ストーリー上、主人公は戦っている。
何かしら危険を賭けて、何かを得ようとしている。
それが出来ない場合、
つまり賭けに負けた場合、
どういう意味を指すのだろうか?
物事は裏と表だ。
勝利した場合に得られるものが表だとしたら、
敗北した場合に失うものが、裏である。
それがきちんと設定されているか?
「ほうら見ろ、口ばっかり大きくて、
中身のない野郎だ」と叩かれることだろうか。
「二度と我々にかかわらないでくれ」という絶縁だろうか。
「この人が負けてしまったら、敵が正しかったことになる。
そんな世の中は嫌だ」だろうか。
「死ぬ」だろうか。
色々なことがあるだろう。
それに、主人公は追われていることになるわけだ。
目の前の餌だけでなく、
後ろから追われている。
それが、戦うときにおこる何かである。
失敗したとき、敗北したときのリスクはいかなるものか。
どういう価値が失われるのか。
主人公は、二度と立ち直れなくなるはずだ。
「この失敗はノーカウントで、なんどでも挑戦できる」
のだとしたら、ストーリーはたいして面白くないだろう。
ゲームと変わらなくなってしまう。
そうではなく、ストーリーというものは、
基本二度と起こらない何かを描くのだ。
失敗したら何が失われるのか。
失敗したら何を証明できなくなってしまうのか。
失敗したら、どういうチャンスが二度と来なくなるのか。
怖いだろう。
だが、それが闘いだ。
ストーリーとは基本的に闘いを描く。
成功したときの果実と、
失敗したときの谷底を、両方意識すると、
どっちになるんだ?と、ドキドキする。
それは、崖っぷちの一種だろう。
2020年07月24日
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