2020年08月14日

理想的な執筆スケジュール

今まで色々苦労してきて、
一本のストーリーを上げる理想的な執筆スケジュールを考えてみた。


第一日目: オープニング〜一幕のミッドポイント
第二日目: 〜第一ターニングポイント手前
第三日目: 第一ターニングポイント

(書かない日をつくる)

第四日目: 二幕開始、7分程度
第五日目: 〜7分程度、ここで第一ピンチポイント

(ここで休憩を入れてもよい)

第六日目: 〜7分程度
第七日目: 〜ミッドポイント

(書かない日をつくる)

第八日目: 二幕後半、10分程度
第九日目: 第二ピンチポイントを含む10分程度
第十日目: 〜第二ターニングポイント

(書かない日をつくる)

第十一日目: 三幕を一日で書き切る


これくらいが、丁度いい。
間の休憩日数は、一日でよいか?
僕は2、3日当ててもいいと思う。
次の休憩までガーっと書ける体力や気力やネタを頭の中に充満させるまで、
待ったほうがいい。

だから実際には、11+αで、2週間以上3週間程度、
と見るといいかもしれない。

経験的に、
初日はガーっと書ける。
これまで溜まりに溜まったものを吐き出す感じ。

でもそこから、第二の展開、第三の展開になると速度が落ちる。
工夫が必要になるわけだ。
第一ターニングポイントまで来た時、
これまでのスケジュール×4で完成すると思うのは甘い。
二幕は倍の長さだが、見積もりの倍、計4倍かかりがち。

とくに二幕前半の辛さは、
経験した人間でないとわからないかも知れない。
世界が一気に広がって焦点のキープが難しく、
うまく目先を変えつつ、足固めをしていくには、
勢いよりも技巧や忍耐や計算が必要だ。

ミッドポイントにたどり着けば勢いで書けるので、
そこまでの牛歩に耐えよう。

「書きたかったシーン」は割と簡単に書けるが、
そうじゃないシーンとの落差が激しいので、
いかに目を散らしていけるかだ。
(そして散らしすぎると本道が見えなくなる。
その塩梅が難しい)

プロットから大きく外れることが何回もあるので、
そのたびにプロットを引き直してもいい。
より良くなりそうなら乗っかればよし。
(あとでリライトするのも、ここが多い)

ミッドポイントまで来たら、
ここで多分休みを長めに取るといい。
前半戦の大まかな文脈は見えたから、
後半戦の文脈を大まかに眺めて、
あとは走るだけ。

(時に応じて前半に戻ってリライトしたくなる衝動が湧くが、
それはリライト計画メモを別に作り、メモしておくこと。
ここでリライトを始めると終わらないループにハマるので、
完走を優先すること。
「またここに戻って書き直すぞ」と決意をメモしておき、
未来の自分にあとは任せたと言い、
先に行きなさい)

この先は風呂敷を畳みにいくことが多いので、
前半ほど時間はかからないだろう。
後半戦は挫折や失敗の暗い部分と、
そこからの脱却や大逆転という、
書くのが難しくそして楽しいところでもある。

これは二幕前半に比べれば勢いよく書ける。
クライマックス手前まできたら、
また休むとよい。

クライマックスの仕掛けをたっぷり細かく考えれば、
大抵のクライマックスは一気書きできる。
ラストシーンまで書けることもあるし、
そこはもったいないから次の日に回してもいい。

全体でやってきたことはきちんと収束したのか?
に注力して、もう一日延長して、
全体を整えてもいい。

(リライトメモも随時取っておき、
執筆後のリライトスケジュールを引き始めてもいいぞ)



おそらく、これが僕の理想執筆スケジュール。


途中、話がよれないために、
プロットの構成はしっかり作っておく。
勿論部分が甘いことはままあるが、
重要な構成点、
第一ターニングポイント、第二ターニングポイント、ミッドポイント、
オープニング、エンディングは変わることはない。

逆に、このスケジュールで書けるような、
ブレないプロットを用意する。


一日15枚(6000字)から、
7枚(2800字)書くペースで到達できる。
書けない日でもなんとかなるレベルだと思う。
最後だけは勢いで30枚(12000字)いくかも知れないが。

森田芳光が2日で脚本一本書いた、
というのは僕は嘘だと思う。
あるいは、よほど大したことない話だったのではないか。


これより速い人もいれば、遅い人もいるかも知れないが、
参考にされたい。
posted by おおおかとしひこ at 00:26| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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