だと僕は考えている。
現実は複雑だ。
それをそのまま書いてもただの模写であり、
そこから新しく意味を見出すことなど出来ないだろう。
何かを書くということは、
この複雑な世界に意味を与えることだと僕は思う。
意味を与えないならば、書く必要はないかもしれない。
書くからには何かしらの意味が必要だ。
結論のない話など、ただの暇つぶしだ。
結論ありきで書いてもいい。
それは論旨が明らかでわかりやすい話になるだろう。
しかしなかなかそうはいかない場合、
複雑な世界に、
両極を見つけることが、
僕はものを書くことだと考えている。
ある要素Aを見つけたら、
その真逆A-を探すことが、
世界を描くことだ。
逆に、AとA-の間で、世界は「理解される」ということだ。
「冷静と情熱の間」というタイトルは秀逸で、
つまり全ての感情について書かれた話ということである。
(中身はそうかは知らない)
これは、説得の方法に使われることもある。
ある前提を示して、
普通Aだと思いますよね?
これは実は間違ったやり方なんです。
実は真逆の、A-こそが正解なんです!
となると驚くからである。
このとき、AとA-の間で世界は理解される。
常識と意外なやり方、間違いと合ってることという軸でだ。
ストーリーにおいても同様だ。
主人公や目的や旅の展開があったとしても、
それだけでは世界の描き方として不十分だと思う。
敵やライバルがいて、
はじめてAとA-の間の世界になると思う。
アメリカ映画が面白いのは、
これらを必ず戦わせるからだ。
僕は必ずしもAとA-は戦う必要はないと思うけど、
世界はここからここまでなんだとわかったら、
結論はこうなんだと分かりやすいと考えている。
ラブストーリーが面白いのも、
異なる人格の男女、AとA-の間の駆け引きやあれこれだからだ。
正義と悪の話がなくならないのも、
AとA-の差がマックスになり、
コントラストが最強になるからである。
もしAだけでぼんやりしてるなと思ったら、
A-はなんだろう?と考えると、
世界がコントラストを帯びてくる。
あなたの世界は、AとA-の間で理解される。
じゃあ、この話のAとA-って?
A「AとA-が両極にあって、
その中で物事の相対的位置が決まり、
結論に導きやすいもの」
A-「混沌とした何かが形をなさず、結論を言われても納得行き難いもの」
だろうか。
このように両者を対比することで、
結論へ至りやすくなるわけだ。
あなたは何を書こうとしているのか?
自分でもわからなくなることがある。
じゃあ、その世界の端と端は、
何と何だろう?
それを対比的に作り直すと、
世界の輪郭がはっきりする。
世界を理解するための軸足が整う。
はっきりしたら、
それありきで世界を書き換えると、さらに分かりやすくなる。
あるいは、
わざとこの世界に、AとA-で記述される軸を盛り込んだら、
はっきりとしないか?
などと考えるのも手である。
あなたのストーリーは、どのような軸で世界を理解されるのか?
その軸が、テーマに関係するわけだ。
2020年09月09日
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