一番使うキーをホームポジションにするべきである。
これは合理的な配列を考えるうえで、
第一に考えるべきことだろう。
しかるに、
日本語入力で一番使うキーは、
スペース、エンター、BSだと僕は思う。
スペースは、空白キーよりも、
変換、次候補のときに使うだろう。
エンターは段落改行よりも、
確定に使うだろう。
変換してOKならば次文字を打てば自動確定なのだ(仕様)が、
自分の思考の単位の区切りとして確定を打ちたくなるので、
出番は多いと思う。
むしろ、日本語入力におけるエンターキーの役割は、
英語における単語間のスペースやコンマの重要度くらいかもしれないと思う。
スペース、エンター、BSは、
僕のタイプ数カウンターによれば、
1年以上で500万打鍵くらいしたときに、
それぞれ10%くらいずつであった。
(データが飛んでしまったのが惜しい……)
カーソルやシフトは案外少なく、数%だったと思う。
一方カナのベスト3は、
い、う、んだ。
全カナの出現率だけで考えても、
7、5、5%である。
ということは極論、
スペース、エンター、BS、い、う、ん、
がこの順でホームポジション候補でいいはずだ。
これと親指との兼ね合いはあるだろうが、
これら6つがどういう配置になるべきか考えるのは、
日本語入力全体を良くしていく、
という考え方に立つときに、
避けては通れない道だと僕は思う。
(ちなみに薙刀式では、
スペース: 親指キー
エンター: VM同時押し
BS: U位置
い: K位置
う: L位置
ん: ,位置
と、右手に集中、または人差し指と親指のいい場所にしている)
しかるに、
新配列系列でこれら上位6を考慮して配列を決定しているのは、
案外少ない。
カナ出現率以外の統計がなかったことにも起因するとは思うが、
じゃあ、自分がどれくらいカナ以外の機能キーを使っているか、
誰も統計を取っていなかったのだろうかね。
これらの基礎データがないと、
カナ以外の機能込みで、
配列を評価できないと思う。
スペース、エンター、BS以外にも、
カーソル、Del、Esc、シフト、カタカナ変換、ひらがな変換、再変換、ホーム、エンド、
なども使うと思う。
これらをカナの合理的な再配置と同様に考えた配列があまりないのが、
隔靴掻痒だ。
自作キーボードでは、
逆にqwertyは触らずに(触らぬ神に祟りなし、と思っている節がある)、
機能キーの最適化をもくろむことがとても多い。
対照的だ。
両方やればいいのにな、
なんて僕は思ってしまう。
薙刀式は、新配列でも特異的に機能キーとカナを両方最適化しようと試みた配列だと思う。
飛鳥は機能キーを上段と小指外に集めてしまい、
カナを優先させた嫌いがある。
新下駄はBSはいい位置だが、それ以外は各自、と割り切っている感が強い。
(作者のkouyさんの右一列シフトで出来た真ん中列とか、親指の機能配置は興味深い)
蜂蜜小梅は親指で変換操作をかねている部分があるが、
これも個人設定として公式には含めていない。
Windowsの日本語操作環境は、
時代を追うごとに変わっていっている感が強い。
それはまだベストなやり方が決まっていない、ってことだろうか?
一体どういう操作をすれば、
頭の中の日本語がデジタルに効率的に落ちていくのか、
まだ何も分っていない、とすら言えるかもしれない。
薙刀式以上に操作体系とカナ入力が融合するシステムが思いついたら、
僕はそれをつくるかもしれない。
今のところそんなに困っていないから、
薙刀式(編集モード含)くらいでいいのかもしれない。
カナ漢字変換が生まれて四半世紀くらいは経ったか。
フリックのほうがいいという人も増えてきたことよ。
まだ日本語はベストの入力法がない。
それは英語圏の人たちに、
圧倒的に遅れをとっていると思う。
もっと簡単に、もっと早く、もっと疲れずに、もっと大量に、
僕は日本語をデジタルで書きたい。
2020年09月17日
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