2020年08月15日

【薙刀式】新配列シフト機構体験器つくってみた

モダンなカナ配列は、
シフト機構を使って文字範囲を圧縮している。
キーはおおよそ30しかないが、カナは50以上あるからだ。
そのさまざまなシフト機構を体験できるシミュレータをつくってみた。

自分に合うシフト方式を探したり、
各シフト方式のメリットやデメリットを体験することに使用されたい。


すべて、単打文字は×、
シフト文字は〇、第二シフト文字は●、
を出力するようになっている。
つまり、文字がどこにあるかはちょっと置いといて、
単打とシフトの関係だけをシミュレーションしてみよう、
という装置だ。

これで自分に合うシフト方式が分れば、
あとは文字の配置を覚えればよいというわけだ。


モダンなカナ配列をマスターするとき、
新しいシフト方式と、文字配置、
両方をマスターする必要がある。

Qwertyしかやったことのない人は、
両方とも未経験のため、
今自分が新しいシフト方式になじまないのか、
文字配置になじまないのか、分離できないと思ったので、
シフト方式だけを取り出して体験できる仕組みがあるといいなと思い、
つくってみた。

なお、もとの配列の文字領域とは無関係に、
単純に3段10キーの30キー範囲内に、
文字があるとしてつくった。
30キーに50音などが配置されていることをイメージしながら、
テストされたい。


使い方(Windowsのみ)
1. DvorakJをインストールします。
https://blechmusik.xii.jp/dvorakj/wiliki.cgi#H-1e0a2b9

2. 以下のファイルをDvorakJ/usrフォルダに置き、
 日本語入力/設定ファイルから指定すると使えます。
01親指同時シフト.txt
02センター連続シフト.txt
03中指前置シフト.txt
04中指前置、同手あり.txt
05中指薬指同時シフト.txt
06センター連続+人差し指同時.txt

3. SandSや同時打鍵タイマー設定が各配列によって異なるので、
 配列を変えるたびに設定しなおしてください。
 (さくっと作ったやつなので使い辛くてすいません)


収録シフト機構は以下の6つ。
以下、それぞれの解説。

【1 親指同時シフト】

 親指シフトニコラ配列、蜂蜜小梅配列、小梅配列、
 TRONかな配列、さら配列、翡翠配列、蜂鳥配列など
* 入力全般/SandSなど/SandS: OFF
* 入力全般/待機と遅延/日本語入力: 100〜50

スペースキーまたは変換キーと同時に打つと、シフトがかかる。
右手領域と変換キーは〇   (同手シフト)
左手領域とスペースキーは〇 (同手シフト)
右手領域とスペースキーは● (逆手シフト)
左手領域と変換キーは●   (逆手シフト)

また、無変換キーやアプリケーションキーも親指キーに設定可能。
ファイル内のコメント参照。

※ 飛鳥配列は同時かつ連続シフトのため、実装できなかった。
これと2の両方の性質があることを触って想像されたい。


【2 センター連続シフト】

 新JIS、薙刀式など
* 入力全般/SandSなど/SandS: ON
* 入力全般/待機と遅延/日本語入力: 0〜

スペースキーを押しながら何かを打つとシフトがかかる。
スペースキーがシフトを兼ねるので、
Space and Shift: SandSという。
押しっぱなしで複数に利く(連続シフト)。


【3 中指前置シフト】

 月配列など
* 入力全般/待機と遅延/日本語入力: 0〜

DまたはKのあとに何かを打ったときだけシフトがかかる。
単独では何も出ない。
DKどちらでもシフトになるが、
そのあとのキーの打ちやすさを考えると、
逆手で打ったほうがつながりがよい(例外あり)。


【4 中指前置、同手あり】

 月配列系(月光など)
* 入力全般/待機と遅延/日本語入力: 0〜

中指前置だが、そのあとに打つキーを、同手逆手を区別することで、
シフト面をひとつ増やしている。


【5 中指薬指同時シフト】

 下駄配列、新下駄配列
* 入力全般/待機と遅延/日本語入力: 100〜50

逆手中指中段(DK)と同時打ちをすると第一シフト文字〇、
逆手薬指中段(SL)と同時打ちすると、第二シフト文字●。


【6 センター連続+人差指同時】

 薙刀式
* 入力全般/SandSなど/SandS: ON
* 入力全般/待機と遅延/日本語入力: 100〜50

新JISのセンター連続シフトと、
下駄系の中指同時を人差指同時に変更したものとを、
併用する。
センターシフトは第一シフト文字〇、
人差指同時は第二シフト文字●(濁音)。



色々なキーを、単打で打ったり、
シフトで打ってみたり、
単打とシフトを交互に打ってみたりなどして、
どういう手の動きをするのか、想像しながら打ってみると、
自分に向くかどうかが分るのではないか?



以下、各シフト方式のメリットとデメリットを整理しよう。


【1 親指同時シフト】
〇 親指は和音として同時打鍵しやすい。
〇 シフト機構が親指2キーなので単純。
× 同手と逆手が混乱しやすい。
× シフトがバタバタする言葉がある。
× 左右にシフトがバタバタする言葉がある。

【2 センター連続シフト】
〇 シフト機構が最も単純で、左右の手の別を気にしなくてよい。
  (混乱するならつねに逆手と決めておくとよい)
〇連続シフトが効くので、楽。
× 押しっぱなしが疲れることも。
× 単打、シフト、単打……とシフトがバタバタすると打ちづらい。

【3 中指前置シフト】
〇 ローマ字のように一瞬でロールオーバーして打てる。原理上無限に高速化可能。
× 打鍵数が多い。
× DKをうっかり誤打したとき、もう一回打って違う文字を出すしかない。
  (たいしたダメージではないが、なんか気持ち悪い)

【4 中指前置、同手あり】
〇 中指前置を拡張したので、面が増えている。
  (通常打ちやすい同手運指にいいキーを置き、
  高速アルペジオ化する)
× 同手、逆手の混乱。
あとは上に準ずる。

【5 中指薬指同時シフト】
〇 同時シフトなので快速。
〇 アクション数が少ない。
× 総打鍵数はたいして変わらない。
× トップクラス(秒10カナ前後?)になると、
  同時打鍵とロールオーバーの区別が難しくなる。
× 中指と薬指の混乱。

【6 センター連続+人差指同時】
〇 センターシフトの範囲の狭さを、人差指同時の面で補う。
〇 人差し指はよく動き、タフである。
(TYを不使用にした薙刀式だから言えるかも)
× センターシフトの欠点と同じ。
× シフト機構が複雑に思えることも。


こんなようなことをいろんなシフト機構で体感して、
自分は何があっているのか、
何なら打てるが、何なら打てないのか、
などの理解に役立ててほしい。
posted by おおおかとしひこ at 16:26| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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