2020年11月07日

何かを圧縮しないと、第一ターニングポイントにはたどり着けない

ふつうに書いてて、25分あたりに第一ターニングポイントがくることは、
かなり難しいと思う。
どうしても30分を越えるところに来てしまうよう気がする。
そういうときはどうしたらいいだろうか?


圧縮するといい。
どう圧縮するかが問題だ。

ただ切っていくだけでつまらなくなることは、
とてもよくあることである。

色んな圧縮の仕方がある。
設定を一個しないようにする。
(作品内からなくす、あるいは二幕で遅れて設定を付け加える)
段取りをなくす。
あるシーンごとカットする。
(カットされたシーンの中にあった要素は、
のこったシーンのどれかに入れ込むことが可能かもしれないし、
あとの二幕で復活できるかもしれない)


ちなみに、
第一ターニングポイントはどこだろうか。

ストーリーに大きなうねりが来て、
主人公が大きく踏み出し、
ストーリーが解決へ向かい始めるポイントだ。
そのことと同時に、
「センタークエスチョンが明らかになること」が、
必須だと思われる。
逆に、
大きな転換点でなくとも、
センタークエスチョンの確認こそが、
第一ターニングポイントだと言えるかもしれない。
それが確認されたとき、
ストーリーは転換点を迎えているともいえるからだ。

これまで曖昧な目的だったものを、
はっきりと形にすること。
(台詞で言っても、絵で示してもよい。
絵で示すほうがむずかしい。
絵での解決は三幕に取っておいたほうがいいかもだからね)
そのことで、
主人公や他の人の、
意識が変わるからである。
もちろん観客もだ。
ゴールは見えた。そこにたどり着き方は分らないが、
というのが第一ターニングポイントだと思うといいだろう。

逆に、
センタークエスチョンが明らかになっていないならば、
どの場面でそれを示せるといいか、
考えよう。
この場面でそれが言えているならばOK、
と逆算して、リライトする方法だってある。

前のシーンを切って行ってもいいし、
センタークエスチョンを明らかにするところを、
単に移動させてもいいのだ。
25分から30分あたりにそれが来るには、
ある程度第一幕は、
全容ではなく簡単な状況設定である必要があるかもしれない。
全容は、よりあとで分って来る感じにしたほうが、
最初に箱庭を設定するよりも、
展開がある感じになるだろうからだ。
ということは、
「どこのピンホールから覗くと、この世界は面白そうに見えるか?」という問いと同じである。
その一点から観客の興味を誘導して、
うまく引き込んでいけばいいのだ。

35分くらいにどうしても第一ターニングポイントが来てしまう人は、
充分なセットアップではなく、
やや足りないくらいの、
これからこうなるだろうな、という想像や予想がふくらむような、
わざと足りない第一幕を作ってみてはどうか。
そうすることで、説明しすぎを防ぎ、
想像に刺激を与えるような、
ピンホールのような第一幕を作れるかもしれない。

ある場面が、同じ結果を示しているような、
重複してしまった場面もあるだろう。
それらをひとつにするだけでも、
充分カットが進むかもしれない。


今リライトのために整理していっているが、
一幕終わりが32ページという、
微妙なポイントになってしまった。
これをどうテンポアップするかは、腕の見せ所だと思っている。
posted by おおおかとしひこ at 01:33| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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