスペースキーにびっくりするが、
しかしスペースキーは英語における確定キーがわりだ。
単語でよければスペースキーで次の単語へ行くからね。
JISエンターより合理的な位置ではないか。
単語の最後の文字の逆手で押せば左右交互だ。
注目はコントロールキーだ。
なんと、シフトの下、Zと/の斜め外の下にあるのだ。
(Macのコマンドキーは、これを横に縮めたのだな)
しかもデカイ。2Uはあるだろうか。こりゃ押しやすいわな。
その外に、Meta、Super、Hyperの順にモデファイアが並び、
これらの組み合わせでいろんなことを指定したらしい。
とくにEmacsは、
このCtrlとMetaの位置を前提に、
ショートカットを組み立てられているという。
しかも左右対称にこれがある。
たとえば、
Ctrl+Fは一文字前進、
Meta+Fは1ワード前進、
などのように、CtrlとMetaの関係があるらしい。
圧倒的に合理的ではないか!
MetaはWindowsにおけるAltだろうか?
だとしたらなぜ、
Ctrl+Fで一文字前進、
Alt+Fで1ワード前進、
のように整理されていないのか?
意味がわからない。
さらにもともと空いていたCtrlとAltの間にWinキーが飛び込んできて、
Windowsのショートカット体系はぐちゃぐちゃである。
右側にモデファイアのないキーボードばかりだしな。
ああ、この操作体系とこの物理キーボードを、
直接今でも触りたい。
美しささえある体系と物理で、
これが頭の良い人が考えた合理的な動きというものだ。
なぜSunキーボードでA横にCtrlが来たのか、
Emacsの操作体系に対してCtrlの位置が反省されなかったのは何故か、
そしてそれをどんどん改悪していったWindowsの意図は。
まったく意味不である。
初期の天才の整理が、
後年の不案内な人によって書き換えられ、
訳がわからなくなったスパゲッティが、
現在だということはわかった。
僕のやろうとしていることは、
少なくとも日本語入力の範囲だが、
この元祖?のキーボードのような、
シンプルでわかりやすく、結果美しい体系を、
作りたいということなのだなあ。
Macの体系はその思想を受け継いでいるので、
僕は大変好きである。
しかしカタナ式、薙刀式は、
DvorakJが動くWindowsだから出来たようなものだ。
僕が配列に興味が出たころ、
すでにkey4remapが走らないMacのOSを使ってたので、
Mac上での配列実装の手段がわからなかったのだ。
しかも弊社は映像系の癖に会社貸与ノートはWindowsというクソっぷりで、
手元にあったのはWindowsだったのだ…
しかしMacといえども、
薙刀式の編集モードほど洗練されていない。
結局僕は、
自分の知る中で最も洗練された機能キーの動線を作ったように思っている。
ううむ。
スペースカデットキーボードの時代にタイムスリップして、
Windowsキーボードを見せて、
ショートカットのリストを見せてやりたいぜ。
「なんでこんなにごちゃごちゃなんだ?」
と全員が馬鹿にするに決まってる。
システムは最適化するべきだ。
現在のWindowsは、嘘に嘘を重ねて取り返しの付かなくなった、
ただのスパゲッティだと僕は思う。
それを使い続ける日本の会社は、
やっぱりバカばかりだと思うよ。
判断する人がブラインドタッチでバリバリ使ってないから、
整理が悪いということに、20年くらい気づいてないのでは?
もともとControlはテレテイプの制御コードとして使われていたものをPC時代に受け継いだものなので、実はCapsLockより生まれが遙かに早く、IBMが101キーボードを標準化する前のPC業界はCapsLockよりControlの方を重視して、Aの隣の一等地はControlという機種も多かったみたいですし、Mac以前のApplePCもそうだったようです(実際にももっと機種別でのせめぎ合いがかなりあったようですが)。
Macにおいてはテキスト編集用のControl/アプリ編集用のCommandという整理されてた操作体系は、もともとMacがApple2時代からテレタイプ直系で培われてきたものなのに対して、WinではIBM系の影響力と、Macからの影響でむりやり機能を追加してきたという2つの流れを受けて、機能キー関係がぐちゃぐちゃになったんだと思います。
自分もWinの修飾キーや機能キーの扱いは正直ひどいと感じます。
僕はPCが嫌いで、なるべくなら遠ざかって来た派なので、
そうした歴史に関しては疎いのでためになります。
本来合理性の塊のように設計できるはずのシステムが、
なぜそのようにごちゃごちゃになるのか、
まったく意味不明ですね。
Macはジョブズの帝王主義が効いてる間はシンプルでした。
民主主義や話し合いや調整は、
すべて妥協による法則の破壊なのかもしれません。
ナチスの制服が機能的でカッコいいことと似てるかも。
今更整理されないでしょうねえ。
Officeの操作体系やショートカットもクソだと思ってるので、
見る以外はなるべく触らないで生きてます。
PCはパーソナルコンピュータではなく、
ポリティカルコンピュータかもな。
個人的にはXの下よりかはShiftの下のほうが押しやすいかな。X下じゃ薬指で押すには曲げ過ぎで苦しいし、親指で押すにもその位置できちんと止めるのに神経を使う。
薙刀式の方式もいいと思います。
Macの場合、僕はサイトメソッドで押してます。
ブラインドだとしんどいでしょうね。
理想は、Macのスペースキーが三分割されて、
両端がcommandになることかなあ。
あと文字系のショートカットがA横のコントロールでなく、
commandに統一してほしいですね。
自作配列のいいところは、
こうしたごちゃごちゃの事情を全部すっとばして、
「自分の使う理想の体系」を組めることにありますね。
薙刀式のそれはまだ完璧だとは思ってなくて、
それは欲しい機能がショートカットのマクロの組み合わせだけでは実現出来ないからです。
(たとえばTATEditorにある、「一文選択」なんかかなり便利)
QMKからだとコード吐くしか出来ないので、
スクリプト組まんといかんのか、などとぼーっと考えています…