2020年10月01日

そいつはどう悪いのか?

悪役を考えよう。
どう悪い?
まさか雰囲気とかコスチュームとかじゃないよね?


今だったらパワハラをしてるのかな。
じゃあ具体的にどういうのをしてるんだ?

痴漢してる?
じゃあどういう卑劣な行為を具体的にやるんだ?

いじめをする?
具体的にどんなムカつくいじめだ?

人殺し?
そいつはどういう風に殺して、
それをどういう風に言ったんだ?


その、具体がオリジナリティがあるととてもいいぞ。

「冷血非道な組織のボス」を描くときに、
「膝の上の飼い猫をピラニアの水槽に放り込む」
を最初にオリジナルで考えた人のようになれ。

「こんな聞いたこともないひどいパワハラ」
「こんな聞いたこともないひどい痴漢」
「こんな聞いたこともないひどいいじめ」
「こんな聞いたこともないひどい人殺し」
を考えるのだ。


それを見て「なんてひどいやつだ。許せん」
となるのが、最高の悪役をつくるだろう。

あなたが受けたひどいことがあるだろう。
それをうまくアレンジすると、
オリジナルな悪役を作れたりするぞ。

「断れない新人を一日中部屋に軟禁して、
最終的に断ったら二人がかりで説教」
というのを僕は社会人一年目にされたことがある。
いつか使いたいネタだ。


人を騙すひどいやつだとしたら、
そいつはどんな言葉や手口を使うのか?
それがオリジナルだったら、
なんてひどいやつだ、になる。

悪役こそ、オリジナリティがなければならない。


たとえばダースベイダーは、
見た目とかガワが悪役で威圧的なんだけど、
悪い行為は具体的になにひとつやってない。
だから悪役ではないんだよね。

雰囲気悪役に勝ったって何も嬉しくない。
だから「父」という別の意味のドラマにせざるを得なかったのだろう。



悪役の具体的なエピソードをつくりなさい。
それが悪ければ悪いほど、
聞いたこともない悪行なほど、
「なんて悪いやつだ!」となるぞ。

これは、「かわいいヒロイン」「頼りになる仲間」
「おっちょこちょいだけど憎めないやつ」
などのすべてに言えることだ。

オリジナルの、そのようなエピソードは、
そのキャラクターを強力につくりあげる。

逆にいうと、こういう奴にしたいなと思ったら、
それを示すオリジナルエピソードを作らなくてはならない。
しかも出来れば初登場でだ。


そして理想を言うと、
それは別の面も見せながら深まっていく。

悪役は最初悪い面を見せる。
一方部下思いの面があったりする。
しかしやっぱり恐ろしく悪い。
さらに極悪なこともやる。
そのあと部下に優しくなる。
この人が信じられない。

そういう風にやると、悪役はどんどん黒光するぞ。
posted by おおおかとしひこ at 01:37| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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