主人公はどうやって世間に知られるのだろう。
まったく知られざるところで活躍している人もいる。
社会的に知られる人もいる。
また、広い世間でなく、
狭い世間で生きている人もいる。
どうやってその人は、その世間で知られているのか。
学校のクラスを思い出そう。
何かそいつの象徴的な事件なりがあって、
そいつはキャラが立ったはずだ。
僕の中学の頃だと、
松尾くんは池に落ちてキャラが立った。
大森くんは柔道部でブイブイ言わせていたが、
顧問が体育担当になって、何かやらされるのが怖くて毎回シュンとしていた。
僕は漫画を描いていたから、それで知られていた。
そういうやつだ。
ある人がその世間で知られる、認められているに至った事件なり特徴なりを、
創作しておこう。
「目立たないやつ」はそれでもいいが、
全員が目立っていないわけではない。
彼らが所属する社会では、
目立つやつも目立たないやつもいて、
そういう人たちは、
どういう風にその社会で認められているのか、
どういうポジションにいるのか、
がある。
それは、「ある事件でそう覚えられた」
ということだろう。
不名誉にも、痴漢で捕まったとか、
そういうことだってあるだろう。
あるいは、誤解のまま、という人もいるかもしれない。
とにかく何でもいい。
その人が属する社会で、
どのように見られているのか、という設定をしておき、
それはなぜそのようになったのか、
という経緯を考えておくことは重要だ。
それはキャラの過去というより、
属する社会の過去という感じだ。
ある日百点取ってすごいと認められたが、
それ以降まったく鳴かず飛ばずで、
周囲の評価とのギャップに苦しんでいる、
という設定をしたってよいのだ。
また、その事件がオリジナルであればあるほど、
強烈にそのキャラは立つだろう。
登場シーン、第一印象でそれができたら、
確実にそのキャラは立つ。
その社会で認められているキャラと同時に、
観客が共有するのが一番強いわけだ。
あるいは、いまいち目立っていなかったやつが、
ある事件で急に台頭することもあるだろう。
そういうキャラの立ち方もある。
(ちなみに女子は、その社会で認められている上位者に惹かれる、
という本能があるようである。
これを上手に利用してドラマに応用できるといいよね。
イケメンだから好きなのではなく、
社会に認められているから好き、という本能だ。
将棋の藤井二冠がモテている理由はこれだ)
そのキャラの第一印象さえうまくつくれれば、
それを利用して展開することや、
それが変節していくことでドラマを作りやすい。
第一印象だけで終わると出落ちだけど、
それを利用してドラマを作っていくならば、
それは伏線や前提というわけだ。
ということで、
そのキャラがその社会(ごく身近な人たちでもよい)に、
どういう人だと認められているか、
それはどのような事件でか、
という設定をつくることはとても役に立つ。
ストーリーはその事件そのものから始めてもいいし、
そのずっとあとから始めてもよい。
2020年10月08日
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