安岡さんのコメントにあるブログを見てみたら、
膨大なタイプライターの研究があり、びっくり。
これは適当なGoogle画像検索とは違う、本物の研究であることよ。
ざーっと目次だけ見て興味を引いたのがブラザーのタイプライター。
国産?まさかカナ配列があったりして…と記事を読んだらビンゴ。
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/typewriter-ad30
カナタイプライターの配列がstickneyを祖としているところまでは知っていたが、
(これが改悪されてJISカナというクソみたいな配列になる)
JISカナ方向へシフトカナが動いた、
中間形態みたいな配列であった。
ちなみにstickneyの配列はこれ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/バーナム・クース・スティックニー
どう考えてもJISカナはいい配列とは思えない。
もっとも、現在のように、
秒5カナでブラインドタッチすることを想定した、
整理された合理的な指の動線を作ること、
のような要求から生まれたものではないことはたしかだ。
実際のタイプライターの速度はどれくらいだったのだろうか。
DvorakとQWERTYが対決したあたりの数字は残っているだろう。
当時のカナタイプライターの想定速度はどれくらいかな。
秒2〜3カナあたり?
映画だと秒4〜7打くらいの英文タイプライターが出てくるけど、
カナタイプライターのスペックは不明だ。
実際カナだけで小説一冊10万字とか、
読む方も苦痛だしな…
せいぜい公文書の数千字くらいが仕事の想定範囲だっただろうか?
当時の打鍵動画などないだろうが、
どういう文章をどうやって作り上げていたのか、
とても気になる。コピー文中心で、創作文はなかったのだろうか。
カナタイプライターは普及しなかったらしいけど、
電報とか手処理でやってたのかしら。
英文タイプライターについてわかっていることとして、この大会がまとまった参加者がいて、文章のタイプも2つ用意されているので参考にしやすいんじゃないでしょうか。
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/mcgurrin06
※「ワード」と書かれていますが、数値的に打鍵数だと思います。
1位は10分で合計4935打(8.2打/秒)。8打/秒前後がトップレベルみたいですね。
「site:dictionary.sanseido-publ.co.jp 分間 ワード」で検索すれば、成績がいろいろ見れて、その中で速かったのはマッガリンの1分間に125ワードでした。
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/mcgurrin08
(ただし当時のワードは単純に×5だったのか、純粋に単語数をカウントしていたのかわからないので、625打/分かはわからない)
詳細情報ありがとうございます。というか、かのブログの調査がすごいですね。
秒7打という自分の耳はわりと正確でよかった。笑
しかし秒8打でジャムらないメカ機構のほうが凄いなと僕は思いますね。
興味深いのはブラインドタッチを2本指打法が凌駕したことで、
2本指で秒8打は相当なものだと思いました。
19ピッチだとしたら、デカイ手だったのだろうか、などと想像してしまう。
「カーボン紙を挟んで15枚に一斉に打つタイピング」など、当時は打鍵の強さも大事だったんでしょうね。
そもそも安岡さんが書いていて、単行本の『QWERTYの謎』よりも広く新しい情報がたくさんあるので、全部読む勢いでも良いと思いますよ。カナ関連の人物もけっこういますし。自分は単行本を読んだ後にブログを見ても、新しい発見がいくつもありました。
2本指打法が凌駕したことについてですが、
機械式タイプライターは、
・1打に必要なパワーが大きい
・完全に重なるほど同時に打つとさすがにジャムる(片手アルペジオができない?)
・上下の段差がかなり大きいので、たとえばkoとかがなめらかに打ちにくい
・打つパワーにバラつきがあると印字が不安定になる
ので、人差し指タイピングはそれらのデメリットを受けくいのも影響しているんじゃないでしょうか。
>ピッチ
olivetti LETTERA 12 というタイプライターが手元にあるんですが、ピッタリ19ピッチです。
https://www.youtube.com/watch?v=2UItlelC14Q
いつから19が標準になったのかは自分も知りません。
ハードオフのジャンクだったら部品取り用として1000円以下で売られていることもあるので、形状を確認するためだけに買ってみてもいいんじゃないでしょうか。
結構膨大なことに気づいたので、今ちょっとずつ読んでます。
英文タイピングにはまるで興味がないものの、
QWERTYの絶対影響下にある日本語環境のルーツを探る上では興味深い。
上から打たないと印字できなかったので、
「,」「.」は難しいという話はよく聞きますね。
僕は撫で打ち派ですが、突き刺し系の打ち方の人はタイプライターも打てそうな予感がします。
自作キーボードイベントで、段にほんとに段がある自作を触ったんですが、段をまたいだアルペジオは非常にやりにくかったです。KOは二段越えくらいの感覚でしたね。オール1/2ズレでした。
外人の手を考えると19ピッチは当然かなと思います。
3/4インチ(=19.05mm)とキリのいい数字なので、
18や17が検討されたとも考えにくい。簡単な分数で表現しづらいので。
メートル法のイギリスやフランスだと事情は違うかも。
でも白人は手がでかいしなあ…
自作キーボードのムーブメントは、
僕は、レミントン以前に戻って、
僕らの手に馴染むキーボードを再発明しよう、
という流れじゃないかと考えています。
考えるべきこと、試すことははまだ沢山あるなあと。