2020年09月24日

一回小さく逆をやる

テクニック的なこと。
単純にABと展開するよりも効果的なことがある。


AからBへ展開するとき、
順接してもいいのだが、
一度逆説してみると、面白くなることがある。

ABと行くのではなく、
AB-Bとつなげるということだ。
B-はBと逆を意味する記号とする。

このことで、
単純に順接するよりも、
逆説を立ちあがるB-Bがドラマチックになることがある。

女を口説く場面などを思い起こすと分るけど、
一回「いや」といわせて、「やっぱりいいよ」
と言う感じ。
最初からそうだと決まっていたが、身体が一度拒否したとか、
最初は嫌だと思っていたが、色々考えるとやはり良いと思ったとか、
つじつまは色々あり得る。

しかし重要なことは、
観客が、「一体どっちだ?」と迷うことであり、
その迷いによって、
たとえ最初からBへ行くことが決まっていた計画であっても、
読めなくなることである。

これは一種の駆け引きかもしれない。
一度違う方向を見せておいて、本命の方向へ行くことは、
じらしも含めてテクニックだ。
ストレートにABと行くことだけが展開ではない。

なんか普通な展開だな、と思ったとき、
試してみると、意外と使えることがあるかもしれない。
プロットではとくにここまで考えることはないので、
執筆上のテクニックだ。
つかいこなせると、
観客の心にジェットコースターをつくることが出来るようになると思う。

「やったか?」→「やってない」
(戦闘もので必殺技など出して、爆炎に包ませる。
やったか、と思わせておいて、
その煙の中から敵が無傷で現れる)
は、
その代表的な例かも知れない。

シーソーを上手に操ることで、
展開を揺さぶることが出来るのだ。


逆はコントラストがもっともある、
力強い転回点である。
それをうまく使えると、メリハリがつくかもしれない。

A→B(予想される展開)ならば、
AB-Bになると、
駄目か……いや、いける!になるし、
Bが予想しなかった逆ならば、
AB-Bは、
順当に展開したかと思いきや、真逆の意外な方向になる、という展開になる。
いずれも面白みがあるパターンになる。
posted by おおおかとしひこ at 02:23| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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