2020年09月20日

【薙刀式】配列の習得は、新しい運動の習得

だと思う。


そもそもブラインドタッチは、
日常でやったことがない。
「作業をするときは手元を見ながら」だ。
ナイフで何かを削るとき、ブラインドタッチだったら指落とすわ。
字を書くときも、料理もすべてそうだ。

「手元を見ずに作業」するものは、
日常に圧倒的に少ない。
テレビのリモコン、繰り返して手慣れた家事、
自転車、車の運転(免許制)、楽器(特殊技能)、
セックス、
くらいではないか?

まずそのことに慣れることすら、普通ではない。

繰り返し繰り返し作業して、
見ずにやるようになるのではなく、
「最初から見ずに練習する」は、
日常生活に類を見ない。

ブラインドタッチの有名な練習法、
「タオルを手に被せて、見ても意味がないようにする」
を、他の日常動作のどれでもやったことなないし、
他のどれにも応用が効かない。

だから、まずブラインドタッチは、
「新しい運動をマスターする」に近い。

鉄棒の逆上がりと似ていると思う。

大人になって、
経験もないのに野球を始めたり、
ラクロスを始めたりするようなものだろうか。


そもそも、片手5キー担当で、
3段で計30キー、ということも分かってない。
全部で6段あって、小指伸ばしも沢山あって、
すべてのキーの機能も名前も知らない。

文字領域が微妙に左にずれてて、
1/4ズレと1/2ズレと、異なることも知らない。

左右交互打鍵は楽だということや、
アルペジオは楽だということや、
同指異鍵は難しくて遅いということや、
段越えはさらに大変ということも、分かっていない。


これぜんぶわかってても、
同時打鍵と単打を混ぜながら打っていくことや、
前置シフトと単打を混ぜながら打っていくことのリズム感は、
はじめてこのときにマスターする。

あるいは仮にqwertyができても、
それにはほとんどない運指(先日気になったのはXA)
を、マスターしないといけない。
KJなんかは快速なアルペジオだけどqwertyでは使わないし。


これだけの新技能をマスターすることは、
僕は容易なことではないと思う。


僕はブラインドタッチからはじめて、3年くらいかかって、
カタナ式を経て薙刀式に至り、
1200-1800字(変換後)/10分で物書きが出来るようになった。

最初にqwertyのブラインドタッチの基礎があれば、
前半半分はやらなくて済むだろう。
ゲームやピアノをやってれば、
同時打鍵は苦でないかもしれない。


モチベの維持もある。

僕は手書きでそもそも900出せていた
(普通の大学生は300-450)ので、
タイピングがそれを上回らない限り苦痛でしかなかった。
井戸の水汲みみたいな、「やらなきゃいけないこと」
としてタイピングをやっていただけだ。

薙刀式でそれを上回った今でも、
漢字変換の手間のノイズだけ、文章の質が下がると考えている。
だからもう少し速く、2000-2400くらいになるといいなと思っている。

ほとんどの人は、600-800もあれば、
手書きを大幅に超えるからタイピング万歳、
配列万歳になるのだろう。

しかしそれを実感として持ったことがないから、
この運動技能の習得と引き換えになるかどうかは、
不安を抱えたままモチベを維持しないといけない。


みんなみんなが思い思いにやっているから、
運転免許のようにシステマチックに教える方法は、
確立されていない。
これだけの労力でこれくらいのパフォーマンスになる、
という対価もわかっていないし、
こういう挫折をしがちでこういう対処がある、
というトレーニング時特有のマス現象も整理されていない。

そもそもそれらが整理される前に、
フリックで十分やとなって、
日本人は長文を書いたり読めなくなってる説もある。


配列の習得には、
運動スキルを増やす必要がある。
それをするだけの必要性(文字を沢山速く書きたい)、
モチベーションの維持、
もともとのスキルで、
結果はだいぶ変わってくると思われる。

大人になって野球を始めようとすることに似ている。
まずスポーツショップに行って道具を買ったり、
草野球クラブに入ったり、YouTube教室みたいなのを調べるだろう。
仲間がいればモチベも持てるかも。

新配列にはそれがない。

親指シフトの噂だけ先行していて、
挫折した人は大変多いと思う。
月や飛鳥を使っていた人でも、
OSのバージョンアップやセキュリティで振り落とされた人も多いだろう。
「そもそもそんな字書かないわ」
に気づいてしまった人もいるかも知れない。


僕は、まだ物足りない。
その足りなさがモチベになっている。
かつての井戸の水汲みよりずいぶん快適になったから、
「もう少し快適にできるのでは?」と考え続けている。
(論理配列ではそろそろ限界で、物理でなんとかならないかと、
やってるわけだけど)

僕は、ライター系の人々が、
新配列を導入しない理由はまったく分からない。
情報に触れる機会がほとんどない、
あったとしても混乱した体系、
新技能習得の不安と手間がある、
といったところだろう。

ただ、長くかかる(実際には一ヶ月程度なのだが)スキル習得は、
脱落してしまうのだろう。
お稽古ごとにしては、すぐマスターできちゃうから教室経営もできない。

だから運転免許くらいの感じかもしれない。
ものくろさんの親指シフトキャンプは、
その感覚だと思われる。


配列をマスターしたあとどうなるか?
がよく分からないのもよくないと思う。

とりあえず薙刀式動画はあげてゆく。
現在形が常に最高なのだが、
過去動画を掘れば時系列がわかって、
励みになると思われる。


「新しい運動技能の習得」と考えると、
配列はわかりやすいかもしれない。
字を書くから頭のことだと考えてるとよくない。
新しい筆、新しいナイフ、新しいボールであると考えると、
それを使った新しい運動技能、
と考えやすいかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 16:21| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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