物理キーボードを脳内でどのように捉えているのかで、
二種類あるのでは説。
仮に、絶対位置派と、相対位置派といってみる。
絶対位置派は、
キーの絶対位置が脳内にあり、
そこにホーム位置から指を飛ばす方式だ。
この派の人は、
たぶん同じキーボードを使うのが長かった人だと思う。
109キーボードなりなんなりの、
1/2ズレ1/4ズレ1/2ズレの、左ロウスタッガード一体型に、
慣れてきたのだと思う。
Jからどこにどれくらい行けば何があり、
○からどこにどれくらい行けば、
という絶対位置の地図が、
感覚として入っていると思われる。
だから、
オール1/4ズレのロウスタッガードだと調子が狂うし、
左右分割や格子配列は尚更だろう。
また、絶対位置を連続して打ちさえすれば連接になるわけだから、
使用する指は、その時々で合理化して、
標準運指を守るよりもいい時があるだろう(最適化)。
一方、相対位置派は、
指にマップがある。
ホーム位置に構えた位置から、
○指の○段、というように、
ホームからの相対位置でキーを把握している。
だから指を変える最適化は苦手だ。
地図がキーボードでなく指にあるからだ。
逆に、
どんな形のキーボードでも、
指の位置さえ決めれば打てるだろう。
僕みたいに、いろんなキーボードを使っても特に位置関係に困らないのは、
こうした派閥だと思う。
相対位置派の理想は、格子配列かコラムスタッガードだろう。
指の構え基準の方向性なのだから、
左右対称がいいだろう。
左に捻る意味は、害しかない。
絶対位置派は、キーの絶対位置基準だから、
急に物理配列を変えられても困るだろう。
左に捻った位置で記憶しているだろうから。
僕は左ロウスタッガードが悪魔の所業だと思い、
こんな腱鞘炎量産装置は廃止すべきであると考えるのは、
相対位置派だからで、
絶対位置派は、それを変えられると困ると思っている可能性がある。
左に捻ること自体は良くないかも知れないが、
微妙な距離感や角度の差で、
キーの区別がつきやすいとすら考えているかもしれない。
(僕から見れば意味不明だが)
キーの物理配列とブラインドタッチの関係を考えていて、
実は脳内でのマッピング方式が違う人がいるのでは、
などと思ったので記してみた。
めんめんつさんが以前言っていた、
「キーが順番に光り、近い指で取りに行く」
という感覚は僕からは信じられず、
そういう人もいるのか、おもしろいなあなどと思っていたのだが、
これは物理キーの絶対位置基準で脳内マップがあると仮定して、
あと自由に動ける指があれば、
理解できると思ったのだ。
こういった人は、配列を変える時、
物理キーボードを変えてしまうと便利かもしれない。
「あそこにここがあるぞ」という感覚だろうから、
ピッチも変えてしまうと更にかもだ。
僕なんかは、「ホーム位置を基準にして、
その指の上と下にあれがある」みたいに配列を記憶しているため、
打鍵姿勢が変わると感覚が全然違ってしまう。
物理キーボードを変えること自体は楽勝だけど、
打鍵姿勢の混乱の方がはげしい。
あるいは、新しい配列を覚えることは、
指の関係を作り直すことで、
地図を覚えることではないと僕は感じている。
配列を覚えるときに、配列図を丸暗記しようとしたり、
自作キーボードでも、
せっかく左右分割なのにまだロウスタッガードにしたがるのは、
絶対位置派の考え方なのかもしれない。
(よく知らないから、ということもあるだろうけど)
逆に相対位置派は、
最上段なんてホーム位置から遠すぎて、
できる気がしないのだ。
打鍵理論の百家争鳴ぶりは、
人は脳内マップの様式が異なるから、
ということも理由の一つにありそうだ。
盲人が地図をどのように脳内で把握しているか、
あるいは、
電気を消した自宅の部屋で自由にどう動けるか、
という研究にも通ずるかもしれない。
2020年06月18日
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