2020年09月13日

次の4つのうち、最低2つは面白いこと

面白いストーリーに必要な4つのこと。
このうち最低2つ、できれば4つ、強烈に面白いことが必要。

面白いキャラクター、
面白い世界観、
面白い事件、
面白い解決。


このうち、
キャラクターと世界観は、
ネタバレなしで外に伝えられる。

だから宣伝ではよくこれを使う。
原作とキャラが同じだけで、
ストーリーが全然違う実写化なんて、
ほとんど詐欺の宣伝だと思うが、
それが現在は横行している。

口コミで伝えられるのもこの2つだ。
端的に伝えられるキャラクター類型、
たとえばツンデレが流行したのは、
これが伝えやすいからである。
「○○の芸能人が出てる」も同様だ。

「面白いからみろ」よりも、
「○○が出てる」ほうが確からしい情報であり、
それは保険になるのだから。

CGを贅沢に使ったり、
すごいオシャレだったりの、
まったく新しい世界観をつくれば、
絵で見せやすいので、これも伝える速度が速い。


シナリオにおいて、これらの要素は水平方向だ。
時間軸を持たない要素である。

一方垂直方向は時間軸を持ち、
事件と解決を、二つの要素として抽出してみた。

このうち、
解決はネタバレになる。
ネタバレなしに伝えられるのは、
導入部の事件の勃発までだ。

トンネルを抜けるとそこに不思議の国がありました、
世界的に有名な○○と間違えられた?!、
恐竜をDNA復元した動物園が停電、
内面の美醜が見た目の美醜と一致する催眠術をかけられた、
などなど、
面白そうな事件の導入は、
それだけで発明品であろう。


整理しよう。

水平方向に、キャラクター、世界観。
垂直方向に、事件、(解決)。

解決に()をつけたのは、事前にネタバレで伝えられないことを意味する。

人を引きやすいのは、水平方向のガワだ。
しかしみた後に満足感が残るのは、
圧倒的に解決部分である。

どんでん返しや、すべての伏線が一つにまとまることや、
余すところなくお腹いっぱいになる満足のラストなどは、
ストーリーの本質的な部分だ。

しかしこれを事前に伝えられないのは、
原理的にもどかしい。


本当に面白い、事件と解決を書いたとしても、
事前に伝えられるのは、事件のみだ。

だから、
キャラクターと世界観売りの、ガワだけで中身のないストーリーに、
入り口で負けるのである。

見終えた後、出口の満足感は、
中身が伴わないと意味がないのだが、
それは宣伝部に「宣伝できない」「口コミが広がらない」と、
売りが悪いと言われることが多々ある。

かくして、
ガワだけの宣伝の、中身のない邦画が量産されて、
日本の観客は映画離れを起こし始めている。


一方、映画の最先端であるところのネトフリでは、
中身が面白いというブランドが既にできたため、
多少ガワが足りなくても見てみようという、
いい流れが作られているように思う。
1話切りも多いのだろうけど、
最後まで見たときの満足感、つまり解決が、
ある程度保証されているから、
キャラクターや世界観に頼らずとも、
事件ありきで引っ張ることが可能だ。

まあ全てがそうではないけれど、
邦画のガワありきのものでないだけマシだろう。

最後まで見て、解決が酷ければ駆逐されるだろうからだ。



さて、
あなたが面白くしなければならない要素は4つ。
そのうち1つだとヒキが弱い。
他にそういうものはごまんとあるから、埋もれる。

とくに解決だけだと、事前にヒキようがない。
だから最低2つは面白くしなさい。

ガワ2つを面白くする詐欺もありといえばありだ。僕は許さないけど。

もちろん、3つも4つも面白いのがベストだ。

あなたはどの要素を面白くした?
別の要素を、さらに面白く出来る?


こうしたことを、映画会社は真剣に考えているのだろうか?
シナリオ段階でこれはチェックできるぞ。
この4要素のうち、Aは面白いから、
ほかにBCのどちらかを面白くするべき、
なんてアドバイスをして、
リテイクするべきじゃないか。
(少なくとも十年前の角川映画はそんなことはしてなかった。
僕は子供たちのキャラクターや世界観がガワになると思っていたが、
宣伝部は気づかなかったようだ)

ゴミのようなシナリオを訳もわからず作り続けるより、
よほど生産的な努力だと思う。
posted by おおおかとしひこ at 05:06| Comment(2) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大岡さん
こんばんは
今年Twitterでトレンド入りして大ヒットした映画
アリ・アリスター監督の『ミッドサマー』を最近レンタルして視聴したんですが、何処が面白かったのか何故ヒットしたのか分からなくて、4つのうち世界観は面白いとは思ったのですが....
是非、取り上げて批評して貰えたらと思います。
無理ならすみません。
Posted by 紫 at 2020年09月14日 00:11
紫さんコメントありがとうございます。

未見だけど話題になってたのは知ってるので、
レンタルで見かけたら見ようかと思ってた作品ではあります。

ホラーといえば暗くて怖いというのを逆手にとった、
むしろ明るさが怖い、という以上の何かがあるとは、
予告からは思えないんですよね…
「ある特殊な集団に紛れ込んだゆえに、生贄にされる」
というのは古典パターンだし。
「ウィッカーマン」の明るい版では?と予想。
Posted by おおおかとしひこ at 2020年09月14日 00:52
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