ワードはクソだ。こんなエディタ、クリエイティブなことには何も使えない。重いし。
にも関わらず、コンテスト開催者などは無知なので、ワード形式での提出を要求する。
非常にむかつく。一度きちんと話したいが文字数。
おすすめはiTextやMeryやTATEdtorなどの縦書きかつ軽いエディタで書き、
最終稿だけワードにコピペする方法。
これだとワードと付き合う時間が一日程度に減らせる。
それでもワード内で修正をしたりすることがあるために、
以下の知識を共有しようぜ!
脚本スタイルの場合、
三文字空け(ト書き)、一文字空け(セリフ二行目以降)は、
厳密な規定があり…それを勝手に字下げするんじゃねえ!
自動的字下げを全オフする方法を、2日がかりで突き止めた。
まず基礎知識。
ワードは「段落」単位でものごとを処理するそうだ。
冒頭もしくは改行コードから、改行コードまでを段落という。
この段落内で設定された書式を、
自動的に次の段落に引き継ぐ仕様になっている。
(これは常にオフにできないっぽい)
ベースには「標準スタイル」という設定があり、
標準スタイル、段落特有の設定と、ふたつの設定が同居する。
段落に何も設定しないときは標準スタイルが維持され、
ある段落で特別な設定がされた時、
次の段落へその設定が引き継がれる仕様のようだ。
段落の特別な設定とは、たとえば太字や斜体、フォントの種類や大きさ、
だけでなく、
字下げ設定(上側のインデント)、ぶら下がり設定(下側のインデント)、
行間文字間やルビの設定などすべて含む。
次の段落で前の設定を引き継がずに標準スタイルに戻したい場合は、
Shift+Ctrl+Nというショートカットが用意されている。
あるいは、勝手に字下げした部分は、BackSpaceで消すこともできる。
さて、我々脚本家は、
このようにト書きの頭で三文字字下げする。
これはスペース3個で表現される。
しかし次にセリフを書きたくて改行しても、
|この三文字あけに勝手に字下げされる。
ここでいちいちショートカットを打つのはうざい。
セリフとト書きの間で一々やってたら、100万回やらないといけない。
なので、勝手に字下げする機能を全オフして、
字下げはすべてスペースキーで入力したいわけだ。
あるいは、
セリフ「を書いているときによくあるのは、
二行目を一文字字下げして終わったとき」
|次にト書きを書きたいのに、ここにカーソルが来ることだ。
|一文字目にカーソルが来さえすれば、スペース三つ叩けばいいのに。
これは、「前の段落の設定を引き継ぐ」が生きているからだ。
これを殺したい。
長セリフ終わりでト書きに戻るときに、
いちいちBackSpaceやShift+Ctrl+Nを強制させられる?
なんでやねん。
どうしてお前の設定に俺が合わせなくてはならんのだ?
機械なら俺に合わせろ。それが機械のやるべきことだ。
お前をアシストなんかせん。俺をアシストしろ。
ちなみに、段落冒頭のスペースキーと、
「勝手に字下げされた見た目一文字空いている部分」は、
文字コードが異なる。
(そして見た目では区別できない)
ある段落で、段落冒頭にスペースキーで字下げしたら、
次の段落で自動で挿入される字下げは、
「前の段落の設定を引き継いで、勝手に入れた字下げコードで、
スペースキーじゃありません!」
ということなのだ。
これは、【ワード「独自」の機能と文字コード】である。
ためしにその部分をコピーして、
他のエディタにペーストすると、
「ワードが勝手に字下げした部分」は、
スペースキーとしてコピーされず、
字下げは0になる。
(たまたまスペースキーで字下げしたところだけスペースキーがコピーされる)
昔小説をワードで書いていて、
それをコピーして、
「小説家になろう」のWebブラウザにペーストすると、
段落冒頭の字下げが全てなくなるので、
手作業で全部入れ直していた。
計87万字分の原稿すべてだ。
原因がわからなかったが、今ようやく調べまくってハッキリした。
ワードで書くやつは馬鹿な無知なのだ。
コピーペースト前提ならば、
ワードが勝手に挿入する字下げコードをオフにして、
最初から手動ですべてスペースキーを入れるべきである。
ということで、
結論でいうと、
オート字下げを全オフにするとよい。
そのやり方を記す。
【自動字下げ(インデント)を全てオフに】
ファイル/オプション/文章校正/オートコレクトのオプション
をクリック。
入力オートフォーマットの、
・「行の始まりのスペースを字下げに変更する」をオフ
・「Tab/Space/BackSpaceキーでインデントとタブの設定を変更する」をオフ
オートフォーマットの、
・「行の始まりのスペースを字下げに変更する」をオフ
をするとよい。
クリックする手数はたかが数回だが、
これを正確に見つけて的確にチェックすることは不可能だ。
私たちのやりたいことに対して、理解するべきことが余りにも複雑すぎる。
他のチェック項目を見る限り、
こんなに膨大に色々やってんのか、とあきれる。
出来れば全オフしたいものだね。全部いらんわこんなん。
日本人の書き文字のリテラシーはとても高い。
これは書き文字のリテラシーの低い、識字率の低い欧米人に合わせた仕様だと思う。
マイクロソフトジャパンの開発者には、
日本人のリテラシー教育を受け、
各国の相対的な位置を把握した人はいないのではないか。
ということで、そんな前提のワードを使うべきではないし、
使ってるやつは無知としか言いようがない。
それでもコンテスト応募などでワードを強制されることがあるので、
開催者にこの記事を見せられたい。
勝手に字下げされては、それをキャンセルする方に手間がかかる。
最初から手動字下げのほうが圧倒的に速い。
そして、「キャンセルする」に気が取られたミリ秒で、
書こうとしていたことは蒸発する。
我々はアクセルを踏みっぱなしで書くのであり、
ブレーキ操作をしていては全力で走れない。
ワードで書くということはそういうことだ。
手書きの方がいい、と僕がいうのはそういうことだ。
フォーマット気にしてたら、
内容が40%くらい目減りする。
ちなみに某放送局のシナリオ応募フォーマットが、
ワード形式かつフォントがメイリオで、
こいつ大丈夫かと思った。
こんな無知を応募者に強要するってなんなんや。
絶対こいつシナリオ書いたことないやろ。
能力の高い者が、なぜ低い側に合わせないといけないのだ?
ということで、
我々は自衛手段をとろう。
iTextやMeryで書き、ワードにペーストすればよい。
「形式を選択して貼り付け」でペーストするとよいぞ。
2020年10月11日
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