池田エライザの映画の件で、ものすごく短くまとめられたかもしれない。
ストーリーとは、
「ある面白いシチュエーションに放り込まれた人(たち)が、
ある目的を達成しようとすること」
であると。
これは三幕構成をも単純化できる。
一幕
ある人(たち)が、ある面白げなシチュエーションに放り込まれる。
そこである目的を持つ。
二幕
しかし抵抗や障害があり、
それをなんとかして乗り越え、
あと一歩まで辿り着く。
三幕
絵的に派手な、最後の一山。
目的を達成して、めでたしめでたし。
専門用語を併記しながら、
もう少し詳しく書いてみよう。
一幕(30分)
ある人が、問題を抱えている。(内的問題)
その人(たち)が、ある面白げなシチュエーションに放り込まれる。
(きっかけ)
大抵は逃げたり拒否するが、(拒否)
それに立ち向かわざるを得ない、
強制的な事情がある。(内的問題と関係することが多い)
そこで、自らの強い意志で、
それを解決する必要に迫られる。(動機)
その目的を、宣言ないし提示する。
(センタークエスチョン。それを達成すればこのストーリーはおしまい)
二幕(60分)
目的を解決しようとする世界は、
日常の安心できる世界とは全く別物である。(非日常世界、危険)
その目的を遂行しようとする過程で、
様々な苦難、抵抗にあう。(障害)
なんとかして乗り越える。
主人公の深い動機や事情を知り、
そういうことならば誰もがそうしたいだろう、
と思わせる。(感情移入)
敵や味方が出てくることが多い。
その人々の間の争い(コンフリクト)を描き、
どうにかして突破をしてゆく。
長い中盤を面白くするために、
真ん中に大山があり、その成功または失敗になることが多い。
(ミッドポイント)
大抵は大きな敗北があり、
内面の弱さを克服しないと前に進めない場面となり、
それをうまく乗り越える。(ボトムポイント)
目的達成のあと一歩まで、
ようやく到達。(センタークエスチョンの再提示)
三幕(30分)
最後の大勝負を乗り越えればおしまい。
絵的に派手で、危険スレスレの大冒険が望ましい。
(クライマックス)
最後に、全体の大冒険の意味が確定する。
内的問題の克服や、達成したことの社会的価値が語られることが多い。
(テーマ)
これはあくまでメインプロットのことだから、
他の登場人物が抱えるサブストーリー(サブプロット)や、
その交差(メインとサブが影響を与え合う)などは、
含まれていないことに注意。
また、主人公だけで複数のサブプロットを抱えている場合もある。
(仕事と副業と家庭と浮気をぜんぶうまくいかせる、とか)
また、主人公は一人だけでなく、二人のこともある。
(バディもの、ラブストーリーもの、ライバルもの)
その場合は、メインプロットがデュアルであるように見えるかもだ。
また、伏線と解消やどんでん返しや、
強烈なツイスト(一気に形成やストーリーの雰囲気が変わるターニングポイント)
などはオプションのため省いたが、
たいがい付いてくる標準オプションである。
ストーリーは複雑だ。
だから面白い。
しかしそれを伝えるには、単純化しなければならない。
その時にガワを伝える方法もあるし
(主演は誰か、どんな役か、ロケ地はどこか、
クライマックスはどういう派手な絵か)、
中身を短く予告的に、
入り口を面白そうに伝える方法もあるということだ。
それはつまり、
「面白そうなシチュエーションと、
興味の持てる目的」の、ペアのことである。
2020年09月26日
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