だと考えると、登場人物の役割がはっきりすることがある。
ある問題を解決することがストーリーの目的である。
だが、その問題の近辺には、
色んな立場の人がいる。
庶民の立場からものをいう人。
当事者の敵側の事情からものをいう人。
虐げられている側の事情からものをいう人。
観客の立場からものを見て感想をいう人。
こういう風にその問題や登場人物を整理してみようということだ。
登場人物は、
ある目的をもってストーリーに登場し、
サブプロット(その人物の目的を達成させるストーリー)に参加する。
それはその人なりのストーリーとして面白く書ければよいのだが、
「それってこのメインストーリーに対して、
どういう役割があるんだっけ?
是非とも必要なんだっけ?」ということが分らなくなってしまうことがある。
まあ、詰まらなければカットすればいいんだが、
せっかく何か面白そうな芽が出ているというのに、
刈り取ってしまうとストーリーがやせて感じることだろう。
ということは、サブプロットが存在することで、
ストーリーが豊かになればいいのだ。
で、メインに扱っている問題は、
様々な視点から語ることができるだろう?
ということを考えるとよい。
敵味方という単純な二項対立であっても、
敵方の事情、味方の事情と、ふたつの視点があるだろう。
味方だって、大義名分の視点だけでなく、
ぶっちゃけた台所事情の視点や、
呉越同舟の視点もあるに違いない。
それぞれのキャラクターは、それぞれの事情や目的でそれに参加しているわけだから、
それぞれは、
そうした「その事件に対する、複眼的な視点」で、
ものを語らせると、
ストーリーが重厚に見えるわけなのだ。
あることに対して、
経済的な意義、
芸能界に与えた影響、
文化的進歩、
新技術の実戦投入、
などの複数の意義があるならば、
サブプロットはこの4本書けばよくて、
それぞれの視点を持つ、4人の登場人物にまとめられる、
ということである。
ストーリーを圧縮して3本のサブプロットにすることもできる。
その場合、メイン登場人物は3人になる。
サブプロットを足して、
5本の同時進行にすることも可能で、
そうするとメイン登場人物は5人に増やし、
それぞれの目線や事情から、事件を語るとよいわけだ。
(同じ人物に複数のサブプロットを背負わせる方法もある)
そうすると、それぞれの視点からのテーマが存在するので、
それがメインテーマに対しての、サブテーマになるという構造だ。
サブ登場人物は、いてもいなくてもいいんじゃないか、
ということを時々思ってしまう。
その時、いや、こういう意味で、このストーリーには必要なのだ、
ということを確認したい。
その時、この人物は、
こういう立場、視点で事件を見るのだ、
ということを考えておかないと、
じゃあやっぱり無駄だな、となってしまう。
もちろん、無駄ならばカットするという選択肢もある。
しかし全部カットして、
主人公一人のメインプロットになってはシンブルすぎるので、
もっと複眼的に事件を捉えたほうが面白い。
その第二、第三の眼が、二人目、三人目の登場人物だと考えると、
彼らのストーリー全体での役割が整理しやすいのではないだろうか。
今書いている話では、
男の立場、
妻の立場、
金貸しの立場、
興行師の立場、
野良の立場、
などの5つのストーリーが交錯して、それぞれのサブプロットを形成していて、
それぞれがその事件全体を構成する要素である、
というような全体になっている。
だから、ひとつそれを削っても痩せるし、
それらは同じ登場人物に重ねられないなあ、などとも考えている。
その事件は、いくつの視点から多角的にみると面白いか?
そういう逆算で、じゃあ、サブ登場人物は、
どういう視点の代表者としてこの事件にかかわるのか、
ということを考えると、
サブプロットの役割や意義について整理しやすくなるはずだ。
2020年10月31日
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