2020年11月06日

【薙刀式】寝て起きたらカナが動いた

昨日のタイプカウンターによれば、
今までの最高75000打鍵(qwerty換算)打ったようだ。
原稿だけじゃなく、ブログやメモも書いてるから、
一日にこれだけ薙刀式を打ったことはなかったわけで。

これだけやると脳に疲れがたまり、9時間くらいぐっすり寝れた。
寝て起きると神経回路に整理が出来、
打鍵感覚が整理されることはよく知られている。
で、その感覚に従ってカナをまたちょいと動かしたら、一番しっくりくる版になった。


合理はわからない。
頭の中で考えた合理と、
指先の感覚が異なることは、
これまで何度も経験してきた。

そして大抵体の感覚が優先的になる。
具体的にいうと、
さまよえる「ね」が、定位置W裏に戻る。
頻度的に薬指を圧迫している「め」は定位置R裏に戻る。
つまり以下のような配置だ。

単打は変わらないのでシフトだけ示すと:

 ネりメ< >さよえゆ
せヌにまち やのもわつ
  を、み お。ムふ

カタカナが昨今動かしているやつ。

大局的に見れば、ね、む、めは定位置に戻り、
ぬ、みが交換されただけ、
ということになるだろうか。


ううんわからん。

つまりこれは太古の神経回路を、
最近の神経回路が上書きできず、
強い昔の感覚の方がいいと、肉体的に思っている、
ということだと思われる。


そもそもの薙刀式の当初の設計は、
「そこにそのカナがある感覚」を重視した。
「あ」はホームやろ、「ある」はそのアルペジオやろ、
からはじまって、
「し」「き」は左手っぽい感覚だな、とか、
「お」は下段にいるべき、「も」は「もう」と並びたい、
みたいな、「そのカナがいるべき空間」みたいなところに配置した。

それは空間の共感覚みたいなことで、
「そのカナがそこにいるのは、感覚的に違和感がある」
としか言いようのない感覚だった。

僕が、新下駄や飛鳥が合理的であるにも関わらず使いこなせなかったのは、
この、「あるべき空間にあるべきカナがいる感覚」が、
作者のそれとずいぶん異なったからのような気がする。
(実際には清濁別置の記憶負担もあるが、
そこを超えるだけの、「あるべき感覚」がなかったのだ)

以前僕は文字に色が見える共感覚者だと書いた。
左上は黄色からオレンジのカナにしたい。
右下はブルーや紫の重い色のカナにしたいのだ。
それでいうと、
「ぬ」は土色なのでW裏にふさわしくなく、
「ね」のオレンジがW裏にふさわしいし、
紫の「む」と黒の「ん」は、,にいるとしっくりくる。

何を言ってるか、共感覚のない人には分からないが、
こうとしか表現できない感覚なのだ。

逆に共感覚がない人は、
この制限がなくカナを自由に動かせるわけだから、
なんと便利だとは思う。

いや、逆にこの共感覚を持って、
ひとつの美意識を貫ける。
それがひとつの統一感になるわけだ。

芸術家には、共感覚持ちが多いと聞く。

僕は絵描きと文筆なので、
なるべくビジュアル的感覚を言葉にしようとしているのだが、
あまりこういうことを書いた人はいないと思われる。
たとえば三島由紀夫の文章は絵が浮かびやすいことで有名だが、
彼の文章には、僕は特異的な共感覚を得やすい。
たぶん「感覚」が似てるんだろう。

おそらく芸術家は、この「感覚」を作り続けることに、
情熱を燃やすのだと思われる。
芸術家は言葉が不自由なので、うまく会話ができないんだけどね。


ということで、
合理を超えた脳の感覚として、
僕はこの版を作り、しばらく使ってみることにした。
理由は「きもちいいから」としか言いようがない。

理屈だと、
左親指+左薬指をなるべく避けるようにしてきたのだが、
それが復活してしまっているし、
左親指+左人差し指上段は、推奨できる運指じゃないだろうが、
頻度的には増えてしまっている。

それだとしても、
「脳と手の直結」の感覚優先、
というのをためしてみたくなったのだ。

ここまで来れば多少の合理の微差ではなく、
「いかに感覚に近いか」みたいなことかもしれない。
肌触りみたいなことかもしれない。


しばらく使って、
「うーんやっぱ手が疲れるな、そこは合理優先かな」
となる可能性を孕みつつ、
テストをしてみないと分からないことは、
やってみるしかないのだ。

次の2万字は、感覚優先であるべきか、合理優先であるべきか、
それをテストする。

感覚に違和感があると、
感覚が疲れて疲労する、
というのもあると思う。
物理的に指が疲れることとは別の疲労だ。
「神経をすり減らす」系の疲労だろう。
それを、(主観的だが)測定したい。
posted by おおおかとしひこ at 12:01| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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