2020年10月09日

魅力的な主人公とは

このストーリーの主人公は、とても魅力的である。
どういうものか想像しよう。


イケメンとか美女だろうか?
スタイルが良かったりセンスがいいのだろうか?

おそらくそうではない。

人がいいとか、明るいとか、おもしろいとか、
前向きとか、ひきずらないとか、
ちゃんと謝るとか、楽観的とか、
知らないことは知らないと言うとか、
(人生の)姿勢がいいとか、
友達思いとか、オープンな性格とか、誠実とか、
口先だけではなく行動力があるとか、

そういう要素があるのではないだろうか。


逆の要素を考えよう。

自己中だとか、暗いとか、悪口ばかりとか、
感情のコントロールができないとか、
口ばかりで何もしないとか、
人をなんだとも思ってないとか、
人に取り入るのがうまく利用するとか、
約束を守らないとか、卑怯とか、頑固とか、卑屈とか、
すぐいなくなるとか、悲観的とか、責任転嫁とか、

などなどだろう。


前者を主人公に、
後者を敵役または障害役にするとよい。

そして、そのどちらも動機を強くするとよい。
動機はこれらのこととは関係ない別の目的から生じているが、
その受け止め方ややり方が上の性格的である、
ということである。


敵役をそうするかはおいといて、
主人公を気持ちよく描くだけで、
こちらの心も気持ちよくなるようなものが、
実はいま求められている物語のような気がする。


ストーリーの主人公の歴史は、
神話的英雄からはじまった。

英雄にも庶民的な面がある、という変形があり、
完全な庶民と能力者というバディものの変形があり、
内向的な中に凄い能力がある、があったり、
情熱的だが空回りする、があったり、
ただの庶民に才能が覚醒して?があったりした。

つまり最近は、
どこにでもいる特徴のない人が主人公になることが増えたと思う。

とすると、
空いている席は、
見ていて気持ちのいい主人公の活躍、
ではないかと思う。

「そいつは最初から成功するのでは?」
と考えるのは、人生を甘く見ている。

たとえイケメンや美女でも人生成功するとは限らない。
たとえ性格が良くて能力が高くても、
人生成功するとは限らない。

人生を深く知れば知るほど、単なるスペックは、
100%通用しないことがわかってくる。
運や周囲、タイミングなどで全然かわる。

ということは、
主人公のスペックをよくしていき、
周囲やタイミングを悪くしていけばよいわけだ。

どんな万能な人でも失敗はする。
そこからの立ち上がりを書けばいいわけだ。


今そこらへんが空席ではないか、
と思って、そんな話を書こうとしている。
うまくいくかは分からないけど。



人に好かれる人を主人公に。
出来れば新しいパターンの好かれる人を。
(ヒトラーだってものすごい人たらしかも知れないぞ)

そしてその逆を敵役に持ってくると、
どの時代にも通用する話になるかもしれない。

敵役にヒントがある。その逆を考えればヒーローになる。
ヒーローの逆に、敵役のヒントがある。

悪役が見えにくい時代だけど、
主人公は見えやすいのではないか。

そこに突破のヒントがあるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 01:09| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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