2020年10月10日

オリジナルと商売

「最近のリメイク商法、かなしい」というまとめスレのイラストやが秀逸すぎた。
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なぜリメイク商法ばかりなのか?
広告と商売の問題だ。



【素直に考える】
オリジナルの面白いやつをつくろう!
できた!
これを売るんや!

【現在の高度に発展した商法】
初動の大きさで儲け曲線が決定する
(初動がマックスで、あとは指数関数的に下がる。
どんなものでもほとんど同じ振る舞い。
例外的にこの曲線に従わない、いわゆる良作はある)。
ということは、初日で稼いだら決まるやん!
→「ニュースで取り上げられやすいもの」を入れたら広告費タダや!
→誰もが知ってるアレが、アレに?!
→人気原作実写化!名作がリメイク!芸能人が絶賛!
あの人気芸能人が出演!

【その結果】
いいオリジナルをつくり、きちんと宣伝して、
素直に売っていくのはリスクが大きすぎる。
(そもそも宣伝費がかからない、上の手法と宣伝費は同じ。
CMを打つのは余程予算があるときで、
映画館予告と置きチラシとスタッフのSNS頼みになる。
そこそこの作品でも、キャストのTwitter次第で初動が変わるらしい)


で、リメイク商法、実写化商法のみに淘汰される。
←いまここ



そもそもオリジナルを大量に作っていた時代、
大量のクソ作品があったことを思い出そう。
【現在の高度に発展した商法】では、
そのクソ作品を作るリスクを回避しているわけだ。
正確にいうと、内容がクソかどうかは不問にして、
興行がクソにならないことを最優先してるのだね。

大量のクソ作品を作った会社は、
一本も当たりを出さずに潰れたか、
ヒットを出して生き残ったかだ。
そして生き残った会社は、
生き残るために、
興行的にこけないために、
【現在の高度に発展した商法】を選択し続ける。

こうして、
映画館もゲームもアニメも、音楽すら、
リメイク商法に満ち満ちた。

漫画と小説くらいか、オリジナルで頑張ってるのは。


そんな映画業界に、
オリジナルを大量につくるネトフリが黒船になった。
映画業界は恥ずべき失態だったと僕は思う。


どうすればいいのかはわからない。
しかし【現在の高度に発展した商法】がある限り、
すべての作品がリメイク商法であり続けるかもしれない。

クソ作品大量生産時代には戻れないとすると、
ネトフリのような、
新しいビジネスを、誰かが始めるしかないかもね。


クソか良作かを判定する、
シナリオテスターがいればいいだけだと僕は思っているが、
誰かそういう会社つくらない?
(それをAIにやらせようという動きも今あるぞ。
人はどこまで愚かなのだ)
posted by おおおかとしひこ at 21:40| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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