スペースキーとシフトキーを兼ねるSandSというアイデアは、
僕が最初に気に入ったキー変更カスタマイズなのだが、
これ、撫で打ちと相性が最悪かもしれないんだよね。
指の腹(正確にいうと、指の指紋の渦の中心からミリ外)
でキーを撫でるように打つのは、
そもそもペンを握るときの人差し指の接触点であった。
そこが最も自分の意思を伝えるのに敏感な部分なので、
他の指もそうしたい。
となると、指を寝かせて、伸ばし気味にして、
指紋部分で接触するようになる。
これが撫で打ちのベースの考え方だと最近わかってきた。
で、問題の親指。
親指は横についているので、
親指の横の部分、爪の横で接触しないといけない。
これで触るから、親指が痛くなる。
変換や選択程度なら問題はないかもしれないが、
SandSでシフトをする薙刀式は相性が悪いと。
自作キーボード界隈では、
スペースキーや親指キーを上下逆付けするのがスタンダードになりつつある。
こうすると、上の親指打鍵法のときに、
角が当たらないからだ。
そもそもキーボードのスタンダードな打ち方は、
指先接触型の、突き下ろし系らしい。
レトロプロファイルといわれるSAキーキャップは、
深めにスフェリカルに凹んでいて、
指の腹よりも指先を包み込むような形をしている。
(SAのキーキャップが可愛いにもかかわらず僕が使わないのは、
そうした形上の理由だ。おかけでGMK沼に落ちずに済んだ)
おそらく親指キー全般、指先で突き下ろすように打つのだろう。
ピアノも同じと聞く。
しかしピアノの場合、押す強さが音色の強さに比例する道具だから、
変化できる打ち方で打つように進化したはずだ。
しかしデジタルキーボードはその必要がない。
オンかオフかでいいからだ。
ピアノと同じ打ち方である必要性はまったくない。
単なる慣習、何も考えずそうしただけなのだと予測する。
(タイプライターはアナログ的強さが必要だったが、
デジタルキーボードはそうでないはずだ)
つまり、
突き下ろし系をスタンダードにする限り、
デジタルキーボードは、アナログの道具の慣習から抜け出られず、
しかもその呪縛に自覚的でないのだと思われる。
撫で打ちは、
ピアノ→タイプライター→古い慣習のキーボードと続いた、
指先突き下ろし系の打鍵とは、
全く違うところから発生したものだと思う。
たまたまパンタグラフとも相性がいいことで発展したのだろう。
だけど、
現状の親指キーは、撫で打ちに向いていない。
整理しよう。
突き刺し系を▽、撫で打ちを◎として、
向くほうを表記すると、
ピアノ、タイプライター ▽
昔のキーボード ▽
SAキーキャップ ▽(スフェリカル形状)
DSA、XDAキーキャップ ▽(スフェリカル形状)
Cherry、OEMキーキャップ ◎(シリンドリカル形状)
パンタグラフ ▽◎
親指キーノーマル ▽
親指キー逆付け ◎
親指シフト ▽推奨
親指シフトon Mac ▽推奨、ただしパンタグラフは打ちづらい
◎だと親指の横が打ちづらい
薙刀式 ▽◎問わず、ただし親指の問題は同上
新下駄、月配列系 ▽◎問わず、親指を気にしなくていい!
のような関係になっている。
飛鳥や蜂蜜小梅など親指シフト系での、
長時間打鍵動画が存在しないため、
「親指をどういうキーでどういう角度で打っているのか?」
がいまいち良くわからず、
(短時間ならば両パターンあることがわかっているが、
それは長いこといけるのかがわからない)
「撫で打ちでの親指のあり方」
がまだよくわかっていない。
現状の僕は、
撫で打ちで行きたいので、
親指をも撫で打ちに出来るキーキャップを開発したわけだけど、
それがどれくらい需要があるかはよくわからない。
そもそもこのことについて、
無自覚的(そんなに親指を使わないから問題に感じない、
または突き刺し系なので無自覚)
である可能性が一番高いと思う。
「親指まで全部撫で打ち」の実際は、
先日あげた斜めからのアングルのテスト動画で大体分かることがわかったので、
次にキーキャップが出来たら、
本格的に撮影しようと考えている。
たぶん、誰もここまで「打鍵法と配列と物理の関係」
について考えてないのかもなので、
つまびらかにしてみた。
以下で動画を見ることもできる。
しかし親指キーへの言及はない。
キーボードへの指の置き方の分類
https://skyhigh-works.hatenablog.com/entry/2020/08/01/130531
(爪がプラスチックより硬いというのは新たな情報!笑)
実際に3Dキーボードを開発している人たちは、
気にならんのかなあ。
お椀型ばかりだから、突き刺し系の人しかいないのかもだな。
2020年09月28日
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