2020年08月02日

美しい場面を書け

美しいとは何か。
まず自分が何が美しいと思っているか書いてみよ。


そしてそれが、
どれくらい世間一般で美しいとされているものから、
異なるかを理解しなさい。

理解するだけで良くて、寄せる必要はない。
あなたはあなたの感性を信じれば良くて、
どう違うかを把握すればよい。

理解した?
ここからが本番。

あなたが思う美しさを、
ベストの場面に持ってきなさい。
それはクライマックスまたはラストシーン、
少なくとも重要なシーンになるはずだ。

次に、
それが美しいと思えるように、誘導しなさい。

「こうこうこうだから美しいのです」
なんて理屈はいらない。
「見ればわかるのみ」もいらない。

一般的な人たちと、あなたの、
共通点をさぐり、
その同じところから見てもその美しさがわかるように、
その場面へ向かうルートをつくりなさい。

そうすれば、全員が、あなたの考える美しさがわかる。


わかるというのは、客観的な理解ではなく、
全身で感じるなにかである。

映画はビジュアルと音なので、
それで表現される美しさがよい。
思想や言葉や所作の美しさよりも強い。

景色、文脈、行為、対比、色、光。
おそらくはこうしたことが要素になるだろう。

それで表現される美しさで、
観客全員を魅了するようにしなさい。


それだけポンと出したって、それだけでは理解されない。
だってあなたの考える美しさは、他人のそれとは違うからだ。
だから、冒頭から用意周到に、
そこに誘導するんだよ。
posted by おおおかとしひこ at 00:45| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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