ストーリーとは問題の解決である。
それはひとつの場合(短編)から、
複数まで(長編)まで、いろんなパターンがある。
ひとつの場合を除いて、大概それらは連鎖していることが多い。
ひとつの問題を解決するのならば、
ストーリーを書くことは非常に簡単だ。
たとえばCMならば、
「梅雨時の洗濯もの困っちゃう!」が問題で、
「これを買えば解決!」が解決だ。
これは非常につまらないパターンなので、
他にも複雑な問題をつけることで面白くすることが多い。
たとえば、「恋の悩みはニオイから」などにして、
これを買うことで、梅雨時のニオイも、恋も解決!
などのようにして、複合的な問題にして、
複合的に解決することが多い。
つまり、単純な問題と、単純な解決はとても面白くない。
単なるクイズレベルでしかなく、
それはわざわざ見て鑑賞するに値しないわけだ。
長編物語においては、
だから、問題と解決が複合的に起こる。
複数の問題があり、複数の解決が連鎖する。
しかし解決はひとつひとつ行われない。
いっぺんに解決するのが、気持ちのよいものだ。
つまり、ぷよぷよのように、連鎖が一気に解決するのが、
最高のプロットてある。
例えばこういう感じだ。
1の問題を抱えた主人公は、
2の問題にまきこまれる。
それは一見解決できるかと思いきや、
実はより大きな3の問題であったことがわかる。
これを解決することは難しいが、
それをしなければならない。
その糸口を探しているうちに、
4という問題を解決すれば、
3が解決しそうだということがわかる。
4を解決してみたが、
同時に5という問題が起こり、
6という問題が起こった。
5を解決するには7を解決すればよいということがわかる。
しかし7は8を生む。
8は結局、1を解決すれば済むことがわかる。
1を解決するには、結局9を解決すればよいことがわかる。
そこで、
9を解決するために、
10と11を解決する。
で、9、1、8、7、6、5、3と、
すべての問題が解決し、
めでたしめでたし。
というような感じだ。
とりあえず適当に書いてみたが、
おおむねこれはよくあるパターンだろう。
1はたいがい主人公の内的問題だ。
2はインサイトインシデントと呼ばれる、小さな事件である。
3がセンタークエスチョンだ。
9が、第二ターニングポイントで再定義されるセンタークエスチョンである。
もちろん、この数は正しくないし、
この順で出てくるわけでもないが、
まあだいたいこんな感じの問題と解決の連鎖が、
よくあるパターンだろう。
このように、いろんな問題と解決を、
どううまく組み合わせるか、
ということが長編を書くことである。
これをやりながらキャラクターの魅力を書いたり、
絵的にイコンになる場面をつくっていかないとならない。
で、それはなるべく執筆時にやればよくて、
これらの問題と解決の連鎖をどう組むか、
という部分を、プロットで綿密に考えておくべきなのだ。
プロット段階で、
もちろんキャラクターや絵になる部分なども大事だが、
それはガワであり、中身ではない。
問題と解決の連鎖をどう具体的に組むと、
話が面白くなるかを、
プロットではよくよく考えておくべきなのである。
これはリライトのときも同じで、
問題と解決の連鎖の骨組みを、
どう出来上がったものから抽出して、
プロットにまで還元できるか、
そしてそれをどう直したら面白くなるか、
ということを煮詰めることが、
リライトのもっとも大事な部分だといえる。
キャラクターの設定や絵になる部分や、セリフの一部や、
誤字脱字を直すことは、重要ではあるが、
些末な部分であり、本質的ではない。
その骨の部分まで、
あるものからストーリーを還元できるか、
そしてそれだけで面白いか面白くないか判断できるか、
ということが本質的に、
ストーリーの面白さを左右する。
こうしたことは、経験を積まないとわからないので、
なんどもそれらを往復するしかない。
2020年07月31日
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