最近やっと薙刀式×自作キーボードで、
文章に手を突っ込む感覚がときどき得られるようになってきた。
これは速度だけの問題ではないと思う。
僕の手書きは900と、薙刀式の1300程度より遅いが、
手書きの方が、
原稿に手を突っ込んでいる感覚になる。
どういう感覚なのか曰く言い難いが、
「字や概念や言葉が、とても自由に動かせる感覚」
とでも言おうか。
空間に文字が出て、
それをシュッとスワイプするSF映画のOSみたいなイメージかな。
手書きだと、
体と右手とペンが一体化して、
脳内の言葉空間に手を突っ込んで、
ねりくりまわして出してきて、
その場で捏ねて、整形して、
あとでちょいと直して、
みたいな粘土を触っているような感覚だ。
ようやく薙刀式×自作キーボードで、
それを時々感じるようになってきた。
薙刀式の練度が上がったこともあるかもしれないが、
最近の3Dキーキャップと、
30gベース変荷重銀軸シリコンシート仕込みが、
物理的に効果があったように思える。
キーボードを触っているから、
ペン一本の右手ではなく、
両手を突っ込んでかき回している感じ。
それが手書きと違う文章には多分なるのだろうが、
感覚はとても似てきた。
それを邪魔するのはやはり漢字変換や文節変換ミスとかかな。
あるいはIMEの知らない言葉を教えてる時間帯とか。
こういうのが入ると、黄金の紐帯がすぐに外れ、
十分くらいは感覚が戻らない。
その時に文章も乱れて、
あの親しげな感覚に帰れなくなることもまだしばしば。
いわゆるゾーンに近いのかな。
手書きだと5分もあれば僕はそこに入れるし、
それを90分持続させることも可能だ。
(書くことがあるときに限る)
この全能感こそが、書くことの快感なのだ。
そこまで薙刀式で集中できたことはなかったが、
最近ちょいちょい、途切れ途切れだけど、
そんな感覚になることが自覚されてきた。
いわゆる道具としての感覚が消えて、
文や言葉と手が直接繋がってるような感覚、
とでも言えようか。
まだブログの書き溜めくらいの文章だけど、
それでもそういうことがあるので、
あとちょっとで道具として一段階上がってくれるのかも知れない。
まだ3Dキーキャップは微調整したいし、
キースイッチもこれがベストかはわからないが、
なんとなくエンドゲーム近くに来ているような気はしている。
蜃気楼のように遠ざかるかも知れないが。
qwerty配列でこの感覚に入れる人はいるのだろうか。
僕はとてもじゃないが無理だったので、
迂回してここまで来た。
あと少しで、文に手が触れる感覚を、
常に持てそうな予感がする。
言葉の手触りを手で感じられるようになりそうだ。
ブラインドタッチが出来て、
1500字/10分とか出来ても、
その感覚にならない限り、
書く道具としての意味はないと僕は思う。
2020年06月23日
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