2020年08月19日

【薙刀式】疲れない打鍵法とは

1日3万字を打って分かったことは、
「力を抜いた打鍵」がもっとも大事だということ。
勿論大事な言葉を書くときは、ぐっと筆圧があがることもあるけれど、
なるべくサラサラとやるのが原則だ。

そういうフォームがやっとわかってきた。
自作キーボードと配列で追求してきたので、
おそらく三者の組み合わせだろう。

わかったことを列挙しておく。


0. (前提)軽い押下圧がよい。ただし底打ちが痛くないように、
 始動からアクチュエーションまでが軽めで、その後は重めで反発するような、
 陸上で禁止になったピンクの靴のようなキースイッチが良い。

1. 指の指紋の真ん中がキーに触れている角度がベストで、
 横ズレや指先方向にズレて打鍵すると疲れる
2. 撫で打ちがベスト。わずかな力で撫で、次のキーへ水面切りのように渡る
3. 掌、手首は机につけたほうが楽。意識はすり足ですぐに動かせるように。
4. 手は球を掴むように出来ているから、キーキャップは球の形をしているべき。
 (個々のトップ面は凹んでいて、撫で打ちの曲線に合うべき。
 つまりゴルフボールのようになっているべき)
5. 左右分割の適当な距離とは、手がテントしない距離。←new!


これは指先から全体の姿勢の順で書いた。
逆にいうと、1を実現するために2があり、
2を実現するために3があり…
という関係になっている。

だから、前提の0のつぎは、5から逆順に解説する。


さらにこれらは薙刀式×MiniAxeの前提だ。
キー範囲が30とスペースキーのカナ配列薙刀式ならではの、
ミニマル(ミニマム:最小かは分からない)な指遣いだからこそ、
このようなことができたのかも知れない。

他の配列でも妥当かどうかは不明。
少なくともqwertyのような、
歪な指の形で多数の打鍵が必要なものは、
前提になっていない。


0. (前提)軽い押下圧がよい。ただし底打ちが痛くないように、
 始動からアクチュエーションまでが軽めで、その後は重めで反発するような、
 陸上で禁止になったピンクの靴のようなキースイッチが良い。

ベースにしたキースイッチは、Kailh Speed Silverだ。
アクチュエーションまでが1.1mm(普通は2mm)と、
最もストロークが短く、仕事量が半分になると思ったからだ。
(実際には強いタッチが実戦では含まれるので、60%くらいの仕事量かも知れないが)

これにシリコンシートを入れて改造、
底打ちの衝撃を0に吸収した。(ふかふか銀軸と命名。レシピは過去記事)
もちろんルブして滑らかな挙動。

上段、薬指小指のキーはすべて30gの軽め。
アクチュエーションが短いので、
2mmのスイッチに比べれば15g相当の仕事量でオンになるわけだ。

FJ、DK、C,は、35g。
ただしC,の最も力の強くかかる中指下段は、
プログレッシブスプリングに変えて、
底打ちを更に吸収、反発させやすくなっている。
ビヨンビヨン跳ねすぎないように、
プログレッシブはこの程度にしてある。

これによって、
始動は軽く、浅く打てばすぐに戻り、
(30gなので15gのバネより戻りが速い)
底打ちしたとしてもガツンとした反発がなく指に負荷がかからず、
なおかつ力の強い指は戻り力が強いような、
浅く打っても深く打ってもいけるスイッチとした。

薙刀式はセンターシフトなので、
親指キーを二番目くらいに使う(一番はFJ)。
横に付いている親指を真下に打鍵しやすいような、
特別な斜めの親指キーをつくり、
15gの軽いバネのふかふか銀軸にしてある。


