2020年10月18日

鬼滅が何故はやっているか、分かった気がする

http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/5698320.html?p=2
の113レス目から貼られている、鬼滅の何かパロたち。
(僕的には聖闘士星矢に目が行くが)

腐女子に人気とか色々言われたけどピンと来ない。
○×○が面白そうなコンテンツに見えないので。

そうじゃなくて、
こうして「パロにするだけのオリジナルな何か」
という「素材」が欲しかったんじゃない?


鬼滅はそこまで面白いと僕は思わない。
(まだ完結まで読めてないが)

ぼくはジャンプ全盛期で育ったので、
北斗の拳、キン肉マン、キャプ翼、風魔、星矢、
男塾、ジョジョ、キャッツアイ、シティハンター、
Dr.スランプからのドラゴンボール、
幽遊白書、スラムダンク、
などなどに匹敵すると思えない。(抜けてるのいっぱいありそう)

だから、
鬼滅のブームになぜか乗れない。
そこまで面白いものにそんなに夢中になれない。

だけど、
実は、今のほとんどのお客は、
こうした全盛期のものすごい名作を知らないことに気づく。

鬼滅鬼滅いうてるお子様は、「あたたたたたー!」と言わないよな。


だから、その世代なりの一番面白い話だという説もうなづけなくはない。
にしても、とずっと疑問に思っていたのだが、
上の引用で謎が解けた。

腐女子たち、つまり子供の母親世代が楽しむには、
内容そのものよりも、
「いじり素材であるべきか」
のほうが重要なのでは?
という仮説だ。


全盛期のジャンプ作品たち、
その世代の他の娯楽も、
オリジナルとして強烈であろうとした。
その強烈さは、鬼滅パロをやっても伝わってくるほどだ。

そんな「オリジナルとしての素材」が、
ずっと枯渇していた今
(それは平たく言うと、
オリジナリティがニュースにならず、
「あれのあれがあれ」と、既知のものに引っ掛けたニュースが、
伝わるようになったせいで、
既知のものに似ているものが企画が通りやすくなったからだ)、


ひさびさの、オリジナル素材だからではないか、
と思ったのだ。


半沢直樹も実はそうだ。
やってることは時代劇で、
そんなもの大岡越前や水戸黄門や、
それこそ東映特撮ヒーローものやジャンプ漫画で、
散々みたパターンではないか。

しかしそれが、「新たなオリジナル素材」に見えるから、
数字が回っているのだと言える。


ヒットを生むコツは、
「似たものだけど違うものをくれ」だと言われてきた。

中身を劣化コピーして、
新しいガワを被せて、
オリジナリティあるように見せかける
(だから重要なのは絵でありストーリーではない)、
ことが、ここ十年くらいのこすいやり方だった。

そこに、
まあまあ面白い中身で、
キャラは結構強烈で、
絵柄は微妙に下手な鬼滅が登場して、
「この、強烈なわりに使いきれていないキャラを使って、
二次創作したい」と思わせる、
オリジナル素材がやっと出てきた、
のが鬼滅ではないか?
(テニヌや弱ペダや刀剣乱舞以来の、かも)


僕は、鬼滅の中身にはあまり満足していない。
伊之助や善逸は使いこなせていないし、
しのぶは理想的過ぎた。

だけどヒットは、
中身と100%連動しているとはいえない。
コレクター的価値があるだけで売れるのは、
メルカリの市場原理を見てもわかる。
理想は中身100%市場価値100%のダブルコンボだが、
現実は理想ではないからね。


で、
ヒットの原因は、
キャラクターと、オリジナル素材としての立ち方だろうと。

腐女子ほど、絵師ほど、
あらゆるメディアを、「ネタにできるかな」
という見方で見ていると思う。
鬼滅は、ひさびさのそれだったのだろう。


そうしたものがヒットするのは、
僕自身は苦々しく思う。
内容が充実してほしいと思うからだ。

完結まで読んではじめて評価をしたいが、
「完結したあとなのに盛り上がる」のは、
雑誌派時代の僕らと違い、
コミックス派の腐女子たちの行動に近いと僕は感じる。

しかし映画館回し過ぎやろ。
そこまで金がほしいのか。ほしいんやなあ。
posted by おおおかとしひこ at 16:57| Comment(2) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鬼滅ブームはハリーポッターに似てるところがあると思う。
主人公の額の傷、フクロウとカラス、持ち手によって変化する杖と刀など設定も似てるし、ストーリーもほのぼのシーンとシリアスバトルの落差があってハリーポッター鬼退治版感じ
あとジャンプ漫画というよりサンデー漫画ぽいです。
Posted by 紫 at 2020年10月19日 23:58
>紫さん

サンデーっぽさは、ハガレンあたりかしら。
ハリポタも含めてすべて「女性作家による理想の少年冒険譚」
が共通点かと。

僕がたびたび指摘しているのは、
・母親がニコニコするタイプの明朗な少年
(男から見ると中身のないタイプ)
・武器を扱う肉体的リアリティがない
・バトルのリアリティがない
(痛みや欠損の恐怖、空間方向、技の原理方向が弱い。
毎回全回復する前提)
・その代わり、女のパターンが豊富
(ただし女にドリームが持てない分ヒロインは不在)
・戦いよりも休憩が魅力的なことが多い
・女キャラ同士の会話が魅力的でリアル
(男性作家の弱点)
・絶大な信頼の持てる兄貴分がいる

などでしょうか。
このうちバトル方向はアニメである程度補完が効いてて、
後半部分が女性受けするのでしょう。

先日カフェで鬼滅の話をしてるのは、
小学生の女の子とオバサンたちでした。
ハリポタと同じ層に受けてるのだと思われます。

少年ジャンプなのに、男子置いてけぼり。
ジョジョとワンピでも見てりゃいいのかね。
Posted by おおおかとしひこ at 2020年10月20日 10:27
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