2020年06月30日

とある中身を違うガワに書き直す訓練

こういうのを一回やってみるといいのだ。

「ダメな会社の上司を倒す」
という話を一度書き、
時代劇に変えてみなさい。


これはほとんどの時代劇のプロットになる。

中世の「身分が違うがゆえに引き裂かれる男女」
を、
現代劇に置き換えてみなさい。

短いプロットで練習するのがコツだ。
ペラ一枚くらいで考えれば、
置き換えの練習になりやすいだろう。

ただし、その時代のその風習なりのクライマックスを考え、
異なるガワのときは、
そのガワを生かしたものをひねり出すなど、
「このガワでしか生きない何か」
を加えると、ただの置き換えの練習だけでなく、
より実戦的になるだろう。
逆に、
「このトリックを生かせるもっとも的確なガワは何か」
などと考える発想をしてもよい。

「友情のために遠くまで行き、何かを持って帰る話」
をメロスの時代と現代とSFで書いてみても、
面白いことになる。
「侵略者を倒す」話を、
元寇、アフリカの部族、現代(中国が侵略者でいいや)、
宇宙開拓時代、パラレルワールドの生き残りバトル、
で書き分けてみても面白いかもしれない。

どういう巻き込まれ方になるのか。
主人公はだれか。
主人公はなぜ戦うのか。
そこに感情移入させるようなエピソード。
クライマックスはどういうものか。
テーマはどう捉えられるのか。

ガワを変えたときに、
それらはどう変わるだろう。

逆にガワを変えても変わらない、
普遍的なものはあるだろうか。

それらのバランスが、
各ガワで変えられるとさらに良いだろう。


こうしたことを練習しておくと、
冷静に自分の作品のガワと中身をとらえられ、
なにをどう変えたらどうなるのか、
予測がつくようになってくる。
とすると、「こう書き直せばよいのではないか」
などと、冷静に判断できるようになってくるわけだ。

練習は練習だ。
どんどんやろう。
posted by おおおかとしひこ at 00:35| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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