2020年09月01日

オリジナルな場面をつくれ

仮にプロット状態でも、
オリジナルな場面をつくったほうがいい。

それは、あなたのストーリーのアイデンティティーになる。


単純なプロットを想定する。
「憧れの先輩に話しかけて、
仲良くなるきっかけをつかむ」
だとしよう。

このままだと平凡なプロットだ。

たとえ実装の執筆がすごくおもしろかったとしても、
プロット段階ではその面白さは分らない。

あるいは、プロット段階ではこうしておいたとしても、
いざ場面に起こしていくとき、
あまりにも平凡なプロットのため、
書くことが困難になるだろう。

面白いストーリーというのは、
プロット段階ですでに面白くなくてはならない。

それは、プロットそのものが面白いということと、
それが強烈なオリジナリティ、アイデンティティーを持っていることの、
どちらかもしくは両方が必要だと思うのだ。


「憧れの先輩に話しかけて、
仲良くなるきっかけをつかむ」
だとしても、
憧れ方にオリジナルな場面があったり、
話しかけ方にオリジナルな場面があったり、
仲良くなるきっかけがオリジナルな場面があったり、
きっかけがオリジナルな場面があれば、
それは面白そうになるのである。


先日書いたプロットでは、
女子高生が憧れの先輩に話しかけるきっかけとして、
偶然コンビニで同じスイーツを買っていて、
偶然隣同士のレジになり、
話しかけるチャンスがやってくる、
という場面を描いた。

もちろんそれでするっとうまくいくはずはなく、
その時は勇気がなくて話かけられなかった。
だからもう一度そのチャンスの場面をつくるために奔走する、
という話に仕立てた。

こうなると、
「憧れの先輩に話しかけて、
仲良くなるきっかけをつかむ」
というだけの単純で平凡なプロットから、
オリジナリティの立った、
平凡でないストーリーが始まるわけだ。


同様に、
「悪を正義が倒す」という単純なプロットだとしても、
その悪の在り方、正義の在り方、
悪の現れ方、正義の現れ方、
どういう事件でどういう解決になるのか、
などに関して、
古今東西の、あらゆるストーリーが、
オリジナルの場面を創造しているわけである。

いつどうやって正義に目覚めるのか、
悪をどうしたら倒したことになるのか、
味方はどういうのがいるのか、
他に個人的などういうサブストーリーを抱えているのか、
正義の力は誰に授けられるのか、
それぞれの家族はストーリーにかかわってくるのか、
などなどなどに、
色々なオリジナルの場面があるだろう。

それが他にないことで、
それらはアイデンティティーを確立した、
「悪を正義が倒す」プロットになるはずだ。


まず、一行プロットを書く。

それだけで面白ければ、そのままでよい。

それだけでは平凡、よくあるものならば、
それを非凡にするとよい。
つまり、オリジナルな場面を作り出し、
それが作品のアイデンティティーになるようにすればよい。

最終的には、
オリジナルの場面をみな覚えていて、
プロットなんて覚えていない。
記憶には、場面が残るし、
それがイコンになる。


「主人公が恋に落ちる」
だけのプロットに、古今東西、
どれだけのバリエーションがあることか。
「主人公の恋が実る」に、
どれだけのバリエーションがあることか。
「主人公の夢がかなう」に、
どれだけのバリエーションがあることか。
「主人公が仕事を首になる」に、
どれだけのバリエーションがあることか。
「つらいことが、今報われる」に、
どれだけのバリエーションがあることか。


それらをオリジナルな場面にするだけで、
あなたのストーリーは他と違う何かになるだろう。
勿論、それは重要な場面ほど立ってくるよね。
posted by おおおかとしひこ at 06:54| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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