5. 左右分割の適当な距離とは、手がテントしない距離。

今回の新フォームはここ。

左右分割の距離はこれまでも沢山試してきたが、
肩幅だと肩は凝らないが、
手をテントしないといけないことに気づく。
手を水平に机の上に置いたまま手を広げていくと、
前腕上腕外の筋が緊張していく。
それを和らげるにはテントしないといけない。
しかしテントすると親指キーの角度をめちゃくちゃへんにしないといけなくなる。
(Dactyleシリーズのように。ベースが一枚PCBのMiniAxeなので、
親指は4指と同レイヤーにしたい)

で、親指は普通の角度で、テントしない手の位置を探ると、
手前4Uあけ、奥3.5Uあけの、微妙ハノ字にたどりついた。

Atreus系より広く、GH間にテンキー4Uが入る程度か。

これは3Dキーキャップを1のように使うための最適解であることに気づく。
(3Dキーキャップの曲面を変えれば、また変わるだろうが)


4. 手は球を掴むように出来ているから、キーキャップは球の形をしているべき。
 (個々のトップ面は凹んでいて、撫で打ちの曲線に合うべき。
 つまりゴルフボールのようになっているべき)

Kinesisのようなお椀型のキーキャップ面を凹型ということにすると、
僕の開発した3Dキーキャップは凸型である。
人間の指は球を掴むように出来ている。

力を抜いて球を掴むような形に指を取ると、
中指が一番高い位置に、
人差し指はそれより低い位置、ほぼ同じ高さに薬指、
それより低く小指、さらに低く横向きの親指だ。

この形になるように、色々調整したのだ。


3. 掌、手首は机につけたほうが楽。意識はすり足ですぐに動かせるように。

テントしない前提だと、手首はつけた方が楽である。
パームレストが不要な高さや角度にキーキャップを調整した。

机のヘリに手首を乗せる、肘を脇腹に、
などもろもろやってみたが、どれも長く楽にやるには辛く、
何も考えない、手首を机に置くのが一番楽だった。


2. 撫で打ちがベスト。わずかな力で撫で、次のキーへ水面切りのように渡る

キーを押す方向を仮にZ軸とすると、
Z軸方向の運動を最小(1.1mm)にすると、
XY平面の手のひらの動きのほうが大きくなる。
段が違うY方向の動きや、
人差し指伸ばしのX方向の動きがまざる。
これらを撫で打ちのフォームでつなげるのが最小化への道だと思う。

指を突き刺すフォームでは力が強くかかるので、
長時間力を抜き続けるには撫で打ちが向くと考える。


1. 指の指紋の真ん中がキーに触れている角度がベストで、
 横ズレや指先方向にズレて打鍵すると疲れる

撫で打ちの理想はこうだが、
通常の平面キーボードでは、
そもそも人差し指を指紋部に合わせると、
中指、薬指、小指は斜めに当たってしまう。
球を掴むような指だからだ。

3Dキーキャップはそれを考えた曲面になっているので、
これらに指紋部を当てて撫で打ちするフォームになるように、
5から順番に大きなものを決めてきた感じ。

また、指は伸ばし気味にして、
屈筋よりも伸筋を使うほうが疲れない。
(屈筋だと、縮める→伸ばすと往復で使うが、
指を伸ばしたフォームをキープするのにしか伸筋を使わないので、
トータルの力が要らない。
指を固定すると、手首や前腕の、より強い筋肉を使おうとするため、
指を細かく使うよりも疲労の限界が来にくい)




未検証ではあるものの、
3万字も書くような分量においては、
左右交互や、左右の手の同時打鍵のような、
「左右の連動が必要なもの」が、
少ない方が有利な気がする。

具体的には片手連続が多く、
なおかつそれが悪運指が含まれない、
アルペジオが多いものが、
沢山あると有利だと思う。

配列的にはそんな無茶なとは思うが、
実感で言うとそんな感じ。


左右距離のベストとは、
テントせずに指紋部で撫で打ちできる距離のことだった。

今のところこれが最も疲れない形だ。

(再検証にはまた3万字打たないといけない…?)
posted by おおおかとしひこ at 09:59| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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