2020年11月04日

基本的に今の邦画は面白くないと思う

日本の映画監督たちが「鬼滅の刃」の大ヒットに苦言を呈している理由wwwww
http://www.vipnews.jp/archives/7778373.html

現状、結果的な面白さでいうと、
邦画<鬼滅だと思うよ。

なぜ邦画が面白くないかというと、オリジナルに投資が集まらず、
すでにヒットしたものを実写化しかしてなくて、
「しょぼい予算でしか出来ないオリジナル」しか作ってないからだ。


僕は投資や会社の仕組みに詳しくないから解説できないが、
今の邦画が、
・投資を集めやすい原作ものを、学芸会みたいな枠組みでつくる
・しょぼい予算でなんとか成立させたオリジナル
の二種類しかないことは火を見るよりあきらかだ。

・そこそこ潤沢なオリジナル
・一点豪華予算のオリジナル
・ものすごい金かけた原作もの

が欠けていると思う。

それはすでに邦画業界が自転車操業に入っていることを意味する。


90年代、フジテレビが踊るを当てたことで、
ドラマからの映画化ビジネスが金鉱脈をつくった。
それは、オリジナルドラマ(そこそこ潤沢な)が面白かったからできたこと。

だけどテレビの凋落で、
オリジナルドラマを作らなくなり、
予算も縮小して行って、
このビジネスの継ぎ手がいなくなった。

本来ならば、
そこで儲けた回転資金で、
次世代の才能を育て、
まあまあの予算でオリジナルを沢山つくり、
何回かそこそこ潤沢なオリジナルを作らせて、
次の柱を育てるべきだった。

だが映画業界は、
○○実写化の枠組みで、延命することしか出来なかったといえる。

まともなスタッフならば、
爆死しまくる実写○○の脚本を渡されて、
面白いわけないだろと断るに決まっている。

だから表舞台から有能なスタッフが一人二人去り、
志を低予算で灯し続けているに過ぎない。


僕がひどいと思ったのは、
低予算「カメラを止めるな!」を作った監督に、
同じ予算でもう一本、と仕事がきたことだ。

なんのためにギリギリでやったと思うんだ。
未来への投資として今を犠牲にしたんだろ。

普通は桁を一つ増やしますので、という仕事の頼み方のはずだ。

低予算で成功した男は、
「低予算で成功する」スキルしか買われない。
買うやつは目が腐ってると思う。

そもそも「カメラを止めるな!」は、
キャスト全員が無料だ。
なぜなら監督の生徒だからだ。
監督は生徒に演技を教える代わりに、
ただで出てもらい、低予算をカバーした。
本来ならば出演者は半分、尺も半分以下の予算な訳だ。

こうした、作品をつくるための遠回りがうまいやつが、
今低予算映画でなんとかしている。
とても本末転倒である。


おそらく全滅ではないにせよ、
邦画のシステムは壊滅状態だと思う。

オリジナルを沢山作っていたころの、
次々に新しい作家を輩出し、
次々に世代交代していくような、
すなおな邦画モデルは保てていない。

それはおそらく投資会社(銀行など)に、
融資を受けてるせいで、
自分たちで資金を回転しなくなったからだと思う。

「面白いからやってみよう」ではなく、
「それは儲かりますか?にエビデンスを示すこと」が、
ビジネスの根幹になってしまったからだ。

じゃあ、エビデンスを持ってこれるスキルだけが上がり、
面白さへの嗅覚や、微妙なものを面白く作り替えるスキルなどは、
退化していくと思う。

邦画以外の漫画やアニメの売上グラフを見て、
買い注文が出来るトレーダーが、出世するだけの世界になったわけだ。



ということで、
鬼滅はオリジナルのアニメ化とはいえ、
一方のしょぼい邦画が束になって勝てるわけがない。

三谷幸喜みたいな作家をあと10人は育てなければ、
邦画に活気は戻らないだろう。


僕は鬼滅のヒットは眉唾ではあるが、
有難いものであるとは思っている。
コロナ禍の映画館を救い、
次への投資の回転資金になったことはたしかだ。

これで儲けた金を、
「エビデンスのある儲け話」に再投資するのではなく、
「志ある面白いオリジナルを作ろうとしている人」に、
分け与えてほしい。
それで全員爆死したら、まあ笑ってすますだけさ。

笑って済まされない社会になってしまったことが、
日本の先行きの硬直化、不安感に繋がっている。
焼け跡から立ち上がる志の者はもういないのかもしれない。
まあ全員焼け跡スタートじゃないからだろうなあ。


会社を回転させるのに、
どれくらいの規模のヒットが年何本必要で、
そのうち何億を新人の投資のために回せるのだろうか?
最低でも1本製作費1億あれば、新人でもそこそこ回せるはずだ。
そうした収支計算を知るには、
自分が映画会社(プロデューサー職)に回るしかないのだろうかね。

黒澤明を輩出した邦画界は、少なくとも今はない。
posted by おおおかとしひこ at 16:07| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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