2020年07月24日

敗北は何を意味するか

ストーリー上、主人公は戦っている。
何かしら危険を賭けて、何かを得ようとしている。

それが出来ない場合、
つまり賭けに負けた場合、
どういう意味を指すのだろうか?


物事は裏と表だ。
勝利した場合に得られるものが表だとしたら、
敗北した場合に失うものが、裏である。

それがきちんと設定されているか?

「ほうら見ろ、口ばっかり大きくて、
中身のない野郎だ」と叩かれることだろうか。
「二度と我々にかかわらないでくれ」という絶縁だろうか。
「この人が負けてしまったら、敵が正しかったことになる。
そんな世の中は嫌だ」だろうか。
「死ぬ」だろうか。

色々なことがあるだろう。
それに、主人公は追われていることになるわけだ。

目の前の餌だけでなく、
後ろから追われている。
それが、戦うときにおこる何かである。


失敗したとき、敗北したときのリスクはいかなるものか。
どういう価値が失われるのか。
主人公は、二度と立ち直れなくなるはずだ。
「この失敗はノーカウントで、なんどでも挑戦できる」
のだとしたら、ストーリーはたいして面白くないだろう。
ゲームと変わらなくなってしまう。

そうではなく、ストーリーというものは、
基本二度と起こらない何かを描くのだ。

失敗したら何が失われるのか。
失敗したら何を証明できなくなってしまうのか。
失敗したら、どういうチャンスが二度と来なくなるのか。

怖いだろう。
だが、それが闘いだ。

ストーリーとは基本的に闘いを描く。
成功したときの果実と、
失敗したときの谷底を、両方意識すると、
どっちになるんだ?と、ドキドキする。
それは、崖っぷちの一種だろう。
posted by おおおかとしひこ at 00:17| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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