何も馬鹿正直に、時間順で起こったことを書く必要はない。
「一体全体どういうことが起こったのか」が、
面白く、最後に全体が見えればいいだけのことだと思う。
1234と順に起きた時に、
1243と並んだ方が面白ければ、そうすればいいのだ。
もっとも簡単なものは、
2の最後に「考えがある」と言わせる方法だ。
1 …
2 …
「どういうつもりだ?」
「考えがある」
3(その考えを述べる)
「なるほど、それなら行けるかもしれない」
4(実際にその奇想天外な方法を実践して、成功)
となっている時系列を、
1 …
2 …
「どういうつもりだ?」
「考えがある」
4(ピンチに陥る)
3(回想。その考えを述べるインサート)
4その考えで大逆転して、成功
とすることで、スリリングに出来る。
時系列通りだと、既に答えが示されているため、
「それが成功する」ことが約束されてしまい、
その成功を見守るだけに終わってしまう。
3をインサートにしてギリギリまで引っ張ると、
スリルを作れる。
ほんとに考えがあるのか?
これは大ピンチで失敗するのでは?
からの、大逆転へと、
ストーリーの起伏を作れるわけだ。
もちろんどういう種類のものにするかによるけど、
大抵は平板な前者よりも、
起伏の大きな後者のほうが面白くなる。
その考えがバレバレに読めてしまうのなら、
後者で伏せる意味もないくらいかもしれないし。
他の方法は、「実は…」と問題が起きてからあとで真相を言うタイプ。
1…
2事件の原因
3事件
4皆がそれを知る
だと順番通り。
1…
3事件
4皆がそれを知る
2「実はこうだったんです…」
真相を隠したまま、インパクトのある事件が起き、
「なぜそれが起こったのか?」という謎で引っ張るタイプだ。
すべてのミステリーはこの構造だが、
別に殺人事件だけがこの形をとるわけではない。
浮気や裏切りや誤解、人知れずやっていたいいこと、
などをこのタイプで描くことはよくやるよね。
それは、時系列で素直に描かずに、
「真実をまだ知ってないときの方が面白い」
があるからだ。
ただ、馬鹿正直に時系列順にするよりも、
なにがしかの工夫があると、
感情の起伏を作りやすい。
登場人物だけでなく、観客にもサプライズは仕掛けられる。
他のやり方もいろいろある。
全ての回想インサートはこのように使えるし、
色々な使い方を収集してみよう。
2020年11月17日
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