2020年08月26日

ワードの縦書きでルビを欠けさせない方法

小説の原稿を応募するとき、
ワード形式しか受け付けていない、
IT化の遅れている出版社に送るときの方法。


たいていの場合、行数が40に指定されている。
しかしワードで縦書きを選び、
ルビを振ると、ルビのある行だけ異常に行間が空き、
指定行数が崩れることが頻発する。

(これはほとんど縦書きのバグのようなものだ。
これがデフォルトで使う仕様だとはとても思えない。
こういうところがワードの糞なところなのだが、
指定ファイル形式なのでこの先を読め)

これを防ぐ方法。

まず基礎知識として、
ワードは段落単位で行間を指定できる。
ふつうの原稿ではこれは一定なので、
これを一定にするとよい。


まずは、本文のポイント数を決める。たいていは10.5なので、
これを規準でよい。

次に、そのポイント数ありきで、
【ページレイアウト/ページ設定/文字数と行数】
で、一行当たりの文字数と行数を決める。

デフォルトの設定だと40行入らない。
なので、【ページレイアウト/ページ設定/余白】
の左と右をたとえば1センチずつ減らす。
左20ミリ、右25ミリになると思う。

このうえで、文字数、行数を決定する。
このとき、行送りのポイント数をメモっておき、あとで使う。


【ページレイアウト/段落/インデントと行間隔】
の、【間隔/行間】を「固定値」に、
【間隔/間隔】を「先ほどメモした数値」にする。

これで勝手に行間を空けることはなくなった。


しかし、たいていの場合、
ルビが欠けてしまう現象が起こる。
デフォルトのルビがだいぶ右に来て、
行間のほうが狭くなってしまっているからだ。
これを動かすのが、今回紹介する方法。


Alt+F9で、内部モードに入る。
(もう一度Alt+F9で抜ける)
ルビの制御文字が分るので、
\s\up 9
の数字部分を小さくするとルビを左に移動できる。
(バックスラッシュはフォントによって半角¥記号と表示されることもある)

Alt+F9でこのモードを抜け、位置を確認。
移動しても欠けるようであれば、ルビのポイント数を減らすことだ。

いくつにするか決定したら、
置換コマンドで、すべての\s\up 9を\s\up 7
などにするとよい。


ていうか、こういうものを書くための縦書きちゃうんか。
デフォルトで使い易くしとけや。
ワードやはり糞。


僕はTATEditorで原稿をつくっているので、
もはやワードはどうでもいいのだが、
せっかく調べて、
うまく出来るようになったので書いておく。
どこかの困った人の役に立ちますように。

しかし、Alt+F9ってキーバインドなんなんや。
内部モードとわかりやすく表現したけど、
フィールドコード表示オンオフだそうです。
なにそれ?あんたの都合やんなそれ。
原稿とルビの関係と関係ないことやんな。
もう一生使うことのないコマンドやな。



あと、pdfに一回変換してみると、
ダッシュが縦から横になっていたりするので、
文字を置換して印刷に耐えられるようにしておこう。

「見た目通りにpdf変換されないことがある」
のは常に覚えておくべきことで、ダッシュ2文字などはその代表。

ダッシュで変換されるもの、罫線で変換されるもの、
ー(長音)ふたつで変換されるもの、
どれが変換後に縦につながったものになっているか、
チェックすること。

さらにフォントによって結果が違うことを覚えておくべき。
MS明朝(デフォルト)と、
游明朝(最近のデフォルト)でも、
同じ結果にならないですよ!

やはりワード糞。こんな基本的なことをマスターするのに、
理系の知識が必要となるのは、いただけない。



(追記)
傍点がデフォルトのMS明朝だと小さくて見づらい。

フォントを游明朝にして、傍点を「てん」か「ぼうてん」で変換できる﹅にすると、
印象的な傍点になるよ。
全選択→游明朝に最初にするべきだけど、
既に作業してしまった場合は、ルビがMS明朝になってしまっているので、
Alt+F9でルビのフォント設定を露出させて、
全置換してしまうとよいです。

縦書きの用途なんて小説と漢文くらいでしょ。
なんでこんな複雑な操作がいるんだ。
調べにくいし。やはりワード糞。
執筆技術と出版技術は別物で、後者は別の人がやるべきだよな。
posted by おおおかとしひこ at 18:51| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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