僕は構成に困ったとき、よくこれを考える。
全体のミッドポイントでもそうだし、
幕の中でのそれぞれのミッドポイントもそうだし、
シーンのミッドポイントなどもだ。
ブレイクシュナイダーは、
「仮初の敗北または勝利」と明言しているが、
僕はそこまででなくていいと考えていて、
シドフィールドの、
「前半戦と後半戦を分ける分岐点」
くらいで考えていいと思っている。
大事なのは、
ミッドポイント以前の大きな文脈と、
ミッドポイント以後の大きな文脈が、
がらりと変わることだ。
そしておそらく、それらは対句になっているだろう。
たとえば、
前半が大きくは「あいつを探せ」、
ミッドポイントが「あいつを発見」だとしたら、
後半は「あいつを捕まえろ」
になるということ。
もしあいつが後半早々に捕まってしまうならば、
それはミッドポイントではなかったのかもしれず、
あるいは文脈の捉え方、
「探せ」と「捕まえろ」の対が間違っているかも知れない。
つまり、
ミッドポイントはどこかを見極める行為は、
「前半の大きな文脈と、
後半の大きな文脈で、
対になるところはどこだろう」
を考えることであると僕は思う。
そして、それが変わる転換点が、
大体半分に来ているかを見極めると良い。
(ミッドポイントは、ちょうど半分ではなく、
55%あたりのやや後半にあることが多い。
そのあと畳み掛ける加速感があるからだろう)
仮にミッドポイントをAとして、
A前の文脈と、A後の文脈が対になっていたとしても、
別の点Bがミッドポイントである可能性もある。
B前の文脈とB後の文脈も、
同様に大きな対になるのならば、
Bがミッドポイントかもしれない。
同様に、C、Dと、ミッドポイントの候補が、
複数あることがある。
これは、ページ数で決定するのではなく、
内容とテーマで考えたほうがよい。
自分の書いているストーリーは、
一体どういう内容がメインなのか?
を問うことになるわけだ。
その上で、
それを描く前半の文脈と後半の文脈はどう対になるかを俯瞰して、
その転換点を、真のミッドポイントと考えるべきである。
ミッドポイントの候補が複数あるときは、
とくにストーリーに迷いが生じているときだ。
こういうときは、
部分の文脈から全体の文脈にフォーカスを動かす。
つまりミッドポイントABCDの前後がどう面白いか、から、
その前後の文脈は、
全体のテーマとどう関係しているかを表にしてみる。
それがもっともしっくりする、
前半戦と後半戦の文脈の対比を、
ふたつに分ける転換点がミッドポイントだ。
つまり、
結局は、この物語はおおまかにどう進んでいるのか?
に答えることが、
ミッドポイントをはっきりと意識できるかどうかに、
比例するわけだ。
そのとき、
新しいかとか、斬新かとかに気を取られてはならない。
あくまで、
あなたのストーリーの前半後半、
ということで考えなければならない。
あなたのストーリーが、
そもそも新しくなく、斬新でないならば、
ミッドポイント前後の文脈もそうなるだけで、
ミッドポイントを書き直すことだけでは、
あなたのストーリーを、
斬新に、新しくする方法には不十分だ。
もし、
ミッドポイントの前後の文脈が、
平凡で退屈だなと思うのならば、
ミッドポイントの選定が間違っているか、
そもそもあなたのストーリーが平凡で退屈、
ということには気づいておこう。
で、ようやく本題。
こうかなというミッドポイントを定義したとき、
それがページ数的にも半分であることを確認しよう。
(実際には55%あたりのやや後半にいることが多い)
もしそうでない場合、前半か後半、長い方を削りなさい。
リライトにおいて足すことは簡単だが、
削ることは痛みを生じる。
だから感情的にそれを残して、短い方に足すことで、
ミッドポイントに整えようとしてしまう。
これは、二重に間違いである。
長い方を削らずに間延びを放置し、
短い方も間延びさせるわけだから。
つまりミッドポイントの発見(再発見)は、
前半と後半、どちらが無駄に長いかを発見するための道具なのだ。
このことのために、
ミッドポイントを考えるのはとても役に立つぞ。
2020年08月12日
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