2020年07月28日

【薙刀式】ストリームタイピング

ブラインドタッチも、
タッチタイピングも、
実情を示していないと思う。

なので、ストリームタイピングという新語を考えてみた。


ブラインドタッチも、
タッチタイピングも、
なんだか「手探りでキーを探して、
アテモンのように当てる」
ことをイメージさせる。

それができない人にとっては、
「目をつぶってガッて当てることを、
永遠に続ける」
ことを想像させてしまうような気がする。

そしてその恐怖ゆえ、
「自分は出来なさそうだ」
「その必要もないしなあ」
などと敬遠させていると思う。

実際に起こっていることはそのようなことではない。

自転所に乗る時、
「あの角を左に曲がってから右に曲がりたいなあ」
と思うだけで、
体は自動的に、
「コーナー手前でブレーキをかけ、角の向こうから何か来ないか注意して、
左に体を傾けながらハンドルを切る。
体勢を直しながら今度は右へ同じことする」
をやる。
その一々を意識しなくて、
体は滑らかにそれらの要素をつないでゆく。

ブラインドタッチは、これに似ている。


たとえば、
「ブラインドタッチでタイピングする」と打つとき、
僕は薙刀式で、
「ブラインドタッチ」「で」「タイピングする」
と、3つの流れをつなげることで打っている。

「ブラインドタッチ」は、ひとつの流れで一気に打つ。
(「ブラインド」「タッチ」とふたつの流れのときもある)

これを一つで打つことがなかなか難しいので、
「で」は分けて打つが、
「ブラインドタッチ」を打ち慣れれば、
「ブラインドタッチで」とひとつの流れで打ち、
全体は計2つの流れのつなぎに集約されると思われる。

(もし例文が「薙刀式でタイピングする」ならば、
「薙刀式」は打ち慣れているので、
「薙刀式で」「タイピングする」と2つの流れで打つだろう)


つまり、
「意味の一つの塊の流れを、一つの流れという手続き」
で打てるのが、
タイピングの理想であり、目標だと思う。
(そして薙刀式はそれがやりやすい配列だと考える)

もっともそこまで習熟してない人は、
「ブラ」「イン」「ド」「タッチ」「で」「タイ」「ピ」「ング」「する」
みたいに打つと思う。
「ブライ」「ンド」「タッ」「チで」「タイピン」「グ」「する」
かも知れない。

しかし決して、
「ブ」「ラ」「イ」「ン」「ド」「タ」「ッ」「チ」「で」
のように打つことが、
「ブラインドタッチをマスターしていること」
ではないと思うわけだ。


おそらくこれはサイトメソッドの場合でも、
「打ちやすい一つの塊が、一つの流れになる」
ことはあると思う。

たとえばqwertyローマ字サイトメソッド時代の僕は、
この例文を、
「bu」「rain」「do」「tatti」「de」「tai」「pi」「ng」「u」「su」「ru」
と、11の流れで打っていた。

達人になればもっと流れの数は減っていくだろう。

タイパーの間では「打鍵塊」「チャンク」という言葉があり、
それを一気にぐしゃっと潰す感覚で、クリアしていくのだそうだ。
速く打てる流れの単位は、子音と母音の組み合わせに限定されず、
ローマ字の途中で区切ることもあるらしい。
(上の例でも、僕は「ng」「u」と区切っている)


この、「流れ」単位を繋げていくことが、
ブラインドタッチをマスターすることだ、
という意味で、
ストリームタイピングという新語を思いついたわけだ。


キーを見ることと見ないことは、決定的ではない。
どっちでもよくて、
一連の流れを一連の指で打てればよい。

もちろん、印字をチラチラ見ていたら遅いだろうし、
標準運指でやったほうが合理的だろうし、
標準運指で使いやすいカナ並べの配列がベストだろう。


ストリームタイピングの反対語は、
「ブ」「ラ」「イ」「ン」「ド」
と打つようなやり方で、
これを拾い打ちと呼ぼうか。

ブラインドタッチ、あるいはタッチタイピングをマスターすることは、
拾い打ちで終わらせることではなく、
ストリームタイピングまで出来る様になることだ。

ていうか勝手にそうなっていく。
自分がよく使う言葉を中心に。
問題は、部分でそうなるのではなく、
全体的にそうなるか、ということだと思う。

この最終目標が、
ブラインドタッチ、
タッチタイピングという言葉には含まれていない気がするので、
それを込めた意味の言葉で置き換えた方が良いのでは?
などと思ったのである。



サイトメソッド拾い打ち
<サイトメソッドストリームタイピング
≒ブラインドタッチ拾い打ち
<ブラインドタッチのストリームタイピング
の関係があるかもしれない。


で、qwertyローマ字も、JISカナも、
親指シフトニコラ配列も、
ストリームタイピングに向いてない配列だと思う。

タイパーぐらい練習すれば出来る。
逆に、タイパー並みの練習量が必要な、
わるい配列だと思う。

だから、やってもあんまり価値がないと僕は考える。


薙刀式はよく使う繋ぎの語を滑らかに打てるため、
話題の語と繋げて一続きのストリームに合成することがたやすく、
つまりは文節や意味の単位で、
ストリーム単位にすることがしやすい配列である。

そういうと、薙刀式の最終目標が具体的に言えると思う。


もちろんこれは飛鳥や新下駄も目指したことではあるだろう。

ただし新下駄は2連接までの指の動きまでしか考慮せず、
特別な3文字以上の言葉についてはほとんど考えていない。

「2連接を継げば滑らかに打てる」のか、
「やはり特別な3文字以上の何かは滑らかに打てる」
べきなのかについてはまだ分からない。

新下駄は前者(3連接以上を考えるのをやめた、というべきか)、
飛鳥や薙刀式は後者だ。
王者新下駄に打鍵感で勝てるとしたら、
ここではないかなあと僕は考えているのだ。


あとは、
「1ストリームはどの範囲まで行きやすいか」
「どれだけストリームが形成しやすいか」
で、各配列の良し悪しが決まるのではないか?


ブラインドタッチや、
タッチタイピングという言葉ができた時は、
まだここまでのことが考えられていなかった可能性がある。

また、フリックの登場で、
3×4に収まった文字配列が、
ほとんど一筆書きのようなストリームを形成しやすいから、
このことは自然過ぎて、
キーボード配列では考えに入っていないかもしれない。

たとえば今の若者はフリックに慣れていて、
qwertyローマ字は自在に使えない傾向にあるが、
それはストリームの悪さ(短さ、繋がりづらさ)と関係しているのでは、
と僕は考えている。


今後のキーボード配列では、
ストリームタイピングが意識されたものが、
中心となっていくような気がする。

それは、タイパー的な文脈でもそうだろうし、
ライター的な文脈でもそうだろう。



ブラインドタッチとか、タッチタイピングとか、
どっちでもよくて、どっちも実情を反映していない。

「流れを一気に打つ」という意味で、
ストリームタイピングととりあえず言ってみた。
(もっと的確な言葉があればそれに乗っかるけど)


思考の1単位を1ストリームで打ち、
次の思考の単位へ繋げる。
思考の速度のタイピングとは、そういうことではないか。
posted by おおおかとしひこ at 01:28| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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