おもしろいとは何か。
色々ありすぎてひとつには絞り切れない。
その中で、
ストーリーそのものの面白さとはまた違うものに、
好奇心があると思う。
一体これはどうなっているんだろう?
知らないことだけど面白そう!
こうした感情のことだと思う。
知っていることには好奇心は動かない。
つまり、
「知らない人ほど好奇心が強い」ことになる。
年を取って来ると知識が増えるので、
滅多なことで好奇心は刺激されない。
人生で分らないことが大体は解明されてしまい、
分らないところはずっと分らない、
ということがなんとなく分ってしまうものだ。
逆に、
人生経験や知識のない人は、
好奇心を刺激するものを「面白い」と誤判断する可能性があるということだ。
自分が知らないだけのことなのに、
それを教えてくれたものを、
ストーリーが面白くないにも関わらず、
「面白い」と思いこんでしまう危険性があるということだ。
たとえばエヴァンゲリオンはそうだろう。
死海文書やロンギヌスの槍とか、
知らない概念を知ることで「面白い」と思ってしまう感覚。
それはうんちくの面白さであって、
ストーリーそのものの面白さではない。
だが好奇心を面白さと勘違いしてしまうのだ。
「知らない世界の話は面白い」
のは、こうした理屈である。
医療ものが安定して面白いのは、
我々は医師免許がなく、医療従事者でもないからだ。
刑事ものが安定して面白いのは、
我々は刑事でもなく、犯罪者でもないからだ。
知らない世界の話は面白いのだ。単純にね。
将棋の世界のよくできた話があれば、
知らない世界だから単純に好奇心を刺激されて、
面白いと思うにきまっているよね。
つまり、
好奇心を刺激する面白さとは、
取材によって確立されるということだ。
知らない世界を知ったときの面白さを、
自分のよく知っている世界で表現することはなかなか難しい。
知らない人の新鮮な気持ちになることは難しいからである。
ゆえに、
知らない世界を取材することは、
好奇心をどこで刺激されたかを知ることなのだ。
知らないからこそ、
ここで「面白い」と思ったこと。
それをなるべくストーリーに使うといいだろう。
あなたが知らない人として面白いと思った好奇心は、
他の人の好奇心も必ず刺激するだろう。
(もっとも、あなたが単に無知ということもあるかもだが)
好奇心とは、
知らないことに起こる。
だから、知らない世界をなるべく書こう。
知っている世界なんて一通り書いたらおしまいだ。
僕の知らない世界はまだまだたくさんある。
次は女子高の話を書きたい。(無理)
2020年11月12日
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