2020年11月12日

好奇心はおもしろさの一部

おもしろいとは何か。
色々ありすぎてひとつには絞り切れない。

その中で、
ストーリーそのものの面白さとはまた違うものに、
好奇心があると思う。


一体これはどうなっているんだろう?
知らないことだけど面白そう!

こうした感情のことだと思う。
知っていることには好奇心は動かない。
つまり、
「知らない人ほど好奇心が強い」ことになる。

年を取って来ると知識が増えるので、
滅多なことで好奇心は刺激されない。
人生で分らないことが大体は解明されてしまい、
分らないところはずっと分らない、
ということがなんとなく分ってしまうものだ。

逆に、
人生経験や知識のない人は、
好奇心を刺激するものを「面白い」と誤判断する可能性があるということだ。
自分が知らないだけのことなのに、
それを教えてくれたものを、
ストーリーが面白くないにも関わらず、
「面白い」と思いこんでしまう危険性があるということだ。

たとえばエヴァンゲリオンはそうだろう。
死海文書やロンギヌスの槍とか、
知らない概念を知ることで「面白い」と思ってしまう感覚。
それはうんちくの面白さであって、
ストーリーそのものの面白さではない。
だが好奇心を面白さと勘違いしてしまうのだ。


「知らない世界の話は面白い」
のは、こうした理屈である。

医療ものが安定して面白いのは、
我々は医師免許がなく、医療従事者でもないからだ。
刑事ものが安定して面白いのは、
我々は刑事でもなく、犯罪者でもないからだ。
知らない世界の話は面白いのだ。単純にね。

将棋の世界のよくできた話があれば、
知らない世界だから単純に好奇心を刺激されて、
面白いと思うにきまっているよね。

つまり、
好奇心を刺激する面白さとは、
取材によって確立されるということだ。


知らない世界を知ったときの面白さを、
自分のよく知っている世界で表現することはなかなか難しい。
知らない人の新鮮な気持ちになることは難しいからである。

ゆえに、
知らない世界を取材することは、
好奇心をどこで刺激されたかを知ることなのだ。

知らないからこそ、
ここで「面白い」と思ったこと。
それをなるべくストーリーに使うといいだろう。
あなたが知らない人として面白いと思った好奇心は、
他の人の好奇心も必ず刺激するだろう。
(もっとも、あなたが単に無知ということもあるかもだが)

好奇心とは、
知らないことに起こる。
だから、知らない世界をなるべく書こう。
知っている世界なんて一通り書いたらおしまいだ。

僕の知らない世界はまだまだたくさんある。
次は女子高の話を書きたい。(無理)
posted by おおおかとしひこ at 00:29| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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