一種のツイスト。
たとえば主人公が〇〇に頼みごとをしにいく。
「こういうことを頼みたいのだが」
「よしわかった。やろう」
で話がトントン拍子に進めば、
話は先へ進む。
だけど、それだけじゃ単調になるな、
と思ったとき、このツイストで変化球になるわけだ。
「タダじゃ引き受けねえぜ」と言わせてみるとよい。
つまりこのあと〇〇は、
交換条件を出すわけだ。
Aをしろ、Bを持ってこいそれと引き換えだ、
CのOKをとってこい、
などなどだ。
このことによって、ストーリーは別の焦点になる。
〇〇に頼む、ということから、
〇〇の指令をクリアする、にだ。
でこれは〇〇に頼むということの部分問題だから、
観客はそれをわかって、
このミッションを楽しむのである。
引き延ばしといえば言葉が悪いが、
ツイストと考えると、色どりのひとつとなる。
つまり、一筋縄ではいかないということを、
この寄り道で表現することができるわけだ。
このツイストがおもしろければ、
そこは面白いお楽しみ場面になるし、
そうでなければ全カットして、
「よし分った、頼まれよう」で話を進めても構わないわけである。
ただ単にOKを出しても変化がなくつまらないな、
と思ったときは、
こうした変化球を入れることも検討した方がよいだろう。
一見無茶ぶりをしているようでありながら、
実は全部修行であった、
という「ベスト・キッド」のペンキ塗りは新しく衝撃的であった。
ときにツイストはこうした名作を生む。
「よし分かった。やろう」なのか。
「タダじゃ引き受けねえぜ」なのか。
それだけでずいぶんと中盤の展開は変わってくるよね。
ストレートにテンポを上げたければ前者、
癖玉で惑わせるなら後者だ。
現実はそんなにトントン拍子に行かないリアリティが欲しければ後者で、
人は信じられると思いたいときは前者だ。
使いこなしたいテクニックだね。
2020年10月22日
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