このストーリーの主人公は、とても魅力的である。
どういうものか想像しよう。
イケメンとか美女だろうか?
スタイルが良かったりセンスがいいのだろうか?
おそらくそうではない。
人がいいとか、明るいとか、おもしろいとか、
前向きとか、ひきずらないとか、
ちゃんと謝るとか、楽観的とか、
知らないことは知らないと言うとか、
(人生の)姿勢がいいとか、
友達思いとか、オープンな性格とか、誠実とか、
口先だけではなく行動力があるとか、
そういう要素があるのではないだろうか。
逆の要素を考えよう。
自己中だとか、暗いとか、悪口ばかりとか、
感情のコントロールができないとか、
口ばかりで何もしないとか、
人をなんだとも思ってないとか、
人に取り入るのがうまく利用するとか、
約束を守らないとか、卑怯とか、頑固とか、卑屈とか、
すぐいなくなるとか、悲観的とか、責任転嫁とか、
などなどだろう。
前者を主人公に、
後者を敵役または障害役にするとよい。
そして、そのどちらも動機を強くするとよい。
動機はこれらのこととは関係ない別の目的から生じているが、
その受け止め方ややり方が上の性格的である、
ということである。
敵役をそうするかはおいといて、
主人公を気持ちよく描くだけで、
こちらの心も気持ちよくなるようなものが、
実はいま求められている物語のような気がする。
ストーリーの主人公の歴史は、
神話的英雄からはじまった。
英雄にも庶民的な面がある、という変形があり、
完全な庶民と能力者というバディものの変形があり、
内向的な中に凄い能力がある、があったり、
情熱的だが空回りする、があったり、
ただの庶民に才能が覚醒して?があったりした。
つまり最近は、
どこにでもいる特徴のない人が主人公になることが増えたと思う。
とすると、
空いている席は、
見ていて気持ちのいい主人公の活躍、
ではないかと思う。
「そいつは最初から成功するのでは?」
と考えるのは、人生を甘く見ている。
たとえイケメンや美女でも人生成功するとは限らない。
たとえ性格が良くて能力が高くても、
人生成功するとは限らない。
人生を深く知れば知るほど、単なるスペックは、
100%通用しないことがわかってくる。
運や周囲、タイミングなどで全然かわる。
ということは、
主人公のスペックをよくしていき、
周囲やタイミングを悪くしていけばよいわけだ。
どんな万能な人でも失敗はする。
そこからの立ち上がりを書けばいいわけだ。
今そこらへんが空席ではないか、
と思って、そんな話を書こうとしている。
うまくいくかは分からないけど。
人に好かれる人を主人公に。
出来れば新しいパターンの好かれる人を。
(ヒトラーだってものすごい人たらしかも知れないぞ)
そしてその逆を敵役に持ってくると、
どの時代にも通用する話になるかもしれない。
敵役にヒントがある。その逆を考えればヒーローになる。
ヒーローの逆に、敵役のヒントがある。
悪役が見えにくい時代だけど、
主人公は見えやすいのではないか。
そこに突破のヒントがあるかもしれない。
2020年10月09日
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