2020年10月17日

【自キ】Nだけ鳴りがうるさい理由が判明した

TMF2020以来、Gateron Ink Yellowをメインスイッチに改造しようと、
試行錯誤を続けている。
底打ちのまろやかさと静音化の二つの目的を達しようとしている。
完成に近づいたと思っていたのだが、
なぜかNキーだけうるさいという現象にここ一週間くらい悩まされていた。
キースイッチやキャップを交換してもそこだけ鳴る。

なので筐体を疑い、何回もバラしては組み直して、
各パーツの合いや反響空間を潰すなどやってみたが変わらず。
だが今日謎がやっと解けたのでメモしておく。

答えは、オン以後、戻りの水平方向運動にあった。


今僕の改造では、
底打ちでほとんど音がしないことに成功している。
(レシピはまとめて後日公開します)

が、戻りの時に想像以上に鳴る。

ステムがトップハウジングに当たって鳴るのだから、
ステムの肩が当たるトップ面、
わずか半ミリほどの接触面に、
僕はダクトテープ(銀色の布ガム)を貼ってクッションとした。
(以前、マステや遊舎工房のテープを貼って静音化したことの、
発展形)

が、
スイッチ単体で戻りの音をチェックしてもほぼ0の癖に、
実際に薙刀式で打つとNキーだけものすごく鳴る。
ためしにQWERTYで打っても鳴る。

なんでだ?と探っていて、
問題を切り分けてやっと犯人を特定。


犯人は、撫で打ちの際の、ステムの水平移動にあった。

ためしにInk系のスイッチ
(ハウジングが硬質なので鳴りがうるさい)で、
ステムを底に沈めてキープ、
そのあと撫で打ちのようにしてみて欲しい。
指を水平方向にすっとズラしてオフにする。
分かりやすいのは縦(たとえば中段から下段を撫でて打った時の方向)運動。

パチンと鳴るよね?

これは、ステムの側面が、
トップハウジング内の側面に当たることで鳴る音だ。

本来、スムーズに上下移動していれば激しく当たらない、
擦れる面の部分。

それが、撫で打ちによって水平方向に強制移動されてオンになり、
戻る時に逆方向に加速。
ステムとトップハウジングが、
側面同士衝突することで鳴る音なのだ!!!!


つまり、ハウジング内で鳴る音には三種類ある。

1. 垂直運動における底打ち時に下面と衝突する音。
2. 垂直運動における戻り時に上面と衝突する音。
3. 水平面方向に撫でられ、戻る時に側面同士が衝突する音。


上下面の緩衝やクッションばかり考えていたのだが、
まさかの側面衝突。

Nキーだけ鳴る理由は、
Jから縦かつ横に人差し指が移動して、
縦かつ横に側面衝突していたからだった。
(Hは横のみで気付きにくく、Yは薙刀式でほぼ使わないのでまた気づかず)


ここまで犯人が特定されれば対策は簡単だ!

1. トップハウジングのステム接触側面をルブ。縦横とも。
2. ステムの接触側面部をルブ。縦横とも。

以上!

これによって、側面衝突時もモロにならず、
油でぬるっとなって鳴りにくくなる。
当社比15%くらいかな。

つまり、横に弾くように打ってもうるさくならない。

撫で打ちのお供に、
側面ルブはいかかでしょう!



有名なキースイッチベストプラクティスなる、
ルブ指南ページがある。
https://keys.recompile.net/docs/keyswitch-best-practice/
ここでも上下運動時の接触点、面しか触れられておらず、
側面衝突のことは意識に入っていないことに注意。

つまり僕は新しい、
側面衝突による弾き音ということに気づき、
同時に対策を完成させたということ?


あとIキーも鳴りやすかった。
Kから指伸ばしで打つため、縦方向の側面衝突が起こっていたのだ。

打鍵の癖で、当たる位置が変わる。

これは知っておいて損はない知識なので、共有します。
撫で打ち派、ルブ時は気をつけようぜ!
posted by おおおかとしひこ at 01:37| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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