ストーリーが進行しているかどうか分りにくくなったら、
これをチェックしてみるといいかもしれない。
それは、核心に近づいているのか?
核心とはなんだろう。
謎解きの場合、
犯人捜しならばついにそれが分るとか、
謎解きの最後の鍵が明らかになるとか。
敵を倒す話ならば、
この要塞を破壊すれば敵は決定的に負けになるとか。
ラブストーリーならば、
ついにあの子の本心が分るとかだ。
それは、
メインの問題、センタークエスチョンと関係している。
それが解決しそうになる予感、
ついに周りではなく、中心に近づいてきた、
という感覚が、核心ということだろう。
いきなり核心をついてもいいし、
徐々に核心に近づいてもよい。
とにかく、
「核心に近づいてきたぞ」
となると、ストーリーはすすんでいる感覚になる。
もちろん、
センタークエスチョンが明確で、
それが解決することを期待していて、
感情移入が出来ていることが前提だ。
それが出来ていない場合、
「核心が近づいてきたぞ」という感覚は、
面白いともなんとも思わないかもしれない。
「ああ、一応終わりそうだ」というだけの感覚かもね。
で、核心に近づいたからといって、
ストーリーはすぐ終わるわけではない。
核心だと思ったら、まだ核があったとか、
玉ねぎの皮をむくように、
核心の中に核心をつくることは出来るのだ。
それを引き延ばしともいうが、
上手な引き延ばしは、
核心の中にまだ核心がある、
と思わせるようにつくるべきで、
核心に近づいたと思ったら遠ざかったので、
また核心に近づかないといけない、
ということではない。
繰り返しを予感させるものは退屈で、
より核心へ近づいているのだ、
とつねに思わせるものが、興味を持続する。
(遠ざかったと思いきや、こっちのほうが核心に近かったのだ、
なんてことはよくあるよね)
核心に近づくことで、
観客はより前のめりになる。
そのようなものである限り、
集中は続き、興味や感情移入はキープされるだろう。
そうでないものは、
「なかなか進まないな」と思われて、
集中力が続かなくなってくるだろうね。
ターニングポイントとは、
つまりは核心に近づいていることがあきらかになる、
というポイントのことかもしれない。
そうしたことで、
焦点を変えることが出来ると思う。
いよいよ核心だぞ。
この感覚こそが、
ストーリーの行方を、注意深く見守る集中力の、原動力になる。
2020年08月20日
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