2020年11月08日

【自キ】リアルフォースはエンドゲームではない

> たくさん自作キーボード買っている奴に「なんでそんなに自作キーボード買っているの?東プレで良いじゃん」って言ったブチ切れるだろうなぁ。言ってみたいわ

というツイートに反論してみたい。


そもそも自キ勢がたくさんキーボードを買ったり作ったり改造したりするのは、
現行のキーボードに不満があるからだ。
あれのこの改修はどうだろう、
これのあの改修はどうだろう、
と実際に使って試す為である。

これは店頭やイベントで数分間触るだけではわからない感覚があり、
最低でも三日、出来れば一週間くらい継続して使ってみないと、
その妥当性が分からない精妙な感覚のことである。
(ファッションで買う場合をのぞく)

じゃあ、日本の最高のキーボード、
リアルフォースよりいいの?

僕は、リアルフォースは、
自作キーボードのトップレベルから見ると、
既に中堅だと考えている。


リアルフォースの欠点:

・左右非対称配列
・好きな押下圧にチューニングできない
・平面的なキーキャップ(しかもMX系と交換できない)
・親指近辺の無駄さ(第二世代以降)
・重くて持ち運びできない

が挙げられる。


リアルフォースの良さは、
なんといっても静電容量無接点方式の、
世界最高峰の打鍵感である。

しかし、静電容量方式(静電誘導の量で距離を検知)そのものが良いのではなく、
ラバードームや軸の形を含めた、
東プレの総合力による打鍵感であることは、
同じ静電容量方式を採用した、NiZ、Leopordを触る限り明らかだ。

ではこれを超える打鍵感はあり得るか?

僕の作ったキーキャップ「サドルプロファイル」と、
キースイッチ「涅槃イエロー」ならばそれを超えると僕は思う。

象牙のような感触で指の3D曲面に合った全部違う形状の3Dキーキャップ、
スピードスイッチ並みのアクチュエーションとトラベルディスタンスで、
底打ちを硬い反発でなく、シリコンゲルとEVAの絶妙な柔らかさで返す、
レッドカーペットのような涅槃イエロースイッチと、
押下圧を変荷重かつ指に応じたバネ(リニアとプログレッシブ混合)は、
既にリアルフォースを超え、
高級な万年筆の触感に近づいているとさえ思う。
(こればかりは触らないと解らないし、
好みの差もあるし、打鍵スタイルとの相性もある)


さて、リアルフォースの欠点を、
ひとつずつ指摘していく。


・左右非対称配列

なぜキーは左に傾く必要があるのか?
手が左右対称なのだから、左にずれて、
非対称に操作するキーボードは手を壊す。
とくに左にひねる左手は良くない。
壊れないのは、休める人だけだ。

ついでに分割して肩をひらくべきだ。


・好きな押下圧にチューニングできない

45gや30g均一、45gベースの変荷重があるが、
僕はこれより軽い変荷重にしている。

親指: リニア15g、
人差し指: ホームキーのみ35gプログレッシブ、それ以外リニア30g、
中指: 上段はリニア30g、その他35gプログレッシブ、
薬指と小指: リニア25g
小指下段: リニア20g

このようにきめ細かに出来ないのは、
市販品の限界だろう。
自作キーボードは、まさに自分用のチューニングをする為にある。


・平面的なキーキャップ(しかもMX系と交換できない)

自由に運指するピアノと違い、
ブラインドタッチ前提のキーボード操作は、
「決まったキーを決まった指で押す」ことになっている。
その指の動きはそれぞれの指によって異なるにも関わらず、
工業的大量生産的理由で、均一のままである。
また、指は三次元的曲線を描くのに、キーボードは直線構成だ。
これに合っていない平板なキーキャップは、
人間の手にフィットしていない。
(人側が合わせなくてはならない。
そしてその合わせる労力が疲労である)

自作キーボードで中心的に使われているMX軸対応のキーキャップでは、
そのように考慮されたものが沢山ある。
しかしそれに対応していない、
東プレ独自の軸形は、よろしくないよね。
(Adapter Xという選択肢もあります)


・親指近辺の無駄さ(第二世代以降)

親指を活用するべきだ。
USキーボードなんてスペースキー一個だ。無駄。
日本語入力は英語入力と違い、
変換操作が必須で、
その操作は外国生まれのキーボードでは考慮されていない。
申し訳程度に、無変換、変換、ひらがなカタカナがあるだけだ。
第一世代はそれでも親指が使いやすい位置にそれがあったが、
第二世代はUSキーボードのように長いスペースキーになってしまった。

両親指を頻繁に使う親指シフト系列や、
変換無変換あたりをモデファイヤキーとして使う、
自作ショートカット群などは、
軒並み死んだ。


・重くて持ち運びできない

それでも、日本最高峰のリアルフォースを使うことは、
独特の所有感があっていいと思う。

だがここからは僕の都合だが、
僕の主戦場はカフェなどでの執筆だ。
取り回しが悪く、モバイルに向かないキーボードはあり得ない。

今の僕の解は、
タブレット+MiniAxe(左右分割格子配列36キー、有線マグネット端子)だ。

これくらい取り回しが効かないと、
一日三軒くらいカフェをはしごすることもある、
執筆生活に耐えられない。




リアルフォースで良くない?
という人は、
リアルフォース以上のキーボードが存在する事を、
体験したことがないだけだ。
もちろん、1万円ちょいと、
3万〜5万の自作を比べて、
コスパが違うと言われるのもわからなくもない。

また、自キは尖っているから、
あれと要素とあれの要素がケンカすることもあり、
完全に自分の要求を満たすものを作るのは難易度が高い。
10万溶かしたってエンドゲームは遠い世界だ。

1万円ちょっとでカギカッコつきの最高級キーボードで満足するか?
どぶに金を捨てて、カギカッコのつかない最高級を求めるか?
その違いに過ぎない。

僕は後者だ。
posted by おおおかとしひこ at 22:50| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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