2020年08月13日

正史を理解するには、ifを作ってみるとよい

物語とはある時点からある時点までの、
沢山の登場人物の行動とその結果の、
すべての顛末のことだ。

これを歴史だととらえて、正史だとしよう。
これを理解するには、
歴史SFでいうところの、ifを考えるとよい。


つまり、
「もしあの時あれが間に合わなかったら?」
「もしあの時あいつがあっちに行っていたら?」
「もしあの時あいつがああ思わなかったら?」
などを、
色んな重要場面で検証してみるわけだ。

以前、すべてプレイヤーは最善手を打っているはず、
という前提だったが、
偶然の要素も歴史にはある。

「もしそれを知り得なかったら」
「もしそれを知っていたら」
だけでも、
正史は随分違うものになるかもしれない。


逆に、よく出来た脚本とは、
それらのifの枝刈りを全て済ませた、
もっとも面白いバージョンである、
と定義されるかも知れない。

何度転生してもうまくいかない、
みたいに、
何度この時点からはじめても、
正史以上に良い結論にはならないものが、
最終稿であるべきだとぼくは思う。


そしてその感覚は、
自分で身につけるしかないので、
最初は、ある名作の、
ifを考えてみるのは訓練になる。

桃太郎が川でばあさんに発見されなかったら、
なんてのはよくやる遊びだろう。
腐って死んだ、以外の、
鬼を倒すルートはあり得るか?
それを、大元よりも面白く出来たら、
新釈版の桃太郎になるかもしれないね。

とくに、
色んな可能性を持ちながら、
他との影響で十分に力を発揮できなかった、
不遇の設定だおれなんかは、
ifものの格好の材料である。

大和が活躍する第二次大戦だとどうなったとか、
原爆が落とされないifとか、
考えるだけでも戦争マニアは楽しいのだろう。

そんな要領で、
既成作品のifを考えることは、
シナリオを考える訓練に最適だ。


もちろん、自作品でそれがやれたら、
リライトのときにとても役に立つ。
自作品だとこだわりが強すぎて、
うまくifを考えられないだろうから、
最初は他人の作品で考えるほうがやりやすい。
posted by おおおかとしひこ at 01:16| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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