2020年10月08日

その人は、どうやって世間に認められるか

主人公はどうやって世間に知られるのだろう。
まったく知られざるところで活躍している人もいる。
社会的に知られる人もいる。
また、広い世間でなく、
狭い世間で生きている人もいる。
どうやってその人は、その世間で知られているのか。


学校のクラスを思い出そう。
何かそいつの象徴的な事件なりがあって、
そいつはキャラが立ったはずだ。
僕の中学の頃だと、
松尾くんは池に落ちてキャラが立った。
大森くんは柔道部でブイブイ言わせていたが、
顧問が体育担当になって、何かやらされるのが怖くて毎回シュンとしていた。
僕は漫画を描いていたから、それで知られていた。

そういうやつだ。
ある人がその世間で知られる、認められているに至った事件なり特徴なりを、
創作しておこう。

「目立たないやつ」はそれでもいいが、
全員が目立っていないわけではない。
彼らが所属する社会では、
目立つやつも目立たないやつもいて、
そういう人たちは、
どういう風にその社会で認められているのか、
どういうポジションにいるのか、
がある。

それは、「ある事件でそう覚えられた」
ということだろう。

不名誉にも、痴漢で捕まったとか、
そういうことだってあるだろう。
あるいは、誤解のまま、という人もいるかもしれない。

とにかく何でもいい。
その人が属する社会で、
どのように見られているのか、という設定をしておき、
それはなぜそのようになったのか、
という経緯を考えておくことは重要だ。

それはキャラの過去というより、
属する社会の過去という感じだ。

ある日百点取ってすごいと認められたが、
それ以降まったく鳴かず飛ばずで、
周囲の評価とのギャップに苦しんでいる、
という設定をしたってよいのだ。

また、その事件がオリジナルであればあるほど、
強烈にそのキャラは立つだろう。
登場シーン、第一印象でそれができたら、
確実にそのキャラは立つ。
その社会で認められているキャラと同時に、
観客が共有するのが一番強いわけだ。

あるいは、いまいち目立っていなかったやつが、
ある事件で急に台頭することもあるだろう。
そういうキャラの立ち方もある。

(ちなみに女子は、その社会で認められている上位者に惹かれる、
という本能があるようである。
これを上手に利用してドラマに応用できるといいよね。
イケメンだから好きなのではなく、
社会に認められているから好き、という本能だ。
将棋の藤井二冠がモテている理由はこれだ)

そのキャラの第一印象さえうまくつくれれば、
それを利用して展開することや、
それが変節していくことでドラマを作りやすい。

第一印象だけで終わると出落ちだけど、
それを利用してドラマを作っていくならば、
それは伏線や前提というわけだ。


ということで、
そのキャラがその社会(ごく身近な人たちでもよい)に、
どういう人だと認められているか、
それはどのような事件でか、
という設定をつくることはとても役に立つ。

ストーリーはその事件そのものから始めてもいいし、
そのずっとあとから始めてもよい。
posted by おおおかとしひこ at 00:02| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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