2020年11月17日

1234を、1243とする方法

何も馬鹿正直に、時間順で起こったことを書く必要はない。
「一体全体どういうことが起こったのか」が、
面白く、最後に全体が見えればいいだけのことだと思う。

1234と順に起きた時に、
1243と並んだ方が面白ければ、そうすればいいのだ。


もっとも簡単なものは、
2の最後に「考えがある」と言わせる方法だ。

1 …
2 …
「どういうつもりだ?」
「考えがある」
3(その考えを述べる)
「なるほど、それなら行けるかもしれない」
4(実際にその奇想天外な方法を実践して、成功)

となっている時系列を、

1 …
2 …
「どういうつもりだ?」
「考えがある」
4(ピンチに陥る)

3(回想。その考えを述べるインサート)

4その考えで大逆転して、成功

とすることで、スリリングに出来る。


時系列通りだと、既に答えが示されているため、
「それが成功する」ことが約束されてしまい、
その成功を見守るだけに終わってしまう。

3をインサートにしてギリギリまで引っ張ると、
スリルを作れる。

ほんとに考えがあるのか?
これは大ピンチで失敗するのでは?
からの、大逆転へと、
ストーリーの起伏を作れるわけだ。


もちろんどういう種類のものにするかによるけど、
大抵は平板な前者よりも、
起伏の大きな後者のほうが面白くなる。

その考えがバレバレに読めてしまうのなら、
後者で伏せる意味もないくらいかもしれないし。



他の方法は、「実は…」と問題が起きてからあとで真相を言うタイプ。

1…
2事件の原因
3事件
4皆がそれを知る

だと順番通り。

1…
3事件
4皆がそれを知る
2「実はこうだったんです…」

真相を隠したまま、インパクトのある事件が起き、
「なぜそれが起こったのか?」という謎で引っ張るタイプだ。
すべてのミステリーはこの構造だが、
別に殺人事件だけがこの形をとるわけではない。

浮気や裏切りや誤解、人知れずやっていたいいこと、
などをこのタイプで描くことはよくやるよね。

それは、時系列で素直に描かずに、
「真実をまだ知ってないときの方が面白い」
があるからだ。



ただ、馬鹿正直に時系列順にするよりも、
なにがしかの工夫があると、
感情の起伏を作りやすい。

登場人物だけでなく、観客にもサプライズは仕掛けられる。

他のやり方もいろいろある。
全ての回想インサートはこのように使えるし、
色々な使い方を収集してみよう。
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。