2020年08月16日

行動の停滞はストーリーの停滞

主人公の行動で、ストーリーは記述される。

しかし状況によって、
主人公の行動よりも他の人の行動が目立ったりして、
主人公の行動は停止することがある。

このとき、ストーリーは進んでいるか、停滞してるか?


停滞だと考えたほうが、
弱点を発見しやすいと僕は考える。


バトルもののトーナメント戦とかで、
よく5対5なんかがあるけど、
主人公以外の試合は、
ストーリーが進んでいないとすら言って良いと思う。

他キャラのストーリーは進んでいるけどね。

しかしストーリーが主人公のものである限り、
主人公のストーリーを進めるべきである。

なぜなら、それこそが観客が同一化して、
その先を心配し、楽しみにしていることだからだ。

停滞が起こると、緊張は途切れ、
安心はあるが退屈が襲ってくる。

焦点が途切れている状態だからだ。

「鬼滅の刃」では、蝶の館で怪我の回復期間が描かれる。
普通は次の回では全回復して次に行くところを、
かなり丁寧に特訓含めて描いていて、
ここがユニークだと思った。

メインの焦点、
「鬼を倒し、妹を人間に戻すこと」を脇に置き、
実のところそこの女の子たちとの交流がメインで描かれる。
じゃあ主人公が行動しないかというとそうではなく、
主人公の行動(特訓)ですべてがうまくいっている。
いわばここだけ部活なんだよね。
そこが、ユニークな焦点のずらし方だと思った。

これで、「メインの焦点は停滞してるのではなく、
そこへ戻るために行動している」
が保証されて、
焦点は停滞せずにすむわけだ。


ストーリーが停滞してると感じたら、
主人公の行動の停滞を疑うといいかもしれない。

ずっと何してる?

「寝てなきゃダメ」っていうときも、
「いいからいいから」と動き出すと、
主人公は動きやすい。

「マトリックスレボリューション」がつまらないのは、
他のキャラの活躍を前半に描きすぎて、
地下鉄に閉じ込められた主人公ネオが、
行動が停滞したことであった。
他のキャラは立ったけど、
ストーリーは停滞したままだった。
ザイオンの戦闘は、絵はすごいけど、
話が全然面白くないのは、それが原因だと思われる。


主人公の行動リストをつくろう。
15枚以上行動してなかったら、
だいぶやばいぞ。
posted by おおおかとしひこ at 15:43| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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