相変わらずコツコツと安岡さんの記録を見ているのだが、
underwoodのgolden touchというのが、
特別なキーキャップの形をしていて興味深い。
これ、確実に撫で打ち用だ。
記事はこちら。
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/typewriter-ad26
形だけ見たい人は図を引用しておく。
黄金の手袋が昔のSF映画みたいでかなり良い。笑
広告写真だから手タレさんはタイピストでない可能性があるが、
この手の置き方は、
タイプライターを打つ、突き刺し系の角度ではなく、
撫で打ちの角度である。
キートップの形が、
半分スフェリカル抉れ、
半分シリンドリカル抉れの形をしていて、
これは薙刀式キーキャップ(rev1)と同じ形なのだ。
指を置きやすいのはスフェリカルだが、
力を滑らせて抜きやすいのはシリンドリカルだ。
なので、撫で打ちにも突き刺し系にも、
両対応できる形だ。
「爪が長い人でも打てる」という説明の通り、
指の腹で打鍵することも可能にした形で、
当時の常識、突き刺し系の打ち方とは、
一線を画したものだろう。
ただし、
「世の中には二種類の打ち方がある。
突き刺し系と撫で打ち系だ」
ということは、
現代に至ってもまだ浸透していない。
だから、当時の人がどれくらいこの価値を理解したかは分からない。
この形のキートップのキーボードは、
市販だとロジクールの一部しかないと思う。
便利だからみんな真似すればいいのにな。
そこの基本哲学、
「世の中には二種類の打ち方がある」
が、啓蒙されていないことがまずは悲劇だろうか。
ちなみにもうすぐ発売する薙刀式キーキャップ「サドルプロファイル」のキートップは、
ものすごくRの大きなスフェリカルだ。
こんな微妙な凹み、みたことないタイプだと思う。
シリンドリカルだと縦方向にしか撫で打ちしやすくないので、
全方位撫で打ちしやすいように、
点対称な形にしたわけ。
とくに人差し指伸ばしをするときは手ごと動くので、
そのあと手を戻しながら他の指を打つ時も、
横方向の撫で打ちがやりやすくなっている。
20世紀の工夫は、
僕が21世紀で発展させたつもり。
それを分かる人だけが、この写真の意味を正しく理解できると思う。
タイプライターのように、
力を込めて真下に突き刺す必要は、
もはやキーボードにはない。
撫で打ちで、力を抜いて打つべきだと僕は思っている。
ちなみにYouTubeで当時の打鍵動画がないか探したがなかった。
中古を買った人が少しあげていたが、
全員突き刺し打ち。わかってねえなあ。
(上段人差し指、数字段は撫で打ちの人はいた。
下段は全員突き刺し系。こうじゃないんだよなあ)
2020年10月27日
この記事へのコメント
コメントを書く