2020年10月16日

【自キ】木製パームレスト自作情報まとめ

パームレスト、リストレスト、自作などでググるとたくさん出てくる。

木で作るのが一番簡単で気持ちいい。
寸法を決め、適当な木材を探して、のこで切り(カットサービスがある店もある)、
角や面をヤスリで研ぐ(#100くらいで角丸め、#400でサラサラ、#1000でツルツル)
だけだ。


渋谷の東急ハンズ木材コーナーは、
ホームセンターで扱ってない、
いい感じの高級木材が多くて、
行くたびに見に行っている。

あと新木場の「もくもく」もめちゃくちゃ品揃えがあるので最高。
僕はここでシャムガキを買い、ケースを自作した。
(黒檀なみに硬いので要注意木材)


パームレストを自作するのに最も難しいのは、
タテヨコの寸法ではなく(これは測ればすぐ出る)、
厚みを決めることだ。

木材はたいてい0.5センチ単位で厚みがある。
0.5、1、1.5、2、2.5、3のような感じ。
木材によっては0.8もあるかも。1.5や2.5はなかったりする。
1未満は硬い木でないと反ってしまうので、
加工しやすい柔らかい木は1までのことが多い。

厚み方向のカットはサービスに含まれないため、
薄くしたければカンナやヤスリが必要だ。
(1ミリ薄くするだけでも相当めんどくさい)


自分がどれくらいの厚みならベストかを知ることは、とても難しい。
まずはノートや紙を使って厚みを調整して、
計測するのが一番だ。

しかし体勢によってベストがちょいちょい変わるので、
様々な環境で複数回計測すると良いと思う。

原則は、キーボードのトップ面(キースイッチがパコっとハマる面)
合わせ。
ビジュアル的に美しいが、
自分の手がそれに合っているかは保証し難い。

3Dになるとさらにわからないので、
粘土でモックを作った方が早いかも。

また、パームレストを直置きするかゴム足をつけるかでも事情は変わる。
ゴム足をつけるならその分計測から引いとかないとね。


ただ、ゴロッとした木材の直置きのほうがカッコいい。
重い木材でないと手の動きでズレるので、
1.5センチ以上厚みがある重い木材でないと、ゴム足がないと滑ると思う。
だが重い木材はモビリティが悪いのも欠点だ。
しかしゴム足のないパームレストは裏表の木目を楽しめる。
ううん悩ましい!


あるいは、水平面にせず、トップをこちらから見て緩やかな上り坂に削る例もある。
相対的にキーボードは奥チルトになるわけだ。
キーボードが奥チルトになるように、
段差をつけて台にする手もある。


木材は、木目が面白いものがいいよね。
オリーブウッド、ゼブラウッド、シャムガキあたりは、
かなり凝ってて面白い木目だ。
シャムガキ(ジリコテとも)なんてまるで水墨画のようでかなり好き。
ゼブラとシャムガキは加工がむずいので最初は手を出すべきではないが。

また、芯材と表面材で違う色の木は多く(芯が濃い色)、
ツートーンのパームレストにするのもカッコいいと思う。
僕は一時期ツートーンのグラナディロ(ローズウッドの代替木材)
を使っていた。
(渋谷の東急ハンズはそういうのがよく出る)

木目の複雑なやつは、木材としては成績が悪い
(材料不均一なため柱にするには不安定)が、
審美的な価値がある。
加工用の木材は、そうしたものが多い。


生のままの仕上げもカッコいい
(とくに香りの強いタイプは生の方がいい。リグナムバイタとか。
あるいは、樹脂が出て艶でコーティングされるタイプも生がいいね)
が、仕上げ剤を塗布する手もある。

蜜蝋や亜麻仁油で仕上げると、
少し色が濃くなりしっとりする。

ワトコオイルなどは色んな色に着色可能だ。
ペンキ類はさらにクリエイティブになるだろう。
(このへんもハンズで山ほど売ってます)

注意するべきは、
耐水性かつ耐油性のあるものがいいということ。
掌から出る脂は思いの外多く、
拭っても拭っても手の跡がついてるのはカッコ悪いよね。
(このため、最終的には濃い色がおすすめです)


たとえばサクラやカツラやヒノキなど、
日本で取れる木材は木目が素直で、
面白みのない木目だったりする
(それは木材として優秀ということなのだが)
が、ワトコオイルで濡らすと急に面白い木目に化けることがある。
白い部分と木目の黒い部分で、
親油性が異なるためと思われる。

赤い系の色、黄色い系の色、軽い褐色、重い褐色など、
色んな色とのマリアージュを試すと良い。
重ね塗りもありえるよ。

実際、このへんは塗ってみないと分からないため、
木材を求めるときは、
テスト用の端材分大きい寸法で買うのがコツだ。
木材の品種差もあるが、なにせ個体差がとても大きい。
同じ木でも部分によって色や性質が変わるしね。


また、生のままのしあげだと、
古材(古民家の板を剥がしてきたもの)なんかも味があっていい。
あんなパームレスト作ったら相当カッコイイだろうなあ。

まあ、そんなこんなで、
うちには色んな木材や、色んな仕上げ材が転がる羽目になった。
日曜大工おじさんのようだ。
これも自作キーボードですかね?



最終的に、僕はパームレスト無しという結論に辿り着いた。

そもそもパームレストが必要なキーボードは、
キーボードとして欠陥だろと。
パームレストは補助輪に過ぎないと結論づけた。

でも木の手触りは捨てがたく、
木製ケースを作ったんだけどね。

3Dキーキャップがフィックスしたら、
この形に木で削り出せないかなあとすら思っている。


木との付き合いは、人類の歴史だけある。

木材屋さんに行き、
気になる木を実際に触り、
その場でスマホで木材名で検索すれば、
木材辞典などの解説を即読める。
比重とか加工容易性とかその場でわかるので、
店員さんに相談しつつ買ってみよう。


自キのななめさんは一時期積層の木材ケースばっかつくってた。
材料はブナかタモだったと思う。
オイル仕上げが美しい飴色だったなあ。

軽さ重さ、手触り、塗装後の色味、
保守性(多少悪くなってもヤスリで削ってまた塗れば復活)など、
色んなパラメータがあって面白いぞ。

もし僕がパームレストを極めたなら、たぶん外国まで珍しい木材を買い付けにいくか、
自分で切りに行ってたかもなあ。笑
あと、ギターでは今でも木材の話題が豊富なので、
木を知るには色んなサイトが勉強になるよ。
posted by おおおかとしひこ at 13:48| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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