前記事の続き。
前後関係から省略が厳しく、
にもかかわらず第一ターニングポイントが遅れている場合。
第一ターニングポイントシーンをそこではなくして、
前の適切なシーンを第一ターニングポイントに出来るか?
を検討してみる手はある。
前記事では、
前を詰めて、第一ターニングポイントを前に倒せないか、
という方法であった。
たとえば、上がった台本が、
ABCDEFGHIJ
という構造だとする。シーン数は適当だ。
Jが第一ターニングポイントだとして、
ABCFGHIJ
のように、DとEを抜いて、Jを前に持ってこようという方法だ。
今回のものは、第一ターニングポイントを○で示すと、
ABCDEFGHIJ
○
となっているストーリーを、
ABCDEFGHIJ
○
のように、
「Hを第一ターニングポイントにして、
Jを第一ターニングポイントでなくす」
という方法論である。
第一ターニングポイントの最も大事な役割は、
センタークエスチョンの提示だ。
つまり、
「センタークエスチョンを提示できるような、
25分前後のシーンを探す」という荒技なのだ。
また、もとの第一ターニングポイントJから、
センタークエスチョン提示を抜き、
成立するかもチェックしないといけない。
展開が以降まったく変わることも全然あり得るからね。
もしそれらの手術が成功しそうなら、
新しい第一ターニングポイントを作れば良い。
一番簡単なのは、
「主人公がセンタークエスチョンを言う」だ。
主人公ぽくて堂々としてるから、
あとあとも責任を取りやすい。
あるいは、「皆で確認する」もよく使う。
主人公が一人でなく、仲間やバディといたりするときにそうなる。
呉越同舟パターンでもあり得る。
また、
最良のセリフは無言であるから、
無言でセンタークエスチョンが分かると最良だろう。
たとえば登山家の話だとして、
「エベレストを見る」シーンを作れば、
それがセンタークエスチョンになることは明らかだ。
クライマックスは登頂シーンだろうね。
ラストの解決を先行してバラせないから、
具体的な期待感を煽る絵を作れるか、ということでもある。
ただ平凡な場所で主人公が言うだけだと、
ちょっと詰まらない。
特別な絵になる何かだと、とても印象に残りやすいだろう。
せめて、ロマンチックなシチュエーションに放り込むとか、
逆目の面白い背景の前でやるとかの、
工夫を凝らすべきポイントだろう。
ここが印象的であればあるほど、
二幕への突入速度は変わってくるからだ。
なるべく強く前のめりに行ったほうが、
面白くパワフルなストーリーになるだろう。
第一ターニングポイントが35分なら、
25分のシーンを第一ターニングポイントに書き換えればいいじゃない。
そういった技である。
それが行けるなら、そうしたやり方もあると、
覚えておくに越したことはない。
どうしても縮めたり省略するのがもったいない時は、
試されたい。
2020年11月08日
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