個人的意見だけど、
5000字くらいまでの配列やキーボードの印象と、
それ以上書くときのそれらの印象は、
だいぶ異なると思う。
5000字以下を書くときは、
スピードが快適なほうがいいと感じる。
多少オーバーアクションだとしても早く書けたり、
アルペジオや左右交互で派手に打ったり、
同時打鍵でばりばりやっていくほうが、
楽で速いと感じる。
薬指や小指を多用したとしても、
多くの指を使って早く書けたほうが、
いい印象がある。
これはキーボードでも同じで、
強い打鍵に対応しているほうがいい印象がある。
叩きつけるような指遣いのほうが仕事してる感がある。
黒軸(60グラム)もそうだし、
赤軸(45グラム)が物足りない人は、たぶんそういうことだ。
HHKBやリアルフォースの爽快感(ラバードームによるもの)は、
底打ちのタクタイルと、戻りの爽快さが、
強い打鍵に対応していると思う。
キーボード筐体も同じくで、
手首を浮かして打っていくスタイルに合うものが、
いいキーボードだと思われるのではないか。
つまり、
短文と長文だ。
とりあえずその境目を5000字としようかな、
などと考える。
5000字以上を一度(一日以内)に書くことを考えるとき、
快適さの基準は、
スピードよりも疲れないことのほうが大きいファクターになると思う。
ずっと打っていても指先が痛くならないとか、
次の日に妙な鈍い痛みがないとか、
肩こりが起こっていないとか。
それには、柔らかいタッチのキーボードが向くし、
軽い軸がいいし、
底打ちしない優しいタイピングが重要だと思う。
手首を浮かしていたら疲れるから、
手首はつけたまま(あるいはすり足状に微妙に浮かせる)
がいいと思う。
そういう打ち方で打たれる配列は、
なるべく指をホームから動かさず、
人差し指や中指や親指などの、
疲れにくい指を多く使い、
(薬指や小指は仮に数%だとしても、
打鍵数換算では絶対打鍵数は多くなるから、
%だけを信用してはならない)
機能キーは近くにあり、
途切れなく打っていけるものが、
よいのではないか。
(先日発見した飛鳥のホームキー率70%は驚異的で、
繋がる運指よりも実はこっちが大事なのでは、
と最近思うようになった)
ウサギとカメみたいなことかもしれない。
ウサギの走法は派手だが、
そのままでは長距離は走れず、
コツコツ来たカメに抜かれるような感じか。
配列の効率やキーボードの良さは、
文字を書く効率に直接関係すると思う。
しかし、それは書く文字量によって、
適するものが違うと僕は考える。
どんな配列がよいのか、
どんなキーボードがよいのか、
どういったキーボードを自作するべきか、
などの問いは、
そもそも違う目的で論争されている可能性があると思う。
その中でも新下駄はいつも上位の候補になる。
飛鳥は長い文章が良いと言われるが、
一体何文字くらいを書くことが想定されていたのかは、よくわからない。
薙刀式は長文特化だけど、
ブログ(2000字程度)を書くのはちょうどよい心地よさだと思う。
(やや物足りなくて、もう一記事書いてしまったりするが)
蛇配列は作者のなっとさんが大量のメールをさばくのに重宝しているらしい。
長いひとつの文章と、短いたくさんのメールは、
また違うかもしれないが、
文字数だけでいうと、5000は超えるかもしれない。
エッセイはたとえば4000字くらいだ。
どんな配列でもたいして変わらないかもしれない。
だから「好みのものを使え」が正解かもしれない。
僕は量を書くほうだろう。
5000を超えるのは、
qwertyローマ字ではしんどかったし、
カタナ式でも打数が多くて疲れた。
薙刀式へ移行したのは、
打鍵数を減らすためだ。
(とはいえ総打数は100カナに対して130程度だが。
アクション数だと97になるので、そこがよいのだろう)
単純に、アクション数が少ない配列は、
長文向きだと思う。
考えることに対してアクション数が多いと、
たぶんそっちに気を取られてしまう。
気を取られても大丈夫なのは、
5000字以内だというのが僕の実感だ。
記憶負担が大きいのも、長文は走れなさそうな気がする。
それは僕ができなかったからで、できる人もいるかも知れない。
できなかった人の意見からすると、
長文であればあるほど、脳のキャパギリギリまで内容の方に使うので、
(なにせ考えただけで疲れて眠くなるのだし)
手段としての配列は単純な方がいいと思うのだ。
極論すると、ステノワードではしんどそうだ。
漢直はどうだろう。漢直で小説とか書けるのかな?
とてもじゃないけど脳のキャパが足りなさそうだ。
人にはさまざまな「書く動機」があり、
どんなものでも有効な方法はないと思う。
それぞれの配列(やキーボード)の性質を知ることは、
「それを使い続けても大丈夫か」という不安に、
うまく答えられるかも知れない。
軽いバネが長文には良いと信じていたが、
底打ちが痛くてダメージになるのに気づき、
最近それを改良し続けている。
ダブルスプリング、シリコンシート、
プログレッシブスプリング、EVAなどを試している。
軽いことは長文にとても良いが、
底打ちを0に吸収すると、さらに長文にいいと感じている。
最適解は、条件を動かすと、
どんどん変わってゆく。
全てに対応する配列やキーボードはないと思う。
自分が何を求めているか知ることは、
案外難しい。
2020年07月27日
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