2020年10月27日

シナリオに根本的な問題がある(TENET評)

一応ネタバレなので隠します。



未来から来たという敵は、
主人公たちの活躍によって失敗したことを未来で知っているはずなのに、
なぜ攻撃を仕掛けてくるのか?


ターミネーターの場合は、
「それでも審判の日は起こる」が前提だった。
このストーリーの場合どちらでもいいんだけど、
途中で、
「これバッドエンドになるんだったらいいけど、
主人公にとってハッピーエンドになるなら、
なんで敵は攻撃してくるんだっけ?」
ということに気付いてしまい、
そっからはアクションを見るためだけの時間になってしまった。

そしたら「無知が武器」とか言い出して、
オイオイ誤魔化し切れてないやんけと失笑。


で、主人公が敵でした、
というエンドでもいいんだけどさ、
じゃあ親友に依頼する意味がわからないよね?


つまり、いかにプロットに整合性がついてても、
動機がわからんというやつですよ。

赤チームと青チームの両面作戦は面白かったけど、
どうしてそれをやる理由があるんだっけ?

敵も逆行順行チームで来る対応だっけ?
そうだとしたらもっと面白くできると思うが?

カーチェイスへの逆行、
空港への逆行までは面白かったが、
第三の山、爆発阻止が全然面白くなくてね。

ノーランはいつも、
「離れたところで戦闘するのをカットバック」
する癖がある。
それが全然面白くないんだよな。
たまには密室劇でも撮ってみたらどうかね。


「過去の自分たちを救いに行くんだ」では、
「のび太の大魔境」という傑作がある。
タイムリープで過去を改変する傑作には、
「アベンジャーズエンドゲーム」がある。

せっかくタイトルが点対称なのに、
ストーリーが点対称になってなくて美しくない。


せめてミシェルゴンドリーのこれくらいやって欲しい。
Cibo Matto - Sugar Water (Official Music Video) | Warner Records
https://www.youtube.com/watch?v=EN9auBn6Jys&feature=emb_title



で。

点対称だからなんなん?
構造が面白いでしょ、ってだけやん。
PVは「おもしろーい」でいいけど、
映画はそうじゃないよね。

エンドゲームの感動にぜんぜん勝ててないし、
敵の動機がわからないので、
まったく意味がない。

ノーランの時間軸いじりは、なんか変なんだよな。
メメントも詰まらないオチだった。
「発想はものすごく面白いが、もうちょっとなんとかまとめられんのか」
ばっかり。



あとアンゼたかしの字幕ひどくない?
ストーリーがわけわからん。
多分英語でヒアリングしたほうが分かりやすそう。
posted by おおおかとしひこ at 23:08| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。