不可解なことには仮説はつきものだ。
問題は検証しないこと。
つまり、「こうに違いない」が集合的無意識に近ければ、
デマとして広がりやすい。
陰謀論である。
今回の三浦春馬の件で、もう陰謀論が広がり始めている。
最近特にひどいのは、
「○○の兄です。(弟、妹)
真相をお話しします」
系のYouTuber。
承認欲求や再生数稼ぎもいい加減にしろ、と思う。
これいつからあるんやろ。ここ一年くらい?
芸能人YouTuberが増え出したことと関係してるかな。
あるいは他殺説もよく見る。
組織的な何かに関与していた説ね。
こうしたデマが都市伝説にまで成長することがある。
911陰謀論、月着陸陰謀論はよく言われる。
それは、「検証できないこと」に関して起こるということを、
覚えておかれたい。
ある不可解なことに対して、
その理由を知りたいというのは、
人の知的好奇心という、遺伝子レベルの性質だと思う。
(それがなければ発展がなかったので)
そしてそれに対して推理したり、
これまでの情報を総合した時に、
矛盾しないもっともらしい首尾一貫した説明、
すなわち仮説を立てたりすることまでは、
とても健全だ。
三浦春馬の自殺(と思われる)によって、
その喪失感が動機で、
真相を知りたいと思うのは自然な欲求だ。
問題はその仮説に対して、
検証をしないことだ。
科学の大事な要件は、検証可能性である。
誰か一人の珍説ではなく、
他人がそのようにしたとしても再現可能な客観性だけが、
事実と認められる。
仮説を事実のように言ったり、
事実を欲しがる人に仮説を与えて事実と誤認させるのは、
悪魔の所業だ。
つまりは詐欺だからね。
それが無意識にやってるやつが沢山いて、
人の心の闇とはすごいものだなあと思うわけだ。
これは、IQを上げて客観性を持てば解決するか?
僕はしないと思っている。
不可解なことに理由を知りたがることは、
本能に基づくことだと思うからだ。
IQが高いと、「不可解なことは不可解なままのことがある」
に、ある程度耐えられるかも知れない。
その耐久度が低い人から、
デマに参加するのだろう。
一番闇だなと思ったのは、
「誰かいらないおじさんの心臓100個集めて、
生き返らせて」というやつだった。
「いらないおじさんと、いるイケメンで世界が出来ている」
という世界認識は、BLMの根っこと同じだし、
それに無自覚なのはなんだと思う。
さらに厄介なのは、「誰か」に頼んでいて、
自分がやろうとしないことだ。
なんという責任転嫁。
大抵の悪魔の取引では、
死ぬほど欲しいものは、死ぬほど失いたくないものとの、
等価交換である。
悪魔なんだから足元を見て、
三浦春馬よりもっと価値の高いものとの交換を申し出るものだ。
だから物語になる。
なのにいらないおじさん。
いらないベルマーク100個集めてピアノになる、
みたいなことだろうか?
なんというメアリースー。ご都合主義。
三重のメアリースーだ。
僕は、動物的本能が、
教養を上回った、
Twitter動物園をそこに見るわけだ。
人は馬鹿になったのか?
いや、元から人はこうで、
ネットがそれを可視化しただけだ。
人間は思ったほどかしこくない。
そこに、どういう物語が成立するか、
どう人間たちに影響を与えるか考えるのは、
作家の仕事である。
世の中に知性の人もいる。
そうじゃない人もいるし、
人は知性が上回る時と、感情が上回る時がある。
2020年07月20日
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