当たり前の事実なんだけど、
配列を考えているとつい指は平面運動をしてるなどと錯覚してしまうよね。
指がキーを打つまでには、
経験上、
非常に多くの筋肉と関節が動員されていることが分かっている。
手首をつけていると、
指の第一関節から先だけが動いているような錯覚に陥るが、
実際は手首関節も動いている。
横伸ばし位置に動かすための回転や、
下段の指の畳み込みなどに使っている。
上段を打つときは指の伸ばしとともに手首は奥へ伸びるように傾く。
大きな手首を動かすことで、細かい指の運動を補助している。
手首を動かすには、
上腕部の筋肉が必要で、
この中には指を動かす腱も入っている。
じゃあ肘は不動かというとそうではなく、
手首を動かすために動いていたりすることを、
よく観察すると発見できたりする。
肩は?
動いてないから大丈夫と思いきや、
重たい肘を吊りながら、
なおかつ肘を動かすのに必要な背側の筋肉
(三頭筋)を使っている。
で、これは結局背骨まで腱で繋がり、
打鍵姿勢保持の筋肉、首や腰や背中と関係する。
僕が大量に打鍵するとき、
これらが疲れるので、これらのストレッチを併用している。
そうでないとダルいし、ひどいときは痛くなる。
で、もとに戻ると。
配列設計は、指の平面運動だけを意識していれば十分か?
僕はそうではないと最近考えている。
指は直線では動かず、
常に多関節の曲線を描いている。
あるキーを単独で押すときと、
他のキーと連続で押すときでは、
運動曲線が違うことが、
動画を撮るなどして確認してきた。
まだ法則がよくわからないのだが、
一つ言えることは、
「僕らはアナログの身体運動で、
デジタルを押している」
ということだ。
結論から言うと、
「人の指の自然な動きで打てる物理キーキャップで、
このギャップを吸収しよう」で、
今のところなんとかしようとしている。
段で傾きのかわる、
伝統的なシリンドリカルキーキャップは、
本当に自然か?
同じ段でも指によって触れる角度も、
指の動く角度も違うというのに。
連接は滑らかな曲線なのだから、
そこに直線的な段があることは正しくないと僕は考えた。
人の自然な指の動き。
指から見て、上中下段が等価になるようなトップ面の配置。
どの指から見ても構えが等価になるようなトップ面の配置。
新型のサドルプロファイルは、
ようやくそれを成し遂げたように思う。
ただの格子配列は、
「指から見て格子配列」ではなかった。
指から見てやっと格子配列になれたのが、
サドルプロファイルだと言えると思う。
こうなったときに、
はじめて論理配列を考えることができるのかも知れない。
(もっとも、自作キーボード以前の論理配列は、
シリンドリカルキーキャップかつ左ロウスタッガードでの、
各キーの距離や角度ありきで、組まれていただろう。
QWERTYも伝統的物理キーボードで最適化がされているだろう。
たとえば格子配列でQWERTYは大変打ちづらい)
薙刀式は、じゃあ、このキーキャップ上で変更するか?
論理的にはそうかも知れないが、
その変更コストを考えると、
現状維持のような気がする。
結局、身体が最短距離を知っているので、
負荷をかけて悲鳴を上げさせることでしか、
改良の動機はないのかもだが。
変荷重と3Dキーキャップがあって、
ようやくキーボードは指主観で等価キーになった。
あとは指の耐久性で、配列は決まるかもだ。
2020年06月30日
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